
日本最大手の決済サービスと提携
キャッシュレス決済サービス「PayPay」を展開するPayPay株式会社は、世界最大手の暗号資産取引所Binanceの日本法人であるBinance Japan株式会社と資本業務提携契約を締結し、Binance Japanの株式40%を取得したことを発表した。
40%の株式保有により、PayPayはBinance Japanの筆頭株主として経営に一定の影響力を持つことになることから、取締役の派遣や重要な経営判断への関与など、資本業務提携の枠組みの中で実質的な協力関係を築いていくことが想定される。ただし、株式保有が過半数には達していないため完全な経営支配権を持つわけではなく、戦略的パートナーとして共同でサービス開発を進めていく関係性となる。
会計上は持分法適用関連会社として扱われる見込みであり、Binance Japanの純利益の40%相当額がPayPayの業績に反映されることになる。連結子会社のように売上高や費用がすべて合算されるわけではないが、Binance Japanの収益性がPayPayの最終利益に影響を与える形となる。
ソフトバンクとLINEヤフー(旧Zホールディングス)の連結子会社であり、国内で7,000万人以上が利用するPayPayと、世界で2億9,000万人の利用者を抱えるBinanceグループが手を組むことで、日本のデジタル金融に新たな可能性が生まれることになる。
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— CZ 🔶 BNB (@cz_binance) October 9, 2025
PayPayマネーで暗号資産を直接購入可能に
今回の提携における最大の注目点は、両社のサービスを連携させた新たな仕組みの構築だ。
第一弾として、Binance JapanのアプリでPayPayマネーを使った暗号資産の購入機能を導入する方向で検討が進められている。さらに、暗号資産を売却した際の出金先としてPayPayマネーを選択できる仕組みも構築される予定で、キャッシュレス決済と暗号資産取引がシームレスにつながることになる。
これにより、日常的にPayPayを利用している7,000万人超のユーザーにとって、暗号資産がより身近で利用しやすい存在になることが期待される。
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Web3普及の起爆剤となるか
Binance Japan代表取締役の千野剛司氏は「PayPayの圧倒的なユーザースケールとBinanceの革新的なテクノロジーを融合することで、日本全国のより多くの皆さまにWeb3をより身近なものとし、安心で便利な暗号資産サービスを提供できる」とコメントしている。
PayPay執行役員の柳瀬将良氏も「ユーザーのニーズに合わせた幅広い金融サービスが国内で提供できるよう、日本の金融インフラの発展に貢献していく」と述べており、両社の強みを活かした革新的なサービスの共同開発が進められる見通しだ。
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