「種から収穫へ」2026年加速
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は9日、ワシントンDCで開催されたブロックチェーン協会の政策サミットで講演し、2026年に仮想通貨規制で大きな進展があることを示唆した。
「来年に関しては、我々が蒔いたすべての種が芽吹き始め、そして果実を収穫できるようになる」と述べ、複数の重要政策が具体化する見通しを明らかにした。
アトキンス委員長は今年7月に「プロジェクト・クリプト」を立ち上げ、仮想通貨規制の包括的な改革を開始した。
その具体策として11月に公表した「トークン分類制度」は、デジタル資産を4つのカテゴリーに分類する枠組みだ。ネットワークトークン、デジタル収集品、デジタルツールの3つは証券に該当せず、トークン化証券のみが従来の証券規制の対象となる。
また、1月末までに導入を目指す「イノベーション免除」制度は、仮想通貨企業がSECの監督下で新規ビジネスモデルを試験できる期間限定の規制緩和措置で、完全な証券登録を行わずに実験的な事業展開を可能にする。
アトキンス委員長はサミットで「まだ何も見ていない」と述べ、2026年に向けてさらに大きな動きがあることを示唆した。業界関係者は米国での仮想通貨事業の規制環境が大幅に改善されると期待を寄せている。
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規制緩和ではなく明確化
アトキンス委員長の方針は、前任のゲーリー・ゲンスラー委員長の姿勢から大きく転換している。ゲンスラー氏は「法執行による規制」を重視し、個別の訴訟を通じて規制の範囲を示す手法を採用していた。
これに対しアトキンス氏は、事前に明確なルールを定める方針に転換し、イノベーション促進と投資家保護の両立を目指している。
ただし、アトキンス委員長は規制緩和を意味するものではないことを強調している。「詐欺は詐欺だ」と述べ、ネットワーク構築を約束して資金を調達しながら持ち逃げするような行為に対しては、法律の範囲内で徹底的に追及する姿勢を明確にした。
新たな枠組みは、悪質な行為を取り締まる一方で、正当な事業者に対して予測可能な規制環境を提供することを目的としている。
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