はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

世界有数のヘッジファンド創業者が語る投資ポートフォリオ論 ビットコインは選択肢に入るか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米著名投資家レイ・ダリオ氏が語るポートフォリオ論

世界最大級の米ヘッジファンドBridgewater Associatesの創業者であるレイ・ダリオ氏は、グローバルな視点を持ちつつ、金融市場に参入することを恐れず、バランスの取れた分散投資を行う重要性を説いた。

「現金はゴミ」

スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラムで、米CNBCのインタビューに応じた同氏は、各国の中央銀行が通貨の発行権限を握る現在の法定通貨システムでは、政府が不換紙幣を発行し続けることが可能なため「金余り」状態を生み出し、通貨価値の下落につながるとして「現金はゴミ」と斬って捨てる発言をした。

そのため、「十分に多様化されたポートフォリオ」に現金を投じることを恐れず、また、一定の量の金(ゴールド)=「確かなもの」をポートフォリオに含めることの重要性を強調した。

金を買うならビットコインは?

金投資を勧めるのならビットコインを買うのはどうかと尋ねられると、ダリオ氏は首を横に振り、ビットコインはお金の機能を果たしていないと次のように述べた。

「お金の目的は二つある。交換の手段と富の保存手段だ。現在、ビットコインはどちらにも効果的ではない。」

「デジタルゴールド」としての認識が広まりつつあるビットコインについて、「富の保存手段としてはどうか」と再度尋ねられると、ダリオ氏は、ビットコイン価格のボラティリティを欠点としてあげ、「その変動性ゆえ、近寄れない」と述べた。

しかし、フェイスブックが提唱している複数の法定通貨を担保にしたステーブルコイン「リブラ」など、より安定性を保てるものなら、まだ可能性が高いと付け加えた。

さらに中央銀行は、ビットコインではなく、これまで千年もの間、準備通貨としての地位を確立した金を購入するだろうと、金に投資することの重要性を再度、強調。しかし、分散投資こそがリスク回避の王道だと主張しているダリオ氏は、「投資の一部を金に回すということだ」と念を押した。

「パラダイムシフト」が近づいている?

ダリオ氏は独自のマクロ経済分析に基づき、2008年の経済危機の引き金となったベアスターンズ社やリーマン・ブラザーズ社への投資から直前に撤退し、リーマンショックを乗り切った投資手腕の持ち主として名声を馳せた。同氏が創業したBridgewater Associates社は、1600億ドル(約17兆6000億円)を運用する世界最大級のヘッジファンドへと成長した。

そのダリオ氏だが、このインタビューの「現金はゴミ」発言のように、過剰な「フリーマネー」がシステムの崩壊を促進していると、警告を発している。 各国政府による金融政策の効力の低下に加え、広がる貧富の格差やアメリカと中国の対立など、世界が二極化してきており、1930年代後半の状況と似てきていると主張する。

もちろん、過去の歴史がそのまま繰り返されることはないとしながらも、現在起こっていることのメカニズムを学び、理解することで、投資の面では「多様化、分散化」を図り、自分自身を守ることの重要性を説いている。

インタビューでダリオ氏は、今年の景気後退はないだろうと予測しながらも、米大統領選後、景気後退に陥った場合、金利引き下げなどの刺激による効果は薄れてきており、政府が効果的な金融政策を打ち出せないことを憂慮していると述べた。 また、さらなる財政赤字に対し、紙幣の濫発で対処することが考えられるとも付け加えている。

 

「マイナス金利の国債等が出てくる時点というのは、パラダイムシフトの限界が近づいているということだ」

関連記事

銘柄別 テーマ別
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/22 金曜日
06:00
JPモルガン分析、イーサリアムパフォーマンス向上の4つの要因とは
JPモルガンが仮想通貨イーサリアムの好調な理由を分析。54億ドルのETF資金流入、企業財務採用、規制明確化、構造改善の4要因でビットコインを上回ると見ている。
05:45
米上場バーブテクノロジー、1000億円相当のトンコイン(TON)を取得
ナスダック上場のバーブテクノロジーが7億1300万ドル相当のトンコインを取得し、循環供給量の8.5%を保有。TON戦略会社への社名変更も計画中。
05:30
コインベース、トランプ関連ステーブルコインUSD1の上場検討を発表
仮想通貨取引所コインベースがトランプ大統領関連のワールドリバティファイナンシャルのステーブルコインUSD1を上場ロードマップに追加。総供給量24億ドルに拡大し注目集まる。
08/21 木曜日
17:48
シンプレクス、ステーブルコイン参入を支援へ アバランチ実証実験を受け
シンプレクスが金融機関のステーブルコイン事業参入支援を本格化。Ava Labsとの実証実験でアバランチ基盤の高性能インフラを実証し、参入障壁の解消を目指す。
17:23
カニエ・ウェスト、仮想通貨YZY発表
カニエ・ウェスト(Ye)が暗号資産(仮想通貨)「YZY」をソラナ上で発行し、発表直後にバイナンスに上場。YZY Moneyエコシステムの中核トークンとして決済サービス「Ye Pay」やYZYカードを展開予定。
16:39
メルカリとソニー、NFT・デジタルコンテンツ普及で基本合意 Soneium活用へ
メルカリとソニーグループがNFT・デジタルコンテンツ普及で基本合意。ソニー独自ブロックチェーン「Soneium」を活用し、メルカリの月間2300万人ユーザー基盤でWeb3技術の大衆化を目指す。アイドル関連NFT販売を皮切りに新エコシステム構築へ。
14:00
米上院議員、仮想通貨市場明確化法案の年内成立を目指す
シンシア・ルミス米上院議員は、仮想通貨規制の明確化を図るクラリティ法案の年内成立を目指すと発表した。先月発表された上院の独自案ではなく、超党派の支持を得た下院案を基本法案とする方針に切り替え、11月末にはトランプ大統領への提出を見込んでいる。
13:40
ゴールドマンサックスとベッセント財務長官、ステーブルコイン急成長を予測
米財務長官とゴールドマンサックスがステーブルコイン市場の急拡大を予測。規制整備により数兆ドル規模の成長期待が高まる中、JPモルガンは慎重姿勢を示す。
12:50
「ビットコインは2030年までに100万ドルへ」コインベースCEOが強気予想
コインベースCEOが2030年のビットコイン価格を100万ドルと予想した。機関投資家流入など強気シナリオの要因を挙げている。仮想通貨の今後のユースケースについても話した。
12:00
「多様なイノベーション促進へ」金融庁・今泉参事官が語る、暗号資産規制やETFの展望
金融庁の今泉宣親・暗号資産ブロックチェーンイノベーション参事官が語る、ビットコインETF、制度改革、ステーブルコインの展望。利用者保護とイノベーション両立への取り組みを詳述。
12:00
ビットバンク廣末社長が語る、ビットコインとの出会いと今後の展望|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のタイトルスポンサーとしてブース出展を決めた、ビットバンク廣末紀之社長独占インタビュー。オリコン顧客満足度2年連続1位の暗号資産取引所が語るWeb3時代の資産形成戦略とWebX2025への展望を聞く。
11:30
明日にジャクソンホール会議パウエル講演控える中、仮想通貨相場反発
ビットコインが前日比1.17%上昇する中、機関投資家によるイーサリアム大量購入が継続。Bitmine Immersionが52,475ETH追加で総保有額66億ドル近くに。一方、個人投資家のアクティブアドレス数は8月に28%減少し、ビットコイン・イーサリアム現物ETFからも大幅流出。ジャクソンホール会合でのパウエル議長発言が今後の相場を左右する見通し。
10:50
アーサー・ヘイズ、幹細胞事業に投資
ビットメックスの創設者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏が幹細胞クリニック事業に大規模投資し取締役就任。先週売却した仮想通貨を1050万ドルで買い戻し、「利益確定はもうしない」と方針転換。
10:05
イーサリアム財団、セキュリティ強化の行動指針発表
イーサリアム財団は、Trillion Dollar Securityのプロジェクトについて行動指針を発表。仮想通貨イーサリアムの広範な調査を経て、まずはユーザー体験の安全性を強化する。
09:40
米ブロックチェーン協会ら、ステーブルコイン利回りに関する「ジーニアス」改正案に反対
米ブロックチェーン協会らが、銀行協会提案のステーブルコイン利回り規制強化に反対している。「ジーニアス」法案の改正案にいくつかの論点から異議を唱えた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧