イーサリアムの開発計画
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の開発者らは16日、次期大型アップグレード「Pectra(ペクトラ)」のメインネットでの実施目標時期を2025年3月にすると定めた。
ペクトラは、開発者らが一度に実施するには範囲が広すぎると指摘している大型アップグレード。現時点では仮のスケジュールだが、2月にテストネットでアップグレードを試し、それで問題がなければ3月初めから中旬にメインネットで実施することを目指す。
イーサリアムはこれまで、コンセンサスの仕組みをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に変更するなど大型アップグレードを成功させてきた。現在も、長期的なロードマップにもとづいて開発を継続している。
ペクトラについては先月に短期間だけ運用されるテストネット「Mekong(メコン)」をローンチするなどテストを継続。これまでの会議では、大型アップグレードであるため2回に分けて段階的に実施する提案も行われた。
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ペクトラでは、ネットワークの効率性やユーザー体験を向上させたり、バリデータの最大ステーク数量を現在の32ETHから2,048ETHに増やしたりする予定。他にも外部アカウント(EOA)に関する変更などの機能改善も実施する予定だ。
メインネットで実施する前に、2月12日にSepoliaテストネットで、2月19日にHoleskyテストネットで試験的にPectraを行うことを目指すという。
イーサリアムの相場
イーサリアムのアップグレードは、新機能の導入などが行われて資産としての魅力も向上することから、投資家も注目している。
本記事執筆時点の1ETHの価格は3,500ドル(約54万円)台で推移。前日比では5%超、前年比では約40%上昇している(CoinGecko参照)。
米国でローンチされたイーサリアムの現物ETFへの資金フローは今週、16日時点のデータでプラスに転じた。前週は約1.9億ドル(約290億円)の純流出だったが、今週は16日時点で同水準の金額が純流入している。
イーサリアムの価格上昇や資金フローの改善の要因はアップグレードへの期待もあるが、現在は、仮想通貨に肯定的な米トランプ新政権の発足、マクロ経済、地政学的な要因などが仮想通貨相場全体の追い風になっているとされている。
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