CoinPostで今最も読まれています

ブラジル中央銀行、仮想通貨を資産として貸借対照表に計上 IMF統計局ガイダンスの分類法に従う

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブラジル中銀、仮想通貨の分類法を適応
ブラジルの中央銀行は8月26日、IMF統計局のガイダンスに沿った仮想通貨の分類法を導入し、暗号資産の売買は資産の売買として貸借対照表に計上すると公式発表した。

ブラジル中央銀行、仮想通貨の分類法を適応

ブラジルの中央銀行は8月26日、国際通貨基金(IMF)統計局のガイダンスに沿った仮想通貨の分類法を導入し、暗号資産の売買は資産の売買として貸借対照表に計上すると公式発表した。

ブラジル中央銀行が分類の規範としたのは、IMF統計局が発行した「マクロ経済統計における暗号資産の取り扱い」(”Treatment of Crypto Assets in Macroeconomic Statistics”) だが、その中でIMFは、「対応する負債のないビットコインのような暗号資産とデジタルトークンは、生産された非金融資産として、貴重品の中の個別のサブカテゴリとして分類される必要がある」と明記している。

また、マイニングは「生産プロセス」として扱われ、サービスとして分類される取引手数料と新たにマイニングされた「ビットコインと同類の暗号資産」(BCLA=Bitcoin-like crypto asset)の合計が評価されることになるという。

ブラジル銀行によると、デジタル製品である仮想通貨に関する税関登録はない一方で、ブラジル居住者による仮想通貨の売買は「外国為替契約の締結」に該当するという。したがって、仮想通貨の売買は、商品の輸出入統計に含まれることになり、ブラジルは仮想通貨の純輸入国であるため、仮想通貨取引が「国際収支における貿易黒字の削減に貢献」していることになると説明している。

なお、IMFは、暗号資産は、BLCAとデジタルトークンの2つのカテゴリに分類する必要があると説明し、デジタルトークンを、さらに次の三つのカテゴリーに分類している。

1.支払いおよびユーティリティトークン

提供される将来のサービスに対する責任を負う発行者がいる場合を除き、非金融資産として分類

2.資産トークン

発行者に対する債券または株式請求権を表す限り、債券または株式として分類

3.ハイブリッドトークン

資産トークンの特性を共有している場合、債券または株式として分類

さらに、暗号資産の開発と使用に関しては、引き続き慎重に監視する必要があり、将来の状況の変化に応じて、推奨している分類法を再検討する可能性もあると付け加えている。

仮想通貨を取り巻くブラジルの政治環境

ブラジルは、南米最大の仮想通貨取市場で米リップル社が支社を設立するなど、大きな存在感を持つ国だが、ブラジル中央銀行総裁のRoberto Campo氏は仮想通貨については非常に肯定的な態度を持っているようだ。

Campo総裁は、ブラジル議会へあてた書簡では次のように述べている。

「ブロックチェーンとデジタル資産に関する研究に参加し、将来の金融システムとなる可能性のある計画に熱心に取り組んできた。技術が飛躍的に進歩し、より急速な変化が起こる将来の市場に備えて、中央銀行の体制を整えることができるようにすることを望んでいる。」

一方、Jair Bolsonaroブラジル大統領は、銀行口座を持たないブラジルの先住民族を支援する仮想通貨プロジェクトを停止するなど、仮想通貨には否定的な態度を示している。 しかし、同時にBolsonaro政権は、前述の仮想通貨肯定派であるCampo総裁を中央銀行任命しており、ブラジルにおける仮想通貨やブロックチェーン推進の動きを阻むことは困難を極めることになるだろう。

仮想通貨に肯定的な中央銀行を持つブラジルの、今後の展開に注視したい。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/02 木曜日
06:50
ETFや国・企業保有のビットコインは約27兆円規模=VanEck報告
ビットコインETF分野で、仮想通貨ビットコインを最も保有しているのはブラックロックのIBITで現在274,462 BTCを保有。企業の保有では、米マイクロストラテジーが最多で214,400 BTCを保有している。
06:15
FOMCで政策金利現状維持、ビットコイン一時59000ドル台回復
仮想通貨ビットコインは一時58,000ドル水準を回復。パウエル議長が「米経済は成長もしくはインフレでスタグフレーションは想定していない」とコメントしスタグフレーションへの懸念を後退させた。
05/01 水曜日
15:00
Bitwise最高投資責任者「米国でステーブルコイン法案可決なら、甚大な影響を及ぼし得る」
仮想通貨投資企業Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は、米国議会が今年、包括的なステーブルコイン法案を可決する可能性に言及。実現した場合、仮想通貨の広範な普及という面で ビットコイン現物ETFの承認と同等か、それ以上に大きな影響を与える可能性があると述べた。
12:30
米コインベース、ビットコインのライトニングネットワークを導入
米大手仮想通貨取引所コインベースは、ビットコインのライトニングネットワークを導入したと発表した。BTC送金を高速・低コストにする。
11:59
仮想通貨全面安、地合い悪化と香港ビットコインETFの思惑買い剥落で
暗号資産(仮想通貨)相場では、経済指標を受けた米国株安などの地合い悪化に加え、香港市場のビットコインETF・イーサリアムETFの初動不調の影響もあり、ビットコイン(BTC)やアルトコイン相場が急落した。
11:25
Web3ゲーム企業Games for a Living、クラクラ制作企業などから5億円調達
EAの創設者Trip Hawkins氏が共同で立ち上げたWeb3ゲーム企業Games for a Livingは調達ラウンドで、5億円を調達した。
10:05
バイナンスCZ前CEO、懲役4か月の判決
米地裁は、仮想通貨取引所バイナンスのCZ前CEOに懲役4か月の判決を下した。法律違反を知らされていた証拠がないことなどが緩和材料となった。
09:20
東京都、デジタル証券発行の補助金申請を受付開始
デジタル証券(ST)発行企業を支援するため、東京都が補助金申請の受付を開始。都内の企業は申請が認められれば、ST発行に必要な経費の一部を補助してもらうことができる。
07:50
香港のビットコイン・イーサ現物ETF、初日出来高は米国版を大幅に下回る
6つの仮想通貨ビットコイン及びイーサリアムETFの初日出来高は1,100万ドルだった。1月に米国でデビューしたビットコインETF10銘柄の純流入額は6.55億ドルで、香港版はこれを大幅に下回った格好だ。
07:20
リップル社、日本にXRPL基盤のソリューション導入へ 
日本にXRPL基盤の企業向けソリューションを導入するため、リップル社とHashKey DXが提携。このソリューションを最初に利用するのはSBIグループの企業である。
06:45
バイナンスジャパン、ソラナ・XRPなどで日本円取引拡充
仮想通貨取引所Binance Japanは今年2月に、ラップドビットコイン、ファイルコイン、スイに対応追加。国内では、最多のラインアップを有する取引所として50銘柄を提供。
06:15
1つのソラナミームコインの時価総額が300兆ドルに、その理由は
この仮想通貨ミームコインの9割以上の発行数はトークン発行者に保有されており、「凍結権限」が発動されたため、購入した投資家はトークンの送信をすることができなくなっている。
05:50
米マイクロストラテジー、4月にもビットコイン買い増し
仮想通貨ビットコインを大量に保有しているが、2024年1Q業績については、売上高は前年同期比5%減の1億1,520万ドルとなった。株価は暴落している。
04/30 火曜日
14:45
米SECは一年前にイーサリアムの「正式調査命令」を承認していた コンセンシスの訴状で明らかに
米Web3企業コンセンシスは、対米SEC裁判で新たな書類を提出した。SECは一年前にイーサリアムを調査する正式命令を発行したと申し立てている。
14:34
個人マイナーがビットコインのブロック生成に成功、報酬3500万円相当を獲得
ビットコインのマイニングを行う個人マイナーがブロック生成に成功し、ブロック報酬と取引手数料で3,400万円の採掘報酬を獲得した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア