CoinPostで今最も読まれています

1万台のマイニング機器が消失、Bitmain内部紛争エスカレートか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

1万台のマイニング機器が消失

中国大手マイニング企業ビットメインの内部紛争がエスカレート、物理的な盗難事件まで発生したとみられる。ビットメインが運営するモンゴルのマイニング施設から、1万台近い採掘機器が消えたという。

背景には共同創設者Micree ZhanとJihan Wuの争いがあるようで、ビットメインのWeiboアカウント上でMicree Zhanは、採掘機器Antminerを「違法に移送された」としてJihan Wuを非難。

Antminerを返却するよう法的文面にして要求した。書類にはビットメインとその子会社4つの印鑑が押されている。

持ち去られたとみられるAntminerはビットメインの顧客によって所有されているもので、契約の下にビットメインが運転していた。

内部紛争により運営が分裂しているビットメイン

同社の共同創設者Micree Zhanは、昨年11月に、突然会社から追放された。本人によれば、出張中に同意なく追い出されたもので、会社を取り戻すべく法的措置を取るつもりだと宣言。

また現在もZhanはビットメインの株式を大量保有していると伝えられており、今回盗難にあったモンゴルの施設を所有するビットメインの子会社Fujian Zhanhua Intelligent Technologyは、公的な書類によればZhanの管理下にあった。Zhanはビットメインの北京オフィスと深セン工場も管理している。

一方で、Wuはビットメインの法定代理人であり、ビットメインChinaの香港にある親会社を管理している。

こうして実質的に、敵対するZhanとWuは現在、競合する採掘機器サプライ企業を運営していることになる。

どちらの側もAntiminerの商標、ビットメイン従業員とブランドを獲得しようとしている。これには、銀行口座や通信チャネルの管理も含まれる。双方ともに相手側の犯罪行為を主張している状況だ。6月に、Wuは台湾の会社TSMCからビットメイン工場へのチップの供給を遮断したと伝えられている。

混乱する顧客とサプライヤー

ビットメインの顧客は、どちらのグループに連絡を取り支払いを行えばよいか混乱し、ハードウェアの配送に遅延が生じることにもなる。また、ビットメインへのサプライ業者とサービス提供者は、どちらのグループが自分達に支払ってくれるのか疑問を抱かざるをえない。

Antminerの顧客の中には、自分の場所でマイニング機器を運転することを選ぶ者もいるが、多くの場合は月額手数料を支払って、ビットメイン所有のマイニングファームに機器を設置し運転してもらう。消えた採掘機器の多くはこのカテゴリーに属していた。

実際、ビットメインは内部紛争にも関わらず事業を進めており、先月は米国のブロックチェーン企業Core Scientificと大型契約を結んだ。計17,595台のS19 Antminer(現在のフラッグシップ機器)の購入契約だった。

また最新型フラッグシップマシンS19 Proの廉価版T19もリリース。1台2407ドルのS19 Proに対し、1750ドルと価格を抑えたもので、ハッシュパワーはT19が84TH/s。S19 Proの主力は110TH/sである。

しかし今回起こった、採掘機器が突如消えるなどの事態は顧客にとっても大きな不利益となる状況であり、今後も争いが収まらなければ、経営にも影響する可能性がある。

大手マイニング企業の不確実性は、仮想通貨コミュニティや、マイナーサークルも注視するところだ。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/16 木曜日
08:15
株式取引アプリのロビンフッド、欧州でSolanaステーキング提供開始
仮想通貨ソラナのステーキングはロビンフッドが提供する最初のステーキング商品だ。ローンチ時に提供するステーキング年利は5%前後となる。
07:20
ソラナのSuperteam、日本で発足
仮想通貨ソラナの技術の日本での普及を推進するSuperteam Japanが発足。今後の活動内容が明らかになった。
06:30
エルサルバドル政府、過去3年間で48億円相当のビットコインを採掘
エルサルバドル政府は2021年以来、火山の地熱エネルギーを活用した300台のプロセッサを導入し環境に優しい方法で仮想通貨ビットコインの採掘を進めてきた。
06:05
ビットコイン66000ドル台まで反発、米CPI結果受け利下げ期待高まる
主要株価指数だけでなく、コインベースやマイクロストラテジーなどの仮想通貨関連株銘柄もCPI結果に反応し大きく反発した。
05/15 水曜日
18:00
仮想通貨ウォレット「メタマスク」の使い方、送金、セキュリティ対策
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
14:45
「SusHi Tech Tokyo 2024」でSUDACHI TechとEchoXがWeb3プラットフォームを技術協賛
「SusHi Tech Tokyo 2024」では、SUDACHI TechとEchoXがNFT活用のWeb3プラットフォームを技術協賛。NFTデジタルスタンプラリーを展開する。CoinPostがアンバサダーを務めるグローバルスタートアッププログラムも開催される。
13:10
自由な取引ツールとしてのビットコインは実現しないのか、開発者が憂慮
仮想通貨ビットコイン開発の貢献者であるマット・コラロ氏は、現在「自由のためのツール」というビットコインのビジョンが実現できるかどうかが危ぶまれているとの考えを明らかにした。
12:30
コインチェック LSK保有者向け「KLY」エアドロップ対応方針発表
コインチェックは、LiskブロックチェーンのイーサリアムL2への移行に伴い、新谷発足するKlayrのネイティブトークンKLYのエアドロップへの対応計画を発表。スナップショットは2024年5月21日に予定される。
12:25
CPI発表迫り方向感を欠くビットコイン、イーサリアムETF承認は悲観的な見通し強まる
CPI(米消費者物価指数)発表を本日21時30分に控える中、暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインの方向感に欠ける展開で狭いレンジで上下している。
12:00
香港のビットコイン・イーサリアム現物ETFから最大の資金流出
香港の仮想通貨ビットコイン・イーサリアム現物ETFは4月の立ち上げ以来最大の1日当たり純流出を記録した。米国のBTC現物ETFは流入に転じている。
11:30
SBI VCトレード、口座保有者にHashHubのWeb3レポートを無料提供へ
SBI VCトレードは、暗号資産(仮想通貨)取引のサポート強化として、口座保有者に「HashHub Research」の一部を無料で提供開始。市場動向、プロジェクトの技術的背景などを把握するのに最適。
10:45
グーグル、新AI検索機能の一般提供発表
AIのGeminiで検索体験をさらに向上させるため、グーグルが新機能「AI Overviews」の一般提供を発表。同社のプロダクトにもAIを活用するとし、他にも様々な発表を行なった。
10:05
仮想通貨投資信託提供のCoinShares、1Qで利益総額が前年比11倍に 
仮想通貨投資企業CoinSharesは2024年第1四半期の決算を報告。利益総額は前年比11倍以上増加した。3月にはヴァルキリーのETF事業を買収している。
08:45
Polymarket、ヴィタリックなどから70億円調達
仮想通貨利用のポリマーケットは、2024年にプラットフォーム上で約2億200万ドル相当の予測取引が行われたと報告。特に米国の選挙の結果に125億ドル以上が賭けられており、現在のところドナルド・トランプ氏が49%の確率でジョー・バイデンの44%をリードしている。
08:15
Re、アバランチ上で再保険ファンド提供
仮想通貨アバランチのブロックチェーン上で、RWAである再保険のトークン化ファンドをReがローンチ。再保険業界の透明性を向上させ、オンチェーン決済を促進していく。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア