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ビットコインの循環率6年ぶり低水準、イーサリアムは取引所からウォレットへの出金傾向強まる CoinPost週次データレポート

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7月の仮想通貨動向

7月第2週の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)は、一時360万円台を下回るなどリスクオフムードを払拭しきれず。

バークレーズやサンタンデールなど、各国の金融機関がバイナンスに対してサービス停止の報道が悲観視されたとの見方もある。

出典:CoinMarketCap

時価総額2位のイーサリアム(ETH)は、一時26万円台まで反発したものの、木曜(8日)にかけ22万円台(2050ドル)まで下落。対BTCで再び下落に転じるなど失速している。

出典:CoinMarketCap

関連:イーサリアム大型アップグレード「ロンドン」、最新状況とマーケットの焦点を解説

時価総額TOP20の騰落率

時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(ステーブルコインは除く:12日時点)

  • バイナンスコイン(BNB):+4.43%
  • ユニスワップ(UNI):-1.38%
  • ビットコイン(BTC):-3.15%
  • ポルカドット(DOT):-3.82%
  • チェーンリンク(LINK):-5.62%

関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化

仮想通貨取引所のウェブアクセス

CoinPostと提携する仮想通貨メディアThe BlockのLars Hoffman氏は6月における仮想通貨取引所への月間ウェブトラフィックが前月比で-42.2%を記録したと指摘。2018年1月から2月における減少(-45.3%)に続くアクセスの低下を観測したと説明している。

仮想通貨企業の資金調達|2021年2Q

また、The Blockの統計によれば、21年第2四半期(2Q)における仮想通貨企業への私募は総額159億ドル(1.7兆円)を記録。21年1Qの調達金額を大きく更新する形となった。

Block.oneの仮想通貨取引所Bullishへの97億ドルの出資を除いても、全四半期から90%の成長率を見せている。

The BlockのJohn Dantoniリサーチアナリストによれば、2Qの資金調達総額は2018年全体を上回る額を記録したという。

取引所の日間出来高

仮想通貨取引所の日間出来高(7日MA)は引き続き減少。5月下旬以降、取引量は下降傾向を続けている。

6月第4週は一時回復の兆しを見せたが、月末から再び減少。一時期の3分の1、または21年1月の水準に達している。

取引所からの出金傾向は継続

Santimentの統計によれば、ビットコインとともに、イーサリアムの取引所入金(デポジット)額は引き続き減少した。主要銘柄のBTCとETHを取引所から個人ウォレットなどに移動し、中・長期保有に向かう投資家の傾向が考えられる。

Santimentは取引所に預け入れされているビットコインの供給量が2018年11月以来の低水準に達していると指摘。売り圧力の低下を示唆するため、相場にとっては前向きな動きと捉えた。

一方、イーサリアムも取引所ウォレットから個人ウォレットへ相次いで流出(outflow)を記録。7月第1週におけるETHの引出額は17年4月以来の最多水準だった。

ビットコインのオンチェーン・データ

ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

ビットコインの循環率

また、Santimentの統計によれば、ビットコインの30日MAの循環率(Circulation)は2015年10月以来の低水準に。大幅な価格の下落に連動する形で減少した。

BTCマイナー、ロング再開

Glassnodeの統計によれば、マイナーのネットポジションが再びプラスに転じた。Clemente氏は「ビットコイン・マイナーが再び買い集めを始めた」と言及した。

ビットコイン・マイナーのネットポジションは5月下旬に中国規制当局が仮想通貨への取り締まり強化を表明した後、マイナスに転じていた。マイニング企業の撤退が行われており、米国など各地へ採掘業者が新たな拠点を求めて移動している。

関連:加投資大手IBC Group、中国から仮想通貨マイニング完全撤退

BTCアクティブユーザー

一方、ビットコインのアクティブ・ユーザー数は引き続き上昇傾向を維持。オンチェーン・アナリストのWilliam Clemente III氏によれば、過去の上昇相場後には急激に下がる傾向にあったアクティブ・ユーザーが引き続き上昇していると指摘して、下落相場にも関わらずビットコインを取引するユーザーが増えているとした。

SNSセンチメント低下

また、仮想通貨データ分析プラットフォームSantimentの統計によれば、ビットコインのセンチメントデータが2020年10月以来となるマイナス水準に達していることがわかった。今後もこのような地合いが続けば、センチメントが最も弱気だった2018年6月の水準まで落ち込む可能性があると分析した。

センチメント分析とは

AI(人工知能)などの機械学習モデルを利用し、ツイッター上のデータから文字情報を「ポジティブ」と「ネガティブ」に分類し点数化。これまでの傾向によれば、価格上昇に伴い楽観系ツイートが増加し、下落に伴い悲観的な投稿が増加する傾向があるという。

▶️仮想通貨用語集

なお、データは英語圏の投稿のみを対象としている。Santimentのデータでは、2020年10月のSNSセンチメントはコロナショックが発生した20年3月をはるかに下回る悲観ムードが漂っていた。

関連:ビットコインに対するTwitter感情指数、過去最低水準の悲観ムードに

イーサリアムのオンチェーン・データ

イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

ETH2.0 ステーキング額

イーサリアム2.0のステーキング額は引き続き増加。前週とほぼ同等のペースを維持した。(前週は7日間で+16万ETH)

ステーキング額:626万ETH(前週比+17万ETH)

出典:CryptoQuant

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

平均手数料(ガス代)

また、イーサリアムの平均ガス代は2020年12月以来の水準となる240円台まで低下。

4月などにはイーサリアムのガス代高騰が顕著に表れていた時期もあったため、一旦落ち着いてきた格好だ。

#Ethereum’s average fees are down to $2.19, which is the lowest the #2 market cap asset has been since December, 2020. This is a promising sign that $ETH’s utility can rise with little impact of fees standing in the way of healthy circulation.

イーサリアムのアクティブアドレス数

一方、イーサリアム・ネットワーク上のアクティブ・アドレス数は5月以降、引き続き減少傾向を維持。9日時点では、21年3月上旬の水準となる48万アドレスに達した。

DeFi(分散型金融)

DeFiプラットフォームのTVLは12日時点で1,144億ドル(12.5兆円)だった。

【前週比:+13.9億ドル(1,500億円)】

出典:DeFi Llama

TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。

NFT(非代替性トークン)

NFT関連の注目オンチェーン・データは以下の通り。

週間取引量

7月第1週のNFT週間取引量は4ヶ月ぶりの高水準を記録。また、前週に続き、3月以降から取引量の大半を占めていたCryptopunksに代わり、Axie Infinityの取引量が過半数を占めた。

同プロジェクトは(NFT)を繁殖させ販売することなどによって利益を得ることが出来るゲームで、ガバナンストークンのAxie Infinity(AXS)も直近1ヶ月で370%の騰落率を記録。時価総額ランキングでも72位に浮上している。

関連:仮想通貨に反転攻勢の兆し、Axie Infinity(AXS)などNFT関連銘柄の物色進む

平均取引価格

また、NFT取引の平均取引価格(7日MA)も9日、4月下旬以来の高水準を記録した。

クリプト指標

                          
日程 指標

7月12日

Kava Swapのテストネットをローンチ

7月14日

Crypto.com DRACO Ⅱのローンチ

7月14日

パラグアイ議員、仮想通貨法案を議会に提出

7月15日

DASH v0.17に伴うハードフォーク

7月18日

グレースケールのGBTC、4万BTC分アンロック

前回の週次レポートはこちら:大口ビットコイン投資家は買い継続 イーサリアムは売り圧低下を示唆するデータも

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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/03 火曜日
17:50
米CFTC委員長、仮想通貨含む新技術への規制見直しをアピール
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16:51
フレンドテックのセキュリティ弱点とSIMスワップ攻撃の危険性
ソーシャルファイFriend.Tech(フレンドテック)のセキュリティリスクに懸念高まる。550万円相当の仮想通貨イーサリアムが不正流出したケースも。SIMスワップ、フロントエンド侵害などへの脆弱性について専門家が警告した。
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アービトラム、ソラナ、dYdXの動向まとめ
仮想通貨市場の個別銘柄、アービトラム、ソラナ、dYdXが前週比で高い上昇幅を示した。独自チェーン、報酬プログラムなど近日予定されるイベント、アップデートについてまとめた。
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大手仮想通貨取引所コインベースは、シンガポール金融管理局から決済機関としてのライセンスを取得した。現地のWeb3コミュニティとも協力していく。
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コインベースやマラソンといった仮想通貨関連株銘柄はビットコイン(BTC)が2日に28,580ドルにまで急騰したことを受け一時大幅に上昇していたが、その後28,000ドル台割れで上げ幅を消した。
05:30
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米時間2日に複数のイーサリアム先物ETF(上場投資信託)がデビューした。米大手仮想通貨の資産管理会社グレースケールが現在運用中のイーサリアム投資信託をイーサリアムのETFへ転換する申請をSECに提出した。
10/02 月曜日
14:58
仮想通貨VC大手パラダイム、対SEC裁判でバイナンスを援護
仮想通貨VC大手パラダイムは、バイナンス対SECの訴訟でバイナンスを支持する法廷助言書を提出。SECは権限の範囲を超えて行動していると主張した。
13:00
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12:41
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暗号資産(仮想通貨)市場では、懸念された米議会閉鎖回避を受けビットコイン(BTC)や日経平均株価などが反発。米国で先物ETFが承認されたイーサリアム(ETH)や、ソラナ(SOL)への資金流入も見られた。
10:09
ブテリン氏、プロバイダ分散化に繋がるプロトコル変更案
イーサリアム共同創設者ヴィタリックブテリンは、新たにステーキングプロトコル変更によるリキッドステーキングプロバイダ集中化の緩和(分散化)案を検討した。

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