はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

10月より本施行のトラベルルール、国内取引所の追加対応まとめ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トラベルルール追加対応まとめ

国内で事業を展開する複数の暗号資産(仮想通貨)取引所が、22年10月から実施される「トラベルルール」本施行に関する追加対応を表明している。

トラベルルールは、「利用者の依頼を受けて仮想通貨の送付を行う交換業者は、送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の交換業者に通知しなければならない」という決まり。

FATF(金融作業部会)が提唱したもので、犯罪者やテロリスト等が決済手段として仮想通貨を用いることを防ぐことなどを目的としている。

関連:仮想通貨取引所コインベースのトラベル・ルール対応、カナダなどで4月から開始へ

国内仮想通貨業者のトラベルルールへの対応は、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が主導し、業界の自主規制として実施されている。

通知対象となる取引は「要通知取引」と呼ばれており、具体的には「受け取る側の仮想通貨交換業者が、国内の仮想通貨交換業者、またはトラベルルールを導入している外国に所在する外国仮想通貨交換業者である取引」が対象だ。

トラベルルールとは

金融活動作業部会(FATF)が定めたマネーロンダリングの防止等を目的としたルール。VASP(仮想資産サービス提供業者)に対し、VASP間の取引における顧客情報の確認、共有において厳格な基準を設ける。

▶️仮想通貨用語集

「トラベルルール」は、本施行後、交換業者(取引所)に対して、新たに「受取人の住所に関する情報および、取引目的等に関する情報の取得」が求める。

また、これまでは要通知取引のうち、以下の4つの条件をすべて満たすものだけに通知義務が課せられていたが、10月以降は「要通知取引のすべて」に通知が義務付けられる。

  • 受取人と送付依頼人が同一。
  • 国内の仮想通貨交換業者が、受け取り側の仮想通貨交換業者である。
  • 送付する仮想通貨がビットコイン(BTC)かイーサリアム(ETH)。
  • 送付する仮想通貨の邦貨換算額が10万円を超える額

国内取引所の利用者が、トラベルルールに関する情報の通知や提供を拒否した場合、罰則などは存在しないものの、仮想通貨の送金は行えない(取引所がサービスを提供しない)。

通知義務が拡大され、また提出が必要な情報も増えたことから、制度としては全体的に厳格化された形だ。

以下は、記事執筆時点(22年9月26日)で、トラベルルール本施行への追加対応と、その詳細を発表している取引所の一覧だ。

「トラベルルール」追加対応を表明した取引所(開始日)

22/03/30 GMOコイン GMOコインは3月30日時点で、 受取人住所に関する情報の取得・保存を開始している。(公式発表
22/03/30 DMM Bitcoin DMM Bitcoinは3月30日時点で、受取人(入金時は入金依頼人)の住所や取引目的の取得・保存を開始。 (公式発表
22/06/29 bitFlyer(ビットフライヤー) 6月29日に追加対応を実施済。「お客様本人のアルファベット氏名 / 法人名(受取人が本人の場合)」「受取人のアルファベット氏名 / 法人名」「送付目的」「送付先の相手国(地域・都市)」の入力が必須となる。(公式発表
22/09/28 SBI VC トレード SBi VC トレードは9月28日より追加対応。新たに仮想通貨の出庫(外部送付)を行う際に、「移転の目的」に関する情報の取得・保存を開始する。(公式発表
22/09/28 Himalaya Exchange Japan(旧Bitgate) Himalaya Exchange Japanは9月28日より追加対応。受取人住所と送付目的を新たに取得・保存する。(公式発表
22/09/29 ビットバンク(bitbank)  ビットバンク(bitbank)は9月29日より追加対応を実施。仮想通貨の出金(送付)を行う際、既に取得・保存している受取人に関する情報に加え、「出金の目的」と「受取人の住所」が必要になる場合がある。(公式発表
22/10/01 Zaif Zaifでは10月1日以降、受取人の住所に関する情報及び移転取引目的等に関する情報の申告が追加で必要になる予定(詳細は後日発表)。(公式発表

トラベルルール導入の背景

トラベルルールは、2015年に最初のガイダンスが発表され、その後2019年に改訂版が公開。更に2021年に19年版を修正した草案が提出された。

仮想通貨はその特性上、法定通貨やその他の金融商品と比較して匿名性が高く、先述したテロリストや犯罪組織などが違法な送金に使用したり、マネーロンダリング目的で悪用している実態がある。

トラベルルールは、そういった犯罪者による、資金移転システムを使った送金を防ぐことが目的。

また、不正利用があった場合にもその追跡を可能にし、捜査機関による捜査を容易にするために導入が進められている。

日本では、金融庁が21年3月に「暗号資産の移転に際しての移転元・移転先情報の通知等(トラベルルール)について」を要請。

この要請では、同ルールを22年4月1日から導入することを構想(後に正式決定)しており、国内の大手取引所の多くは、22年3月末から4月初旬にかけて「トラベルルール」への対応を明らかにした。

関連:日本の仮想通貨送金ルール導入目処、2022年4月か【FATF・トラベルルール】

また日本政府は3月、ウクライナに侵攻するロシアへの経済制裁を強める方針を発表。その告知を受けて、トラベルルール対応の動きが加速した経緯がある。

なお、諸外国の取引所も対応の表明を行っており、米大手仮想通貨取引所コインベースは22年4月、シンガポールとカナダの規制に準拠するため、これらの国のユーザーが仮想通貨を外部に送付する際に受取人の情報を求める仕組みを導入した。

関連:4月1日より導入の「トラベルルール」 国内仮想通貨取引所の対応まとめ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07:40
ソラナ基盤パンプ・ファン、4日後にPUMPトークン上場予定 ライバルのレッツボンクが首位奪取
ソラナ系ミームコイン工場パンプ・ファンが7月12日にPUMPトークンを上場予定。一方、競合のレッツボンクが24時間取引量でパンプ・ファンを初めて上回った。
07:15
米国の仮想通貨現物ETF、次の商品のローンチは秋の初めか
米SECが新たに仮想通貨のETFを承認するのは、秋の初めごろになる可能性があるとの見方が上がった。SECは現在、XRPやドージコインなどの複数の現物ETFの承認判断を延期している。
07:05
米上場Bit Digital、企業資産をビットコインからイーサリアムに転換完了
米上場企業ビット・デジタルが企業資産のイーサリアム完全転換を発表。280BTCを売却し10万ETH超を保有。株価は一時20%急騰し時価総額10億ドルまで拡大。
06:25
売却ではなくアドレス更新か、14年以上動かなかった1兆円相当のビットコイン移動の謎
14年間動かなかった8万BTC超(1兆円相当)が先週末に移動。アーカムや有識者は単純なアドレス更新の可能性を指摘。売却の兆候は確認されていない。
06:00
ストラテジー、42億ドル資金調達発表 3カ月ぶりビットコイン購入見送りも
マイケル・セイラーのストラテジーが優先株発行で42億ドル資金調達を発表。先週は3カ月ぶりに仮想通貨ビットコイン購入を見送り。650億ドル相当のビットコイン保有を維持。
05:35
米政府関連ウォレットが3200万円相当ETHをコインベースに送金、仮想通貨準備金関連か?
米政府関連ウォレットが7月8日に仮想通貨イーサリアムをコインベースに送金。売却ではなく保管目的との見方も。
07/07 月曜日
19:35
Mofu Mofu NFT:東宝がWeb3参入、SaltSweeetと創るIPプロジェクト
東宝アニメーション支援のもと、SaltSweeetが開発するMofu Mofu Music CaravanのNFTが7月11日ローンチ。3ヶ月返金保証付き「流動性担保型ミント」で安心参加が可能。
16:00
Binance Japan千野剛司社長が語る日本市場戦略|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のプラチナスポンサーとしてブース出展を決めた、世界最大級の暗号資産取引所Binanceの日本法人が、国内最多60銘柄の取扱いを達成。千野剛司社長がWebX 2025への期待と日本市場での展望を語る。
15:57
メタプラネット、約345億円でビットコイン追加購入 保有量15,555BTC
メタプラネットが345億円でビットコイン2,205BTC追加購入。累計保有量15,555BTCで世界上場企業5位に。555ミリオン計画の進捗と株価への影響、今後の戦略を詳しく解説。
13:57
ヴィタリックらがイーサリアムのトランザクションごとのガス上限を共同提案 DoS攻撃対策と安定性向上目指す
イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏と研究者のトニー・ワースタータ氏は、ネットワークのセキュリティと安定性向上を目的として、トランザクションごとのガス使用量にプロトコルレベルの上限を導入するEIP-7983を提案した。
12:21
イーロン・マスク、新政党でビットコイン支持示唆 法定通貨への懸念表明
イーロン・マスク氏が新政党「アメリカ党」でビットコイン支持を表明。「法定通貨は絶望的」と発言し、暗号資産への姿勢を鮮明に。トランプ氏との対立から第3政党設立へ。2026年中間選挙で限定的な議席獲得を目指す戦略も明らかに。
12:15
UAE当局、トンコインによるゴールデンビザ取得プログラムを否定=報道
アラブ首長国連邦当局がトンコインのステーキングでゴールデンビザを取得できるプログラムを否定した。当ビザの要件で仮想通貨投資家は対象外と表明している。
12:07
ビットコイン高値圏で推移、取引所の流入・流出比率は3年ぶり低水準に
ビットコインは109,060ドルで小幅上昇。取引所流入・流出比率が0.9まで低下し、2023年弱気相場以来の最低水準を記録。昨年11月の米大統領選以降、約20万BTCが取引所から流出し、残高は280万BTCと7年ぶりの低水準となった。これは投資家の長期保有志向の強まりを示しており、短期投機から長期価値投資へのシフトが鮮明になっている。
09:22
米シークレットサービス、過去10年間で犯罪関連の仮想通貨580億円相当を押収
米シークレットサービスが過去10年間で4億ドル相当の仮想通貨を押収した。米国では豚解体詐欺による銀行破綻も発生しており捜査当局は仮想通貨が関連する犯罪への対処を進める。
07/06 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH価格特化の新組織誕生や米国初のソラナ現物ステーキングETF上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧