仮想通貨業界の活性化へ
日本の暗号資産(仮想通貨)業界は7月末にも、レバレッジ取引の上限倍率の引き上げを金融庁や政府関係者に要望する方針であることがわかった。ブルームバーグが20日に報じた。
以前は証拠金に対して最大25倍の取引が可能だったが、現在の上限である2倍に引き下げたことで取引量が急減。上限倍率を引き上げることで、市場を活性化することが1つの狙いだ。
ブルームバーグは、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の小田副会長に取材し、今回の内容を報道。JVCEAと日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と連名で、上限倍率の引き上げを金融庁らに要望すると小田氏が答えたと報じている。
要望する上限倍率は4〜10倍になる可能性がある。外国為替取引で6〜8倍程度の取引が多いことから、会員の仮想通貨取引所からは4〜10倍を求める声が多いとした。
上限を引き上げることで機関投資家からの資金流入や海外企業の日本参入も期待している。
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日本の規制
レバレッジ取引は自己資金以上の取引が可能であるため、より多くの利益が狙える一方で、損失が大きくなることもある。こういった特徴を考慮して日本は、個人投資家が仮想通貨のレバレッジ取引を行う場合は証拠金の2倍までとする法改正を、2020年5月に行った。
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2倍まで下げた理由について、金融庁の資料には以下のように記載がある。
- 主要な仮想通貨であっても価格変動が激しいものが複数存在しているため
- 顧客に対する規制の簡明性を確保するため
日本政府は今、積極的にWeb3を推進しているが、上限を引き上げることに伴う課題への対応も必要になる。
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