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ICOなどの仮想通貨規制に対し、「金商法」ベースに検討|金融庁 第10回 仮想通貨研究会

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ICOなどの仮想通貨規制に対し、「金商法」ベースに検討
仮想通貨規制に関する第10回討議では、配当を出すICOなどに関して金融商品として扱い、有価証券同様「金融商品取引法」に基づく登録制の導入や、金融リテラシーの高い”プロの適格投資家”に対象を限定する案を検討した。

第10回金融庁研究会

金融庁にて11月26日、仮想通貨関連業界の有識者が一同に介し、国内の仮想通貨規制に関する第10回目となる討議を行なった。

日本の仮想通貨市場は、仮想通貨交換業者において顧客からの預かり資産が外部に流出する事案が発生したこと、また仮想通貨の価格が乱高下している中、投資者保護が不十分であるとの指摘があり、顧客保護のためにも「健全な規制と透明性の向上」が急務とされている。

仮想通貨研究会は、ルール整備が不十分な仮想通貨交換業等をめぐる諸問題について、制度的な対応を検討するため、設置したものだ。

今回は、仮想通貨の相場操縦や風説の流布などといった不正行為やICO規制について、「金融商品取引法(金商法)」をベースにした規制適用も視野に入れるなど、より踏み込んだ討議が行われた。

「金融商品取引法」は、専門知識が少ない一般投資家を手厚く保護することを狙いとし、株式、債券、デリバティブ(金融派生商品)取引など幅広い金融商品を対象に販売や勧誘のルールを定めるなど、市場の透明化を促進する法律のことだ。

ICOなどの仮想通貨規制に対し、「金商法」ベースに検討

26日に開催された金融庁の仮想通貨研究会では、詐欺的事案の多発など問題視される仮想通貨のICOについて、事業計画や財務の情報開示が不十分との指摘があり、「(株式など)有価証券としての開示規制を目指すべき」との意見が委員から相次いだ。

金融庁研究会の資料では、仮想通貨ICOについて、以下のように分類している。

  1. 発行者が存在しない仮想通貨
  2. 発行者が存在する仮想通貨
  3. 発行者が存在し、将来的に事業収益等を分配する債務を負っているもの

1と2は従来通り「資金決済法」で対応するが、3に関しては、配当を出す投資と見なされる物に関しては、有価証券同様、「金融商品取引法」に基づく登録制の導入を検討する。

また、「投資家の投資能力・経験等に応じて、流通の範囲等に差を設ける仕組み」についても言及。日本証券業協会が自主規制ルールを定める非上場株式同様、有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者として内閣府令で定める、”適格投資家”以外の投資勧誘禁止も視野に入れる。

適格投資家とは、証券会社や投資信託委託業者、銀行、保険会社、投資顧問会社、年金資金運用基金などが該当し、いわゆる、金融リテラシーの高いプロの投資運用業を指すものと思われる。

資料では、投資性を有するICOが、法定通貨もしくは仮想通貨購入される場合について、「金融商品取引法上の集団投資スキーム持分として規制対象となる」としており、金融商品の一種だと区分することで、「金融商品取引法(金商法)」をベースにした規制案の策定を進める方針だ。

第9回討議でも、仮想通貨市場で横行している、新通貨上場などのインサイダー取引や仕手グループによる相場操縦行為、風情の流布などが取り沙汰されており、 現行の「資金決済法」では規制できないことから、株式市場における有価証券など同様に「金融商品取引法(金商法)」での規制が必要とされてきた経緯がある。

出典:金融庁参考資料

金融庁では、年内にも議論を取りまとめ、2019年にかけて法令改正なども視野に入れた手続きに入る見通しとされる。

株式市場などでは、証券取引法から金融商品取引法に発展した経緯があり、金商法が適用される金融商品とみなされた場合、将来的に株やFXなどと同じ税率20%の「申告分離課税」の適用について、議論・検討される可能性も考えられる。

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イノベーションと規制の在り方

その一方で、金融庁の資料には、投資性のある仮想通貨トークンについて、「適正な自己責任を求める」ことも言及しており、イノベーション(技術革新)に対する規制の在り方に関する葛藤も伺える。

2018年5月には、自民党議員などICOビジネス研究会に所属するbitFlyer代表の加納氏が、「仮想通貨・ブロックチェーンフォーラム2018」において、内閣官房に対し、政府機関におけるブロックチェーン活用を提言。

仮想通貨業界のコミュニケーションツールとしても世界的に普及している「Telegram」が約1,700億円もの資金を調達したことを例に挙げ、「ベンチャー企業がこれだけ多額の資金を集め、株式を渡さなくて良いという仕組みは、極めて大きな可能性を感じる。」などと言及していた。

また、同フォーラムで、仮想通貨交換事業者自主規制団体の法律顧問を務める河合氏は、

投資家保護の観点から、ICOの発行体に情報開示を義務付ける事や、トークンの安全性について枠組みを設けべきであり、海外の議論も参考にしながら、そういった良いビジネスを育てるような議論を自主規制団体でも進めていきたいと考えている
と、述べており、これに対しイベントのレギュレーターを務めた金融庁の水口審議官は、以下のように総括している。

仮想通貨、ICOといった観点におけるフィンテックイノベーションは重要な要素であり、そういうものの芽を摘まないようにする一方で、利用者保護をどのように図っていくかというバランスが大事だと考えている。

過去の議題と資料一覧

なお、金融庁研究会における、過去の議論は以下の通りとなる。

開催日 主な議題
第1回

2018年4月10日

「仮想通貨交換業等に関する研究会」の設置について。「一般社団法人日本仮想通貨交換業協会」が、仮想通貨交換業17社(コインチェックなどみなし業者含む)による国内取引量などの資料を開示。

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第2回

2018年4月27日

匿名性通貨や登録審査、仮想通貨交換業者に対するこれまでの対応、仮想通貨等を巡る国際的な議論の状況

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第3回

2018年5月22日

仮想通貨やブロックチェーンにはどのようなリスクが存在するのか、仮想通貨交換事業者をどう規制していくか、規制とイノベーションのトレードオフの関係をどう位置づけていくか

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第4回

2018年6月15日

仮想通貨のマーケットや規制の現状について解説、ブロックチェーンの「51%攻撃」について議論。

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第5回

2018年9月12日

これまでの議論の整理、仮想通貨交換業者の検査・モニタリング中間取りまとめについて

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第6回

2018年10月3日

テックビューロ社における仮想通貨外部流出事案について

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第7回

2018年10月19日

仮想通貨を原資産とするデリバティブ取引について(FXの最大レバレッジなど)

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第8回

2018年11月1日

Initial Coin Offering (ICO)に係る規制のあり方について

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第9回

2018年11月12日

仮想通貨の呼称、日本で業務を行うウォレット業者、仮想通貨のインサイダー取引、仕手グループの相場操縦行為について

(CoinPost記事)(議事録) (資料)

第10回

2018年11月26日

これまでの総括、ICOに関する海外での調査・報告など

(CoinPost記事)(議事録)(資料)

金融庁は今年7月から新体制

麻生太郎金融担当相は7月10日、「森 信親」金融庁長官が退任し、後任として「遠藤 俊英」監督局長を新長官に起用することを発表した。

金融資本市場の整備と顧客本位の業務運営に注力し、取引所への「業務改善命令」などで仮想通貨市場への規制強化を進める過程で、どのような変化をもたらすのか注視する必要がある。

詳細については、以下の記事でまとめている。

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