はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

自民党・ブロックチェーン推進議員連盟、投資家保護と産業育成のバランス重視の姿勢示す  ETF認可やレバレッジ規制要望も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

最新の取り組みが明らかに

ブロックチェーン推進議員連盟は17日、各省庁からの報告を受け、暗号資産(仮想通貨)市場の健全な発展に向けた政策について議論を行った。

自民党の党幹事長代理である木原誠二議員が会長を務め、金融庁、経済産業省、デジタル庁からの報告と、業界団体からのコメントが交わされた。

投資家保護とイノベーションのバランスを模索

金融庁は今年2月に公表したディスカッションペーパーについて説明。暗号資産が投資対象として普及している現状を踏まえ、投資家保護と産業育成のバランスを重視する姿勢を示した。同庁が提示した喫緊の課題は、暗号資産のホワイトペーパーの内容と実態の乖離、無登録業者への対応、投資アドバイス行為の規制、海外規制動向への対応の4点に集約される。

暗号資産交換業者における口座数は約1200万口座、預り金総額は5兆円を超え、機関投資家層の参入も増加している。また、金融庁は投資家保護の観点から、暗号資産を「資金調達型」と「非資金調達型」に分類し、それぞれに適した規制の枠組みを検討している。

Web3実証事業で多彩なユースケースを展開

経済産業省イノベーション・環境局の吉田修一郎フロンティア推進室長と荻野祥平GX推進企画室長からは昨年度実施したWeb3実証事業について報告があった。具体的には、日本酒のNFT化によって二次流通とロイヤリティ還元を可能にする実証や、サンリオキャラクターを活用した健康関連イベント、島根県浜田市と広島県三原市でのDAO(分散型自律組織)を活用した地方創生の実証などが紹介された。

「日本酒NFTの実証では、購入者が希望すれば現物の日本酒を受け取れるだけでなく、NFTの二次流通時には酒造メーカーにロイヤリティが入る仕組みを構築した」と経産省の担当者は説明した。

また、量子コンピュータを活用したブロックチェーンネットワークの異常検知や安全通信の実現に関する研究も進行中とのことだ。

VC(検証可能な資格証明)の検討進む

デジタル庁社会共通機能グループの楠正憲統括官からはVC(検証可能な資格証明)に関する取り組みが報告された。同庁は有識者会議を立ち上げ、VCの発行者が満たすべき要件や責任について議論を進めている。

「現在紙でしか発行されていない住民票や納税証明書などをVCとして発行できれば、AIと組み合わせた新しい価値創造が可能になる」とデジタル庁の担当者は説明。ただし、発行者の責任明確化やプライバシー保護の観点など、様々な課題を整理していく必要があると強調した。

ETFと現物法制の同時整備を要望

会議に参加した日本ブロックチェーン協会代表理事およびbitFlyer代表取締役の加納裕三氏は、米SEC(証券取引委員会)に承認されたビットコインなどのETF(上場投資信託)を念頭に、日本国内でのETFの認可と暗号資産現物法制の同時整備を強く要望。「ETFだけが先行すると、小規模事業者や業界を支えてきた交換業者が厳しい立場に置かれかねない」と懸念を表明した。

また、国内の流動性確保のために適切なレバレッジ規制(10倍程度)への緩和も提案。「現在のレバレッジ規制は2倍と厳しすぎて、流動性が海外に流出している」と指摘した。

関連:ビットコインETFは日本で買える?現物BTCとのメリット比較や関連銘柄の買い方も紹介

今後の展望

質疑応答では、J-クレジット制度へのブロックチェーン技術の活用可能性や、Verifiable Credentialsの国際標準化に向けた取り組みなどが議論された。

会長の木原誠二議員は「関係省庁の皆さんが頑張っていただいていることを再確認できた。今後も推進していきたい」と総括。次回の会合は5月12日に開催され、提言について議論される予定だ。

政府は令和7年度税制改正大綱にも盛り込まれた暗号資産関連の制度整備を進めており、日本の暗号資産市場の発展において重要な転換点となりそうだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧