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ビットコインは売り一巡か、度重なる仮想通貨インシデントも市場への影響は限定的 

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仮想通貨市場

●上昇相場へのターニングポイントは?

●国内仮想通貨企業の予定表

●XRPのETP商品上場が明日に迫る

ビットコインが売り一巡か

仮想通貨市場は4月1日、大きな値動きは見られなかったものの、ビットコインをはじめ多くのアルトコインが前日比プラスを維持、堅調な推移を継続した。

日本政府が新元号「令和(れいわ)」を決定するなど、新たな時代の幕開けで国内株式市場ではご祝儀相場も散見されたが、世界的に取引が行われる仮想通貨の相場への影響は見られず。なお、3月以降のビットコイン相場に大きな値動きは確認できていないものの、右肩上がりの堅調な推移を継続している。

直近では、韓国大手Bithumbの仮想通貨流出事件を含め3取引所に仮想通貨流出のインシデントが確認されるなど、市場の売り圧力に直結するニュースが報じられていたが、相場への影響は限定的に留まった。

コインチェックの流出時やマウントゴックスによる売却など、市場の売り圧力になり得るニュースには度々反応してきた2018年以降の仮想通貨市場にも変化が見られていると言える事例となる。

特に、コインチェックのハッキング事件が北朝鮮の犯行であった点など、国連の報告書で発覚したばかりであり、一般ユーザーからも仮想通貨流出に関するインシデントに注目が集まっていたことも踏まえると、仮想通貨市場の売りが一巡したとの見方もできる。

また、先週末にはビットコインETFの第一次審査が承認されず延期される動きもあったが、このニュースも同様に市場の反応は限定的となった。すでにユーザーが最終可否判断までを織り込んでいる可能性があるとともに、ETFで期待上げが見られた昨年の状況からの売りも一巡したと見ることができる。

なお、VanEck版ETFの次回可否判断は5月21日、最終可否判断日程は10月18日を予定している。

そこで見ておきたいのが、上昇相場へのターニングポイントとして注目されるチャートの関連指標だ。

ビットコインチャートにおける注目されたポイントでは、BTCJPY(bitFkyer)の長期レンジでみた右肩下がりのレジスタンスラインと、直近で抵抗帯となっているチャートない黄色の価格帯が挙げられるだろう。なお、右肩下がりのレジスタンスラインでは、BTCUSD建のチャート上では抜けが確認されており、bitFlyerなどJPY建のチャート上でも確認されれば主要取引所で同レジスタンスラインの上抜けが証明されることになる。

また、日足の移動平均線50SMAと200SMAのゴールデンクロスにも注目が集まっている。

この移動平均線の動きでは、前回ゴールデンクロスしたポイントが、2016年の後半に当たる時期で、2018年のバブル崩壊時にデッドクロスをして以来回復に至っていない。2019年年初より停滞する相場によって短期のSMAが上昇値に移行していることで、チャートの状況も整いつつあることをみる一つの指標となるだろう。

日本企業の予定

一方で、国際的に見ても仮想通貨の新たな盛り上がりが顕著なのが日本だ。

日本政府が仮想通貨に関する「金融商品取引法」と「資金決済法」の改正案を閣議決定を行なったほか、金融庁が楽天ウォレットとディーカレットの2社に仮想通貨交換業者のライセンス登録を認可するなど、2018年の資金流出事件や度重なる業務改善命令で静まり返っていた業界の動きが改善し始めている。

直近2ヶ月をめどに、Yahooが出資するTaoTaoや、楽天参加の楽天ウォレット、またJR東日本など複数の大手企業が出資企業として名を連ねるディーカレットの取引が開始される予定だ。

上場企業の新規参入が相次ぐことで、業績開示義務が生じることなどを踏まえ、プロモーション活動の活発化が見込まれることで、一般ユーザーからの関心が高まることが期待される。今後の本格サービス始動時期などもチェックしておきたい。

日本の仮想通貨交換業者に関する予定一覧
日時 取引所名 内容
4月15日 楽天ウォレット 新規口座申し込み開始(予定)
4月16日 ディーカレット 現物取引サービス開始(予定)
5月 TAOTAO サービス開始(予定)
6月 楽天ウォレット サービス開始(予定)

XRPのETP商品上場は明日

スイスの証券取引所「SIX Exchange」に、XRP価格に連動するETP商品「Amun Ripple XRP(AXRP)」が、4月2日に上場することが分かった。

ETPとは

「Exchange Traded Products」の略で、証券取引所で取引される様々な投資商品のこと。ETPの価格変動は、株式や金利など様々な金融商品に連動するが、資産の所有権は得ていない。ETF(上場投資信託)、ETN(上場投資証券)、ETC(上場投資コモディティ)などがこれに該当する。

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AXRPは、同国のスタートアップAmun AGが組成するもので、BTCやETHのETP(上場投資商品)に続く動きとして、XRPと連動した世界初のETP商品が誕生することになる。

同証券取引所は昨年11月、世界初となる「仮想通貨ETP」を上場させたことで反響を呼んだ取引所だ。

Amun Crypto Basket Index (HODL)のティッカーを持つ、複数の仮想通貨に連動したETPの提供を開始しており、ETPは、同量の仮想通貨で裏付けられる必要がある。

なお、個別銘柄に連動したビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、ステラ(XLM)、イオス(EOS)のETPの認可を得ているが、現時点で販売時期は明かされていない。

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