国内のWeb3動向
2022年に入り、日本国内でも暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンを含むWeb3領域に関する動きが強まっている。
自民党内では22年1月下旬に「NFT政策検討プロジェクトチーム」が設立された。後に「Web3プロジェクトチーム」と改名した同グループは、法整備が整っていないがゆえに、新興産業に関心を持った人材が海外に流出している状況を問題視。
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国のデジタル戦略とともに、日本の豊富なIPコンテンツとのシナジーを見据え、政府に対して新たな取り組みを提言した。
このような取り組みは岸田政権からも認められ、6月には日本政府の成長戦略の一部にWeb3が盛り込まれたほか、岸田総理も英ロンドンでの演説にて、NFT(非代替性トークン)、メタバース(仮想空間)などWeb3.0の推進のための環境整備を含め、「新たなサービスが生まれやすい社会を実現する」と意欲を示した。
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特にNFT分野では、マンガやアニメなど世界でも高い知名度を誇るIP(知的財産権)コンテンツを活用した、公式NFTの販売事例が目立つ。国内NFTの一例は以下の通り。
国内ゲーム大手企業では、Web3分野に投資するためのファンドを設立したバンダイナムコ(研究所)や、セガ、スクウェア・エニックス、グリーなどが日本発のゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」の初期バリデータとして参画。
ゲーム業界におけるWeb3との親和性も注目を集めている。
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KONAMIもWeb3参入
こうした中、遊戯王やパワフルプロ野球などのIPで有名な株式会社コナミデジタルエンタテインメントは今年10月中旬、「Web3やメタバースなどの新しい体験を提供するサービスを展開する」ために求人募集を開始。
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22年1月にはゲームのリリース35周年を迎えた「悪魔城ドラキュラ」シリーズのNFTオークションを実施。支払いにはイーサリアム(ETH)のERC-20規格であるラップドETH(wETH)を活用している。
コナミデジタルエンタテインメントの関係者はCoinPostの取材に対し、「KONAMIのNFT・メタバースを活用したプロジェクト・取り組みに着手しているチームはブロックチェーン事業部と制作部、そして管理部門から構成されている」と説明。
ブロックチェーン事業部は独自の流通基盤の開発を含めてゲームへのNFT導入を推進し、制作部はコンテンツの企画開発を担当するとした。
Web3事業については、「既存のビジネスに加えた新しいチャレンジ」と形容。既存のゲームへのNFT対応は「ゲーム性とマッチするのかを個別にかつ慎重に判断する必要があり、一律の対応は予定していない」とした。
また、求人募集を開始した目的については「事業の現在と未来を両輪で進めていくこと」だと語り、チームの規模については具体的に明かさなかった。
Web3領域に注目する理由については、以下のようにコメントした。
メタバースなどの新しい体験が広がる未来においても常に必要とされるサービスを提供したいと考えており、その準備として、Web3やブロックチェーンの研究開発は重要な位置づけのひとつです。
Web3自体は目的ではないものの、可能性が広がるという点ではしっかりと取り組むべき領域です。
採用するトークンやチェーン
また、開発中の「ブロックチェーンを活用した独自の流通基盤」で利用するブロックチェーンについては「明確な正解はまだない」ため「選択を限定していく時期ではない」とコメント。「いくつかの方向性を持って経験を重ねていく体制にしていく」と述べた。
仮想通貨や独自トークンを採用する可能性については「可能性を絞ることは現段階では難しい」と説明。ゲームユーザーにとって最適なサービスや環境を考慮する姿勢を示した。
ゲーム以外での応用
またKONAMIグループは、フィットネス・スポーツクラブも展開する。ゲーム以外でのメタバースやWeb3技術の応用について尋ねたところ、以下のような回答があった。
Web3やメタバースは、ゲームだけではなくさまざまな分野で新たな体験創出の可能性があります。
デジタル上で同じ空間、同じ時間、同じ体験を共有することで各分野のシナジーを発揮できる可能性があると思います。
Web3とは
ウェブ3.0(Web3.0)は、Web1.0およびWeb2.0に続く、ウェブサイトおよびインターネットの潮流、特徴および構造を表している概念。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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