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アルトコインに追い風|Binanceに続きUpbitも仮想通貨規制に寛容なシンガポール拠点立ち上げを発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

韓国の大手取引所Upbitがシンガポール進出を正式発表
韓国の大手取引所Upbitおよび親会社のDunamuが、Upbitシンガポールの立ち上げを正式発表した。同社幹部は「仮想通貨界で韓国とシンガポールの架け橋になりたい」と意気込みを述べている。韓国ではブロックチェーン規制ガイドラインの成立が近いと見られるが、いまだ不透明な状況は続く。Upbitは仮想通貨規制に比較的寛容なシンガポールをグローバル進出の足場にしたい考えだ。
シンガポール金融管理局(MAS)とは
シンガポールの中央銀行兼通貨当局。シンガポール通貨金融庁とも訳される。1971年成立。外為基金管理/銀行等金融業の監督/通貨制度維を主要な任務とし、国内仮想通貨取引所の許認可権を有する。また2018年5月には、小規模な仮想通貨交換業に正式なライセンスを付与することを含む制度改革を検討中であることを明らかにした。

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韓国最大手な仮想通貨取引所、Upbitを運営するDunamu社が、Upbitシンガポールの立ち上げを正式発表しました。

2018年10月より本格稼働の予定です。

Upbitシンガポールのアレックス・キムCEOの公式発表、および同社ブログによると、シンガポール在住の利用者はUpbitのパートナー取引所であるBittrexと連携して、全ての通貨を取引出来るようになります。

取引は24時間365日のセキュリティ監視とファイアウォールにより守られるとのこと。

キムCEOは今回の事業を拡大の決定要因として、シンガポール金融(MAS)の仮想通貨規制に対する容認的な姿勢と、仮想通貨/ブロックチェーン分野の確立を図る同国のビジョンが同調したことに触れました。

シンガポールの仮想通貨取引所事情

数年に渡って、仮想通貨関連ビジネスに対して恵まれた規制状況があるにもかかわらず、シンガポールはマルタ、スイス、韓国、そして日本といった国々に市場成長の点で遅れをとっていました。

端的に言って、シンガポールでの仮想通貨取引量はなかなか驚異的な成長を見ることはありませんでした。

しかし、キムCEOは、以前からシンガポールをブロックチェーン技術や仮想通貨関連ビジネスを大きく容認してきた国であり、今後も同国の仮想通貨取引所には、ブロックチェーン分野で様々なビジネスやプロジェクトを追求する機会がもたらされるだろうと見ています。

今週前半には、世界最大の仮想通貨取引所BinanceもBinanceシンガポールの立ち上げを発表しました。

法定通貨シンガポールドルと仮想通貨の交換が可能になるのは同国史上初めてのこととなります。

Upbitは2017年秋より韓国国内において、ウォンと仮想通貨の取引をサポートしてきました。

今回Upbitの取引可能通貨にシンガポールドルが加わることで、同国金融機関との連携強化が対外的に大きく示されることになり、ひいては同国内の仮想通貨に対する需要と関心の高まりを後押しすることが期待されます。

キムCEOは、

「Upbitの安全で便利な取引サービスには自信を持っている。Bittrexとの連携によりシンガポールドル、ビットコイン、イーサリアム、USDTの取引が始まれば、利用者には大きな魅力になるだろう。グローバル市場でのUpbitの存在感もより高まるはずだ」

と述べています。

Upbitがシンガポールを選んだ背景

Dunamuのイ・ソクウCEOは公式発表で、シンガポールは仮想通貨取引で韓国市場とグローバル市場の架け橋になると思うと述べました。

現在、韓国の仮想通貨市場には規制を取り巻く様々な不確定要素があります。

アナリストは同国初の暗号通貨/ブロックチェーン規制の成立を2018年下期と予想していますが、それまでは見通しの立たない状況が続きます。

そうした、いまだ先行きの見えない韓国仮想通貨規制と、対照的に寛容な姿勢を示すシンガポール当局の間にあって、リーCEOはブロックチェーン規制のガイドラインの成立に自信と意欲を示しました。

リーCEOは、

「韓国仮想通貨市場に不透明な要素が多くある中で、この時期にグローバル市場への進出を決めたのは適切な判断だったと思う。暗号通貨取引所の大きな役割の1つは現実世界の経済と仮想通貨を橋渡しすることだ。この、韓国とグローバル市場の架け橋に当社はなれると考えている。韓国で早急にブロックチェーン規制のガイドラインが成立し、そして当社が架ける橋により、多くの企業が競争力を発揮することを当社は期待している」

と述べました。

アルトコインに追い風

まず仮想通貨の大手取引所であるBinanceだけでなくUpbitも海外に拠点を増やし、各国の通貨を通貨ペアに据えて取引の幅を広げることは、仮想通貨に大きな追い風となります。

特に恩恵を受けるのはアルトコインで、これら2つの取引所は仮想通貨投資家の方ならご存知の通りかなり多くの仮想通貨ペアを提供しています。

また、現在価格上昇の大きな障壁の一つといえる「出来高」を増やすことに、大きく貢献すると考えられ、大手取引所の規制に則った海外展開の動きは、出来高上昇の恩恵を受けやすいアルトコインにとってかなり大きな追い風となる可能性があります。

また、現在開催しているコインデスク主催のコンセンサスシンガポールにて、BinanceCEOは今後1年以内に、5から10の「法定通貨ペアを有する仮想通貨取引所を開設するビジョンをユーザーに語りました。

このように、大手取引所は現在、すでに展開している国のボーダーを超え、仮想通貨規制が盛んに議論される状況をもとに、事業展開をしていく意向を示しています。

一見、日本人には関係ないニュースに思えますが、仮想通貨業界にとって、現在かなり重要な動きであることはまちがいないでしょう。

参考記事: Singapore’s Crypto Market Blooms as Korea’s Largest Exchange Moves In

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