BTC、ETH、SOLへの期待を表明
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)のデジタル資産分析チームは18日、Xに暗号資産(仮想通貨)についての一連の投稿を行った。
ソラナ(SOL)やイーサリアム(ETH)、ビットコイン(BTC)版のNFT(非代替性トークン)とも呼ばれるOrdinalsなどについて見解を表明している。まず、次のように述べた。
Ordinals & Layer 2 solutions on Bitcoin shouldn’t be ignored
— Franklin Templeton (@FTI_US) January 17, 2024
These are vital to solving Bitcoin’s economic security problem and increasing BTC’s utility as a SoV
ビットコインのOrdinalsやレイヤー2ソリューションを無視してはならない。これらは、ビットコインの経済的なセキュリティ課題を解決し、価値貯蔵手段としてBTCの有用性を高めるために不可欠だ。
昨年12月には老舗オークションハウスのサザビーズがOrdinalsのアート作品で初めてのオークションを開催。コミュニティからOrdinalsはビットコインへの関心を高めるイノベーションであり、マイナーの新たな収益源を生み出すと評価されている。
一方で、ビットコイン開発者の間では、Ordinalsの取引にルールを設けるべきなど議論が持ち上がっている。
関連:ビットコイン版NFT「Ordinals」機能を制限する提案、議論が紛糾
ビットコインのレイヤー2としては、トランザクション処理能力を拡張し、取引高速化を実現するためのライトニングネットワークが知られているところだ。
また、ビットコインレイヤー1には備わっていないスマートコントラクトを導入可能にする「Bitfinity」も、合計700万ドル(10億円)を調達しており、今月末か2月初旬にメインネット立ち上げを予定している。
レイヤー2(L2) とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。
▶️仮想通貨用語集
関連:ビットコインのレイヤー2でEVM互換性を備える「Bitfinity」が700万ドル調達
「イーサリアムに追い風」
フランクリン・テンプルトンは、イーサリアムには「EIP-4844」「Alt DA」「リステーキング」などエコシステムを活性化させる追い風が吹いていると指摘した。
EIP-4844は、「プロト・ダンクシャーディング」とも呼ばれる改善案で、オプティミズム(OP)、アービトラム(ARB)などレイヤー2での取引手数料を最大100分の1にまで削減できるとされる。
このEIP-4844を実装する次期アップグレード「Dencun」については、テストネットでの試験が開始されたところだ。
関連:イーサリアム、次期アップグレード「Dencun」のテストを開始
モジュラー型データアベイラビリティ(alt-DA)プロジェクトとは一般的に、ブロックチェーンにデータが存在し必要に応じて利用できることを統合型L1の外側で証明することで、ネットワークの混雑を軽減する可能性がある。例えば、CelestiaやAvailなどが取り組んでいる。
関連:モジュラー型BC構築「Celestia」、58万アドレス対象エアドロップで初期参加促す
関連:ポリゴンのモジュール型ブロックチェーンAvail、独立へ
なお、「リステーキング」とは、イーサリアムのステーキングに利用されるETHから派生したLST(リキッドステーキングトークン)を運用し再度ステーキングすることを可能にする技術だ。
関連: EigenLayer基盤のイーサリアム「リステーキング」Renzo、320万ドル調達
ソラナについて
フランクリン・テンプルトンは、ソラナについては、Solana Labsを率いるアナトリー氏のビジョンにより、情報の非対称性を減らす分散型ブロックチェーンの強力なユースケースになっていると指摘した。
また、DePIN、DeFi(分散型金融)、ミームコイン、NFT(非代替性トークン))、バリデータークライアント「Fire Dancer」など2023年第4四半期(10~12月)にみられた活動も印象的だったと続けている。
関連: ソラナ「Fire Dancer」、ゲームチェンジャーと期待される理由とは?
関連: ソラナの躍進、年間500%成長を牽引するブロックチェーン技術の市場影響力