CoinPostで今最も読まれています

香港一の富豪も仮想通貨への関心示す ビットコイン先物提供予定「Bakkt」への出資が判明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン先物提供のBakktに香港の著名投資家が出資
ニューヨーク証券取引所の運営会社ICEが手がけ、マイクロソフトやスターバックスも出資している仮想通貨取引プラットフォームBakktに香港で最も裕福な著名投資家の李嘉誠氏も出資していた事が判明した。

FacebookやSkypeに初期投資した香港の億万長者がBakktに出資

ビットコインを含む主要仮想通貨の下落相場が続く中、仮想通貨取引プラットフォーム「Bakkt」がシリーズAラウンドで総額1.82億ドルの調達に成功した。

出資者の中には香港最大の企業グループ、Cheung Kong Holdings Limited(長江実業グループ)の創設者兼会長であるLi Ka-shing(李 嘉誠)氏が所有するベンチャーキャピタル企業Horizon Ventures(維港投資)も出資企業に含まれていた事が大手メディアForbesで報道された

世界の億万長者ランキングにおいて常連である李嘉誠氏が仮想通貨に長期的な投資価値を見いだしているという事実が、仮想通貨業界にとって非常にポジティブなニュースとなる可能性が考えられる。

先見の明を有する香港の大富豪

李氏は米経済雑誌Forbesの「世界の大富豪ランキング2018」で世界46位、2018年1月9日の時点で純資産307億ドルを所有する香港で最も裕福な人物である。

貧しい家庭に育ちながらも人一倍強い野心と香港の急成長の波に乗り、1950年(当時21歳)にわずか6500ドルの貯金と親族からの借金で立ち上げたプラスティック関連業を、不動産業・ホテル業・小売業・通信業など様々な分野に多角化。

たった一代で長江帝国を築き上げた正真正銘の凄腕実業家として、「スーパーマン」の異名で知られている。

そんな李嘉誠氏はFacebookやSkype 、Summlyの初期投資家として知られており、「投資」としての仮想通貨の可能性を比較的早い段階から見抜いていた。

またインドや中国の規制当局が仮想通貨に対する警告を発し、ビットコインの正当性に疑問を投げかけた2013年には、仮想通貨ウォレット「Bitpay」に投資して市場を驚かせ、2016年にはブロックチェーン企業Blockstreamにも出資している。

昨年3月、満90歳を目前に控えた李氏は、長江実業グループ会長の座を後継者である長男の沢鉅氏に引き渡し、自身はアドバイザーに留まる意向を発表したものの、仮想通貨関連投資への積極性は衰えていない模様だ。

億万長者も注目する「Bakkt」

Horizon Venturesを通した最新の仮想通貨投資先となったのは、ニューヨーク証券取引所の親会社インターコンチネンタル取引所(ICE)が運営する仮想通貨取引所Bakktだ。

2018年12月31日に完了したシリーズAラウンドでは、BakktはHorizon Ventures以外にも米コンサル大手BCGグループやMicrosoft、仮想通貨ファンドPantera Capitalなど計12の企業や投資家から、総額1億8250万ドル(約197億円)の調達に成功した。

しかしBakktの毎日決済の現物先物取引は仮想通貨市場にとって良い影響を与える事が予想され期待が高まっていた中、資金調達完了の約1週間前に、Bakktは2度目の「仮想通貨先物取引開始の延期」を発表。

本来は2018年12月12日に予定されていた開始予定日が11月に2019年1月24日に延期され、さらに「米商品先物取引委員会(CFTC)のプロセスとタイムラインに合わせる形で延期」となったことで、仮想通貨市場へのマイナスな影響が懸念された。

しかし2度目の延期理由は、2018年以降、12月24日が連邦政府機関の休日と制定されたため、承認プロセスの一環であるコミッショナーによる投票に遅れが生じたこととされている。

つまり「延期=承認が下りない」という流れではなく、一部では「延期は数日の範囲に留まり、早ければ1月末までにはサービスを開始するのではないか」との楽観的な予想も出ている。

またBakktの親会社が金融業界で信頼の高いインターコンチネンタル取引所(ICE)というだけあって、ビットコインETF同様、行方が重要視されていると同時に機関投資家の資金流入が大いに期待されている。

英投資会社Invescoの首席経済学者John Greenwood氏は「仮想通貨のインフラ構築に積極的なスタートアップに投資を行う」という李 嘉誠氏の戦略を、「仮想通貨投資を短期間でお金を稼ぐ手段としか見ていない投資家にとって、良い教訓となるだろう」とSouth Morning China Post紙に対して語っていた

仮想通貨に対して意見の割れるビリオネア

上述の李氏同様、「Bitpay」に出資した億万長者や投資家の中にはVirgin Groupの創設者兼会長Richard Branson氏のほか、TwitterのCEOであるJack Dorsey氏、PayPalの共同設立者Peter Thiel氏など有名なビリオネアが多数いる。他にもセキュリティソフト企業McAfeeの創設者John McAfee氏やVC投資家のTim Draper氏も仮想通貨に対して前向きな意見を有している。

しかしその反面、世界最大級の持ち株会社Berkshire Hathawayの創設者兼会長Warren Buffett氏のように、仮想通貨に否定的なスタンスを崩さないビリオネアも少なくない。「オマハの賢人」として知られるWarren Buffett氏は、これまでに仮想通貨に対してネガティブな発言を多数残している。

バフェット氏の代表的な仮想通貨やビットコインに対する発言は以下の通りである。

  • 「ビットコインは投資ではなくギャンブル」
  • 「ビットコインは何も生み出さない」
  • 「ビットコインは殺鼠剤の二乗だ」
  • 「ビットコインには本質的価値がない」
  • 「仮想通貨は悪い結末を迎えることになるだろう」

2014年CNBCのTVインタビューで「ビットコインは幻想」と発言したのを皮切りに、「ビットコインは投資ではなくギャンブル」「ビットコインは何も生み出さない」「殺鼠剤の二乗」「ビットコインには実在価値がない」など、否定的な態度を貫いており、2018年5月に行われた自社の年次株主総会でも「仮想通貨は悪い結末を迎えることになるだろう」と予言した。

しかし同氏は「自分がよく理解していないものには投資しない」ことを投資基準としていることから、食わず嫌い的な要素が潜んでいる可能性は十分に考えられる。

実際、バフェット氏はIT投資を苦手分野と自認しており、アマゾンやグーグルの親会社であるAlpahbetに投資しなかったことを「誤った判断だった」と株主総会で認めている。

「5年以内に仮想通貨が消えてなくなる」と確信しているBuffett氏の意見は、あまりにも李氏の見解と対照的だ。軍配がどちらに上がるのかは、時間の経過とともに明らかになるのだろう。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPostの関連記事

ビットコイン方向性探る動きも、直近での記録的な価格変動の可能性をインジケーターが示唆|仮想通貨朝市況
ビットコインは、値幅7000円の落ち着いた値動きで推移、方向性を見定める動き。また、ブルームバーグは歴史的価格のパターンをもとにしたインジケーター「GTI VERA Bands」を用いて、2017年バブル相場に近いシナリオも含む記録的な価格変動が起こりうる状況であると説明した。
Bakktの仮想通貨ビットコイン先物取引の承認、再び予定調整か
海外メディアの情報筋によると、一度2019年1月24日までに延期していた米仮想通貨取引所Bakktのビットコインの先物取引開始が現在CFTCの審査に遅れが生じているため、再び延期となる可能性が高くなる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
Runesデビュー1週間、ビットコインネットワークで200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア