CoinPostで今最も読まれています

分散型金融(DeFi)の預託資金が400億円を突破 仮想通貨で得る金利などに注目集まる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

分散型金融(DeFi)の預託資金が400億円を突破
分散型金融(DeFi)への流入する仮想通貨など預託資金が大きく増加している。DeFiのプロジェクトが提供するインセンティブに伴う金利などを狙った運用方法にも注目が集まっていることを示すデータだ。

分散型金融(DeFi)の預託資金が400億円を突破

分散型金融(DeFi)関連トラッキングツール「DeFi Pulse」は、預託金額の総額が大きいサービスを順位付けしたランキングが発表さした。同報告書からトップ10のプロジェクトでロック(預託)されている仮想通貨の総額は4月に入り4.07億ドル(約454億 6608万円)を突破したことが判明しており、DeFiに高いレベルで利用されるようになってきていることが明らかになった。

分散型金融(DeFi)とは

Decentralized Financeの略。ブロックチェーンを金融分野に応用することで、中央管理者がいない透明性の高い金融プラットフォームの実現を目指す新たな分野。明確な定義は確率されておらず、複数のプロジェクトが発足している。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

「DeFi Pulse」のデータでは、こうした分散型オープンファイナンス(DeFi)の成長を受け、預託されているETHは合計250万ETH(4億ドル強相当=約404億 3870万円)に達している。

ランキングを見ていくと預託資金に伴う金利などインセンティブ設計がより魅力的なプロジェクトが上位にある傾向にあったほか、大きなファンドや財団がバックアップするなど資金を預託するために重要な信頼性も重要視されている傾向が見受けられた。

本稿では、報告書で挙げられたランキングの上位プロジェクトの概要と預託金額を見ていく。

1位 MakerDAO ロック総額3億6200万ドル(約404億 3870万円)

MakerDAOは、ユーザーが安全に資産を預託できるスマートコントラクト・アドレスを提供し、ETHを担保資産として預け入れるとステーブルコインDAIを発行できるというシステムを構築している。ステーブルコインには法定通貨担保型や仮想通貨担保型、複数通貨を担保試算とするバスケット型などが存在するが、MakerDAOは仮想通貨を担保にしたモデルに該当する。

イーサリアムを担保資金とするが、価格はイーサリアムの価格に準拠するわけではなくUSD価格を基準として追随するため、価格を維持するメカニズムは非常に複雑なものになっている。通貨価格の下落を防ぐためのインセンティブ設計に注目が集まり、預託資金も増加傾向にあると考えられている。

圧倒的な預託金額の割合を誇るMakerDAO(メイカーダオ)のDAIスマートコントラクトには、220万ETHがロックされており、2万人がステーブルコインDAIを保有している試算される。

2位 Compound 2750万ドル(約30億 7200万円)

プラットフォーム上でETHやBrave(BAT)など5種類の仮想通貨を貸しだすことで、利子を得られる仕組みを提供している。イーサリアム上で稼働する分散型の金利市場となる。仮想通貨の貸し出し金利の高さには、他の金融マーケットからも注目が集まる新たな市場として発展してきた。

Compoundではこれまでの分散型金利市場に見られた個人間としてではなく、貸し出を行なったトークンを集約し高い流動性を実現、Contract対Walletの間で貸し借りを行えるプラットフォームとして注目を集めた。

利点としては、スマートコントラクトによってロックされた満期日などを待たずに、トークンの引き出しができる点も挙げられる。

現在の預託仮想通貨は4万ETH弱に達している。

3位 Uniswap 970万ドル(約10億 8364万円)

Uniswapは、既存のDEXとは異なる分散型取引所を提供するプロジェクトだ。トークンを流動性ツールとして提供し価格を自動算出するシステムを採用している。例えばDEXで偏る状況が散見される板取引による取引ではなく、固定レートでの即時交換をDEX上で提供し利便性を高めている。またその仕組みを支える流動性プールに、預託金を提供する事で手数料を得るインセンティブ設計も設けられており、新たなDEXの仕組みとして注目が集まっている。

同プロジェクトは、Ethereum Faundationからの10万ドルの資金提供を受けて発足しており、固有の株主などが存在しないことも評価点の一つにみられている。

これによりユーザーがさらに利用しやすいDEX環境を実現し、2月には100万ドル相当だったUniswap への預託総額は、わずか2カ月でおよそ10倍に増加した。

4位 Dharma 100万ドル(約1億 1171万円)

Compound同様、「仮想通貨レンディング」という位置づけにあるプロトコルで、イーサリアム上での債券発行を可能にするプロジェクト。

6位 Augur 98万ドル(約1億 947万円)

ETHをベースとする分散型予想市場プラットフォーム。仮想通貨の上場から選挙結、天候まで、様々なイベント結果を予想する市場で、ギャンブルの要素を備えている。これまで日本の取引所CoinCheckでも取り扱いが行われていた通貨Augur(REP)を有するプロジェクトでもある。

7位 Kyber 89万ドル(約994万円)

DEXおよび決済APIサービスを提供しているプロジェクトで、特徴は異なるブロックチェーン同士で決済が可能とするクロスチェーンの技術を利用している点だ。例えば、Kyberが提供するクロスチェーン決済APIを利用すると、利用可能通貨を送信することで、全てイーサリアムに決済した状況で受け取る事を実現することも可能だ。なお、新たに提携を結んだDAPP「NUO」によって、BTC、ETHまたはMKRで行うマージン取引や、仮想通貨を担保とする貸付も可能となった。

「本当の2位はENS」Twitterユーザーが指摘

某Twitterユーザーなど、ランクインこそしていないものの「MakerDAOに次いでETHの預託総額が高いのは、15万9691 ETH(2790万ドル相当)をロックしているEthereum Name Service(イーサリアムネームサービス/ENS)だ」と指摘する声もある。

しかし2017年6月には約5億ドル相当のETHをロックしていた事実を考慮すると、2年弱で相当量を急減した水準を示している。

市場は2018年初頭にDAIがローンチされて以来、海のものとも山のものとも分からないDeFiという分野を警戒し、その行方を観察していた感が強い。「一部のエキスパートがDeFiへの警戒心をゆるめ、ETHの応用が拡大したのは実質的にはここ4〜5ヶ月だ」と米メディアTRUSTNODESは分析する。ETHの普及がDeFiの急成長を加速させているのは間違いない。

こうした背景から、DeFiのさらなる成長と発展が期待したい。

▶️本日の速報をチェック
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/02 木曜日
06:15
FOMCで政策金利現状維持、ビットコイン一時59000ドル台回復
仮想通貨ビットコインは一時58,000ドル水準を回復。パウエル議長が「米経済は成長もしくはインフレでスタグフレーションは想定していない」とコメントしスタグフレーションへの懸念を後退させた。
05/01 水曜日
15:00
Bitwise最高投資責任者「米国でステーブルコイン法案可決なら、甚大な影響を及ぼし得る」
仮想通貨投資企業Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は、米国議会が今年、包括的なステーブルコイン法案を可決する可能性に言及。実現した場合、仮想通貨の広範な普及という面で ビットコイン現物ETFの承認と同等か、それ以上に大きな影響を与える可能性があると述べた。
12:30
米コインベース、ビットコインのライトニングネットワークを導入
米大手仮想通貨取引所コインベースは、ビットコインのライトニングネットワークを導入したと発表した。BTC送金を高速・低コストにする。
11:59
仮想通貨全面安、地合い悪化と香港ビットコインETFの思惑買い剥落で
暗号資産(仮想通貨)相場では、経済指標を受けた米国株安などの地合い悪化に加え、香港市場のビットコインETF・イーサリアムETFの初動不調の影響もあり、ビットコイン(BTC)やアルトコイン相場が急落した。
11:25
Web3ゲーム企業Games for a Living、クラクラ制作企業などから5億円調達
EAの創設者Trip Hawkins氏が共同で立ち上げたWeb3ゲーム企業Games for a Livingは調達ラウンドで、5億円を調達した。
10:05
バイナンスCZ前CEO、懲役4か月の判決
米地裁は、仮想通貨取引所バイナンスのCZ前CEOに懲役4か月の判決を下した。法律違反を知らされていた証拠がないことなどが緩和材料となった。
09:20
東京都、デジタル証券発行の補助金申請を受付開始
デジタル証券(ST)発行企業を支援するため、東京都が補助金申請の受付を開始。都内の企業は申請が認められれば、ST発行に必要な経費の一部を補助してもらうことができる。
07:50
香港のビットコイン・イーサ現物ETF、初日出来高は米国版を大幅に下回る
6つの仮想通貨ビットコイン及びイーサリアムETFの初日出来高は1,100万ドルだった。1月に米国でデビューしたビットコインETF10銘柄の純流入額は6.55億ドルで、香港版はこれを大幅に下回った格好だ。
07:20
リップル社、日本にXRPL基盤のソリューション導入へ 
日本にXRPL基盤の企業向けソリューションを導入するため、リップル社とHashKey DXが提携。このソリューションを最初に利用するのはSBIグループの企業である。
06:45
バイナンスジャパン、ソラナ・XRPなどで日本円取引拡充
仮想通貨取引所Binance Japanは今年2月に、ラップドビットコイン、ファイルコイン、スイに対応追加。国内では、最多のラインアップを有する取引所として50銘柄を提供。
06:15
1つのソラナミームコインの時価総額が300兆ドルに、その理由は
この仮想通貨ミームコインの9割以上の発行数はトークン発行者に保有されており、「凍結権限」が発動されたため、購入した投資家はトークンの送信をすることができなくなっている。
05:50
米マイクロストラテジー、4月にもビットコイン買い増し
仮想通貨ビットコインを大量に保有しているが、2024年1Q業績については、売上高は前年同期比5%減の1億1,520万ドルとなった。株価は暴落している。
04/30 火曜日
14:45
米SECは一年前にイーサリアムの「正式調査命令」を承認していた コンセンシスの訴状で明らかに
米Web3企業コンセンシスは、対米SEC裁判で新たな書類を提出した。SECは一年前にイーサリアムを調査する正式命令を発行したと申し立てている。
14:34
個人マイナーがビットコインのブロック生成に成功、報酬3500万円相当を獲得
ビットコインのマイニングを行う個人マイナーがブロック生成に成功し、ブロック報酬と取引手数料で3,400万円の採掘報酬を獲得した。
13:18
EigenLayer、独自トークンをローンチへ
独自トークンEIGENをローンチしてエアドロップを行うことなどを、仮想通貨イーサリアムのリステーキングプロジェクトEigenLayerが発表。EIGENの役割も説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア