CoinPostで今最も読まれています

英、自己管理型ウォレットの送金でデータ収集を行わない方針

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マネロン規制に関する提案を修正

英財務省は20日、暗号資産(仮想通貨)の非ホスト型ウォレットに関する、送受信者の識別情報収集について、一律ではなく、リスクベースのアプローチをとるよう変更すると発表した。

財務省は昨年7月、金融活動作業部会(FATF)のトラベル・ルールに準拠する形で、「資金洗浄とテロ資金調達及び資金移動規制の改正」に関する協議文書を発表。全ての個人のウォレットへの送金について、個人識別情報の収集を義務付けるよう以下のような提案が盛り込まれ、物議を醸し出していた。

仮想通貨企業は、仮想通貨送金の発信者と受益者の個人情報が、適切な形式で、送金と同時に送受信されることを保証するシステムを導入する必要がある。

関連:英、仮想通貨送金にFATFのトラベル・ルール適用へ 協議書を発表

財務省は同協議文書の発表後、約3ヶ月間のパブリック・コンサルテーションを実施。マネロン・テロ資金供与監督当局、産業界、一般社会、学術界、および複数の政府省庁から提出された94件の回答を踏まえ、今回、政府の最終的な方針を示す中、データ収集要件が大幅に緩和されることとなった。

トラベル・ルール

マネーロンダリング等防止のための国際的な電信送金に関するルールで、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)には取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することが求められる。
対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。

▶️仮想通貨用語集

リスクをもたらす証拠に欠ける

最新の提案で財務省は、仮想通貨を保有する多くのユーザーが、セキュリティやカスタマイズなどの利点から非ホスト型ウォレットを使用しており、違法取引に使用される「不釣り合いなリスク」をもたらすという証拠はないと指摘。「非ホスト型ウォレットの取引が自動的に高リスクとは見做されることに同意しない」と述べた。

そのため、全ての非ホスト型ウォレットの送金について、送受信者情報の収集を義務付けるのではなく、「違法金融のリスクが高いと特定された取引」に限定し、仮想通貨事業者が情報を収集することを提案した。

非現実的な身元確認

また、英国政府は、収集された情報の検証は求めないと明記。現在、FATF自体が、非ホスト型ウォレットの送受信に関する情報の検証を期待してはいないことをその理由として挙げた。

財務省は、収集した情報の検証義務付けは、仮想通貨ユーザーおよび事業者双方にとって困難だと主張。検証するためには、受益者に「送金元の住所、生年月日などを証明する公的文書の提出が求められる可能性」もあることから、現実的ではないとした。

トラベルルールが適用される事業者

修正された提案で財務省は、仮想通貨送金の際に仲介者の役割を果たす事業者を明確に示した。

本法案は、トラベルルールが仮想通貨取引のプロバイダーまたはカストディアンウォレットのプロバイダーである仲介業者にのみ適用され、ソフトウェアプロバイダーなど、トラベルルールの適用が意図されていない他の事業者は対象外となることを明確化するものである。

今回の修正提案が議会の承認を得られた場合、今年9月1日に施行される予定。セクター別の業界ガイダンスは、改正された法律に基づいて更新されるが、コンプライアンスのための技術開発などを考慮し、事業者によるソリューションの導入等に12ヶ月の猶予期間を設けることも決定された。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/06 日曜日
13:00
今週の仮想通貨市場、主要アルト材料まとめ アプトス日本進出やスイ「Walrus」発表
ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRP、スイなど主要仮想通貨銘柄の最新動向を解説。価格変動や市場の影響要因、中東情勢や米雇用統計、ETFの動きまで、今週の注目トピックをまとめた。
11:30
ビットコインは中東情勢不安定化で神経質な値動き、ETFへの資金フローに引き続き注目|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが、今週のビットコイン(BTC)相場と来週の展望を分析。中東情勢の不安定化すによりビットコインは神経質な値動きが続く中、機関投資家のビットコイン現物ETFへの資金フローが注目される。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米SECのリップル裁判控訴に高い関心
今週は10x Researchによるビットコイン相場分析、金融庁による仮想通貨規制の抜本的見直し、米SECによるリップル裁判控訴に関するニュースが最も関心を集めた。
10/05 土曜日
14:30
Ubisoft新作「Captain Laserhawk: The G.A.M.E.」、アービトラムでNFTリリースへ
新ゲーム「Captain Laserhawk」 フランスの大手ゲーム会社Ubisoftは、近日中にイーサリアムレイヤー2のアービトラム上で1万体のNFTコレクションを発売する計…
13:00
26000以上のBTC保有 米マラソン、ビットコインHODL戦略を継続
米マイニング大手マラソンがビットコインHODL戦略を継続。9月に売却を行わず26,842BTCを保有している。9月の採掘実績も発表した。
11:30
ビットワイズ、ビットコインとイーサリアム先物ETFで戦略変更 米国債ローテーションを採用
ビットワイズが3つの仮想通貨先物ETFの戦略変更をSECに申請。独自の「トレンドワイズ」戦略で市場下落時に米国債へローテーション。
10:45
EigenLayer、8億円の仮想通貨EIGENが不正売却 公式側が調査
イーサリアムのリステーキングプロジェクトEigenLayerで約8億円相当のEIGENトークンが不正売却。投資家のメールが侵害され、攻撃者がトークンを売却。
07:40
IMF「エルサルバドルはBTC投資に制限を」
仮想通貨ビットコインへの公的な投資に制限を課すことなどをIMFはエルサルバドルに勧告。IMFの報道官が会見で、同国のビットコイン政策に言及した。
07:15
コインベース、欧州でUSDTなどのステーブルコイン廃止へ MiCA法準拠で
大手仮想通貨取引所コインベースは10月4日、年末までに欧州連合(EU)域内で規制に準拠していない「ステーブルコイン」の上場廃止を行うと発表した。
06:45
ビットコインクジラ、2009年採掘のBTCを5億円分取引所へ送金
古参のビットコインクジラが5日、5億円相当のビットコインを米仮想通貨取引所クラーケンに送金したことが明らかになった。
10/04 金曜日
23:26
Sanctum(サンクタム)でソラナのステーキング利益最大化
仮想通貨ソラナ(SOL)のブロックチェーン上のDeFiプロトコル「Sanctum(サンクタム)」を詳しく解説。LSTの仕組みやCLOUDトークン、具体的な使用方法、将来展望まで。SOLのステーキングなど、投資利益を最適化したい方向け。
17:30
Web3事業のセキュリティをAI監査で強化【Bunzz Audit独自取材】
Web3時代のセキュリティ課題に挑むAI駆動スマートコントラクト監査サービス「Bunzz Audit」を解説。従来の監査の問題点と革新的解決策を探る。DeFi、NFT事業者向け。
16:38
バイナンス、4種類の仮想通貨取引ペアを取扱い中止
海外の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは4種類の現物通貨ペアの取扱いを中止した。流動性向上を目的とした戦略の一環で、他の通貨ペアは引き続き利用可能。
15:00
ソラナの猫系ミームコイン「MEW」、米クラーケンに新規上場
米大手仮想通貨取引所クラーケンは8日にソラナ(SOL)基盤の猫をモチーフにしたミームコイン「MEW」を新規上場する予定だ。
14:30
リップル社、ラテンアメリカ大手仮想通貨取引所と協業
仮想通貨を活用した国際送金を変革するため、リップル社がラテンアメリカ大手取引所Mercado Bitcoinと協業。今後のユースケースなどを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア