CoinPostで今最も読まれています

米地裁、「XRPの二次販売が証券である可能性排除できず」州法上の訴訟で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リップル社に対する新たな訴訟を承認

米国地方裁判所のフィリス・ハミルトン判事は20日、リップル社に対する米連邦証券法に基づく集団訴訟4件を棄却する一方で、暗号資産(仮想通貨)XRPの証券性に関わる1件の州法上の訴訟については裁判を行うことを認めた。

今回の裁決には、XRPの個人投資家への取引所などでの販売に証券性はないとしていた、以前のトーレス判事の判断とは異なる部分がみられる。なおリップル社側は、XRP自体は証券ではないとするニューヨーク州の判決はそのまま維持されるとコメントした。

ハミルトン判事が裁判に入ることを認めたのは、原告がリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが2017年に州の証券法に違反したと申し立てている訴訟だ。

具体的には、2017年12月にガーリングハウス氏がテレビ番組に出演した際、「XRPをロングポジションのまま大量に保有している」と述べていたことを問題視している。

原告は、実際にはガーリングハウス氏が同年中にXRPを大量に売却しており、この発言は虚偽のものだったため証券法に違反していると申し立てた。

リップル社はこれに対して、ハウィーテストにおいてXRPは証券の定義を満たしていないため、「証券に関連する」申し立てを成立させることはできないと反論している。

根拠としては、昨年7月に米証券取引委員会(SEC)対リップル社の裁判で、地裁のトーレス判事が、XRPの取引所での二次販売は、ハウィーテストの「他社の努力による利益の期待」の要件を満たしていないとして、証券性はないと判断したことだ。

リップル社は、ハミルトン判事にもトーレス判事の論拠に従うよう促していた。しかし今回、ハミルトン判事はトーレス判事の見解に異論を唱えている。

関連: 「仮想通貨XRP自体は有価証券ではない」米地裁、裁判で判決下す

ハウィーテストとは

米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件に由来する。

法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。

▶️仮想通貨用語集

営業努力の影響が論点

ハミルトン判事は、個人投資家がXRPに期待していたとして、それが仮想通貨市場全般の動向によるものだったか、リップル社によるXRPを使った国際決済を普及させようとする営業努力によるものだったか判断できないとしている。

また、リップル社がYouTubeのインタビュー映像など、一般的な投資家も閲覧できる場所でXRPについての情報を広めていたことも指摘し、こうしたことが投資家に与えた影響も考慮する必要があるとした。

ハミルトン判事はこうした点をさらに検討するために訴訟を進めることを許可している。

22日追記:リップル社側のコメント

リップル社のスチュワート・アルデロティ最高法務責任者は本件を受けて、次のようにコメントした。

はっきりさせておこう、カリフォルニア州の裁判官はリップルが連邦証券法に違反したという申し立てはすべて却下した。XRPは証券ではないとするニューヨーク州の判決はそのまま維持される。

2017年の発言に基づく、州法上の訴訟1件が裁判にかけられることになる。原告は、リップル社から直接XRPを購入しておらず、取引前に問題の発言を聞いたかどうか明言できない原告は、数百ドルを失ったとしている。この件で反対尋問を楽しみにしている。

この裁判とは別に、リップル社とSECの間の訴訟も継続しているところだ。この裁判ではXRPそれ自体や個人投資家への二次販売は証券性がないという判断がくだされ、現在は、和解にあたってリップル社に科す罰金額の件で両者が対立している。

関連: 米SEC、対リップル社裁判で罰金額めぐり反論

関連: XRP(エックスアールピー)の価格・チャート|今後の将来性や買い方を解説

『ラストチャンス』終了まで
0
0時間
0
0
CoinPost読者限定の特別割引が適用されます!
今すぐ参加登録!
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
08/23 金曜日
17:30
アービトラムがWeb3ゲーム市場で存在感を高める理由
アービトラムのゲーミングエコシステム強化策「Game Catalyst Program」と、アービトラムで開発されるWeb3ブロックチェーンゲームを紹介。大手ゲーム会社の参入が増加するWeb3ゲーム市場でアービトラム(ARB)が選ばれる理由を解説
16:34
マイニング企業 Bitfarms、競合のStronghold Digitalを買収
マイニング企業ビットファームズは、約254億円の株式および債務による取引で、競合他社のストロングホールド・デジタル・マイニングを買収したと発表した。
16:00
フランクリン・テンプルトン、米国債トークン化ファンドFOBXXをアバランチに拡大
フランクリン・テンプルトンが米国債ファンドのBENJIトークンを仮想通貨アバランチにも導入。トークン化MMF市場は2,640億円規模に到達。
15:08
グレースケール、アバランチ(AVAX)の投資信託を発表
グレースケール・インベストメンツは、新たに暗号資産(仮想通貨)アバランチ(AVAX)を対象とした投資信託を発表した。適格投資家向けに私募で提供される。
13:05
Astar zkEVM、ソニーのSoneiumに移行へ
アスター・ネットワークは、Astar zkEVMをソニーとStartaleが開発したSoneium L2に移行し、Web3技術の普及とASTRトークンのエコシステム拡大を目指す計画を発表した。
13:00
ソニーが描くWeb3の未来、Soneium(ソニューム)チェーンを発表
ソニーグループとStartaleの合弁会社Sony Block Solutions Labsは、次世代イーサリアムL2ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」を発表した。ローンチパートナーとしてUSDC開発のCircle社をはじめ、Optimism、Chainlink、Alchemy、The Graphが支援する。
10:15
DMMとProgmat、ステーブルコイン発行へ共同検討開始
ステーブルコイン発行に向け、DMMとProgmatが共同検討を開始。プログマコインを活用し、仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンなどマルチチェーン展開を想定している。
10:06
トランプ前大統領、一族の仮想通貨プロジェクト「The DeFiant Ones」を告知
トランプ前大統領が、息子たちの仮想通貨プロジェクトを発表。DeFiを活用し、一般市民の金融アクセス改善を目指すものとみられる。
09:53
CZ氏、収容先移動で社会復帰準備か
仮想通貨取引所バイナンス前CEOのCZ氏の収容先が変わったことがわかった。CZ氏は9月29日に出所を迎える。
08/22 木曜日
17:32
米大統領選挙、仮想通貨業界の寄付総額が前例のない規模に 企業献金の半分を占める勢い
2024年の米国連邦選挙に向けて、仮想通貨企業が170億円を超える寄付を行い、企業献金全体の半分を占めています。
17:00
WebX 2024 特別対談予告 越智隆雄×平将明×小田玄紀『日本のWeb3戦略と展望』
WebX 2024では、自民党の越智隆雄・平将明両議員とJVCEA小田玄紀会長が、日本のWeb3戦略とその未来について特別対談を行います。CoinPostが企画・運営、一般社団法人WebX実行委員会が主催する国内最大級のWeb3カンファレンスでインターネットの未来を探る必見セッション。
16:16
Yay!、8月28日にステーキングキャンペーン開始
Yay!が8月28日よりステーキングキャンペーンを開始し、Web3エコシステムを強化します。新機能のトークンと暗号資産(仮想通貨)のエアドロップ情報も併せて紹介。
15:00
WebX 2024 特別講演予告 北尾吉孝 SBIホールディングス会長兼社長
WebX 2024の特別講演で、SBIホールディングス株式会社の北尾吉孝 代表取締役会長兼社長が登壇。CoinPostが企画・運営、一般社団法人WebX実行委員会が主催する国内最大級のWeb3カンファレンスでインターネットの未来を探る必見セッション。
14:45
バイナンス、コンプライアンス強化のため雇用を大幅に拡大する計画
仮想通貨取引所大手バイナンスは規制遵守の体制を強化するなどのために、2024年末までに従業員を大幅に拡大する計画だ。
14:00
ドイツ当局、違法な仮想通貨ATMを摘発 現金4000万円を押収
ドイツ連邦金融監督庁は、ドイツ全土で行われた仮想通貨ATMに対する捜査で、違法に設置された13台の機器と現金約25万ユーロ(4,000万円相当)を押収したと発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア