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スリーアローズを破産に追い込んだ3つの要因とは、共同創設者が語る ブルームバーグ報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

破産の3つの原因とは

破産手続きを進める暗号資産(仮想通貨)ヘッジファンド「Three Arrows Capital(3AC)」の共同創設者Su Zhu氏とKyle Davies氏は、同社が財政難に陥った原因を語った。インタビューを行った「ブルームバーグ」が22日に報じた。

3ACは先月、英国領ヴァージン諸島(BVI)の裁判所から企業の清算を命じられている。また、その後には米国で米国破産法第15章(国際倒産)の適用を申請したことも分かった。同社の財政難を招いた大きな要因は以下の3つだという。

  • テラ騒動
  • stETHトークンの価格乖離
  • ビットコイン投資信託(GBTC)のディスカウント

ヘッジファンドとは

幅広い金融商品に投資したりしながら、市場が上がっても下がっても利益を得られるように運用されるファンド、またはそのファンドの運用企業のこと。

▶️仮想通貨用語集

関連初心者でもわかる仮想通貨ヘッジファンド「Three Arrows Capital」とは|企業の特徴や運用実態を解説

テラ騒動

3ACがテラのプロジェクトに出資を行なっていたことは公式ウェブサイトでも公開しており、過去に「The Wall Street Journal(WSJ)」も報じている。3ACはトークンセールを通してテラのプロジェクトに約270億円(2億ドル)出資しており、Davies氏はWSJに対し、「テラ騒動に不意を突かれた」と話していた。

ステーブルコインのUST(現USTC)やLUNAトークン(現LUNC)の暴落には耐えられたが、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など他の銘柄にも影響が波及したことで、同社の負担が大きくなったとWSJに説明しており、テラ騒動がきっかけになったことを明かしていた。今回のブルームバーグのインタビューでZhu氏は、ビットコインの価格が3万ドルから2万ドルに下落した時点で負担が非常に大きくなったと話している。

関連Three Arrows Capital、資産売却や他社からの救済も検討=WSJ

また、Zhu氏は「我々はLunaが数日間で価値がなくなってしまうことに気づけなかった」ともブルームバーグに語った。他にも、テラのプロジェクトを率いるDo Kwon氏とは個人的に知り合いだったことや、プロジェクトに大きな期待をしていたとも述べている。

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stETHトークンの価格乖離

stETHとは、DeFi(分散型金融)プラットフォーム「Lido Finance」でイーサリアムをステーキングすることで入手できるトークンのこと。ユーザーは、ステークしたイーサリアムと同量のstETHを受け取ることができ、イーサリアムのステーキング報酬を得ながら、stETHを運用することが可能だ。

一方で、ステーキングされたイーサリアムは、大型アップグレード「The Merge」が完了してもまだ出金できず、stETHの償還も行えない。現時点ではThe Mergeの実施予定日は9月19日となっており、公式ウェブサイトによると、The Merge後のアップグレード「Shanghai」が完了してから出金できるようになる。

しかし、テラ騒動の後にstETHとイーサリアムの価格も乖離し、イーサリアムに対しstETHが割安で取引されるようになった。6月14日の時点で、3ACのものとされるアドレスから、イーサリアムに交換するために約2万2,830ものstETHが送信されたことがツイッター上で報告され、この時に3ACが財政難にあるとの憶測が広まった。また、stETHを投げ売りし、割安にしたのは3ACではないかとの指摘もある。

関連イーサリアム関連「stETH」の価格乖離、その背景は

GBTCのディスカウント

3ACが、グレースケール社のGBTCも購入していたことは以前から明らかになっていた。2020年末時点で3ACのGBTCの保有口数は約3,890万口で、最大の保有者だったとされている。GBTCは、直接ビットコインを保有することなく、ビットコインに投資できる商品として機関投資家から人気を博した。GBTCはビットコインに償還はできないが、購入後6カ月すると流通市場で販売できるようになる。

GBTCは以前、証券口座から投資できる利点等からビットコインの価格に対してプレミアムがついて割高で取引されていた。しかし現在は、カナダでの現物ビットコインETF(上場投資信託)の台頭や、機関投資家による高値圏での利益確定売りなどの影響により、過去1年以上の間、ディスカウント(割安)で取引されている。「Coinglass」のデータによると、本記事執筆時点でGBTCのディスカウントの割合は30%だ。

関連ビットコイン投資信託GBTCの「マイナス乖離」、反発の背景は

創設者はどこにいるのか

6月15日にZhu氏が「問題解決に向け、関係者と全力で取り組んでいる」とだけツイートし、同社が困難な状況に陥っている事実を窺わせてから、3ACは沈黙を貫いていた。今月には、米連邦破産裁判所に提出した書類から、Zhu氏とDavies氏の所在が分からなくなっていることも明らかになっている。

関連破産したThree Arrows、創業者らの所在わからず 緊急公聴会開催へ

しかし最近になって、Zhu氏がツイートをしたり、今回のインタビューに応じたりして、少しずつ情報を発信するようになってきた。ブルームバーグによると、Zhu氏とDavies氏はドバイに向かっており、そこで落ち着いて精算手続きに臨むようだ。今回のインタビューで、これまで殺害の脅迫を受け、身の危険を感じていたことも明かしている。

Davies氏はインタビューで、たくさんの人々が多くのお金を失ってしまい、現在の状況を残念に思っているとも話した。

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