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FRBパウエル議長が警鐘を鳴らす:未熟な投資家にとって仮想通貨はハイリスク

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Powell氏の発言
7月18日にアメリカ連邦準備銀行の理事会議長を務めるPowell氏は理事会に対し、仮想通貨が資金洗浄や、資金を隠すのに最適であることや、主要な通貨の機能も果たしていないとして批判した。
連邦準備銀行各支部の見解
連邦準備銀行の代表を務めるPowell氏は、仮想通貨を批判したものの、各主要都市にある全支部が仮想通貨に対して否定的、という訳ではない。セントルイス支部や、ニューヨーク支部は比較的肯定的であるものの、アトランタ支部やミネアポリス支部は否定的な考えを持ち、意見が別れているのが現状。
連邦準備銀行とは
連邦準備銀行 (Federal Reserve Banks) は市中銀行の監督や規制など、公開市場操作以外の連邦準備制度の業務と、ドル紙幣の発行を行う。

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Powell氏の発言

7月18日に、アメリカの中央銀行制度である連邦準備銀行の理事会議長を務めるJerome Powell氏は、理事会に対し、昨今高まってきている仮想通貨分野に関する懸念を、以下のように表明しました。

「比較的未熟な投資家は、仮想通貨の価格が上がっているからという理由で”購入してみるべきだ”と考えてしまう。

しかし、仮想通貨が今後も上がっていく保証はどこにもないのだ。」

そして、仮想通貨市場には「投資家や消費者保護の問題も存在している。」と語り、ビットコインを始めとする仮想通貨が危険なものであり、”本質的な価値”もなく、「資金洗浄や、資金を隠す場所として最適なものとなっている。」と主張しました。

また同氏は、

「仮想通貨は現時点で、通貨の機能とも言える、支払いの手段としても使われていない。そして、そのボラティリティの高さから、価値の保存としての機能も果たせていないのは明白だ。」

と述べ、通貨の必要最低限の役割である支払いの手段、そして、価値の保存として機能しないと言及し、通貨として捉えるべきではないという考えを明らかにしました。

Powell氏は昨年11月にも、仮想通貨が「長期的にどうなるかは定かではないが、現時点では、金融界に大きな影響を与えるような脅威的なものではない」と主張した一方で、ブロックチェーン技術の可能性については肯定的な意見を示していました。

しかし、当時彼は、ビットコインに対し、否定的な考えも、肯定的な考えも持っていないと語り、あくまでも中立であったことから、今回の否定的な発言は大きな注目を集めています。

連邦準備銀行各支部の見解

連邦準備銀行理事会議長のPowell氏は、仮想通貨に対して、批判的な考えを持っていますが、アメリカ全土の主要都市に存在している連邦準備銀行の仮想通貨に対する見解は、一貫して否定的であるわけではありません

セントルイス連邦準備銀行は、先日6月19日に同銀行が運営する経済統計データFREDに、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4種類の仮想通貨データを追加しています。

また2014年には、セントルイス連邦準備銀行の副総裁であるDavid Andolfatto氏が、ビットコインに関する講演を行うなど、仮想通貨が社会的に認知される以前から、仮想通貨に対して寛容的な姿勢をとってきていました。

そして、ニューヨーク連邦準備銀行の報告書には、「仮想通貨は、トラストレスな状況における支払い問題の解決策となり得る」と記述されており、ある程度肯定的な見解が垣間見えています。

その一方、アトランタ連邦準備銀行の支部長を務めるRaphael Bostic氏は、3月に「仮想通貨は投資に値しない。」と語り、ミネアポリス連邦準備銀行の代表、Neel Kashkari氏も2017年12月に仮想通貨は(アメリカで一時期絶大な人気を誇ったぬいぐるみ)”ビーニーベイビーズ”のようなもので本質的な価値はないと批判しています。

このように、連邦準備銀行の支部ごとに、仮想通貨に対する見解は割れているのが現状です。

厳密に言えば連邦準備銀行は、仮想通貨に対して、証券取引委員会(SEC)のように直接的に干渉する権限を所持していないものの、今後どのような立ち位置で仮想通貨と向き合って行くのかが注目されています。

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