CoinPostで今最も読まれています

米高裁、アップルのアプリ外決済誘導禁止を違法判断 Web3アプリ開発企業にも追い風か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

小さな勝利と大きな一歩

米国連邦控訴裁判所(高裁)は24日、米アップル社が「App Store」で利用者の外部決済システムへの誘導を制限する行為は、カリフォルニア州の不正競争防止法(UCL)に違反するとの判断を下した。

米国連邦控訴裁判所は、地方裁判所の上位に位置する、控訴審を担当する裁判所。米国における最上位の上訴裁判所としては、連邦最高裁判所(US Supreme Court)がある。

今回の判断は、人気ゲーム「フォートナイト」の開発元である米Epic Gamesが、スマートフォンアプリの課金方法を巡り、アップルを反トラスト法(独占禁止法)違反で訴えた訴訟で下された判決の一部だ。控訴裁は、上記以外の争点においてはアップルの主張の大半を受け入れ、独占に当たらないとした地方裁判所の判断を支持した。

Epic Gamesの創業者でCEOのTim Sweeney氏は、アップルの勝訴を認める一方で、App Storeの外部決済への誘導を制限する条項を裁判所が否定したことは、開発環境の大きな改善につながるとの考えを示した。

幸いなことに、アップルの反ステアリング条項を否定した裁判所の前向きな判断により、iOS開発者は消費者をウェブに送り込み、そこで直接ビジネスを行うことができるようになる。我々は次のステップに取り組んでいるところだ。

App Storeの反ステアリング条項では、アプリ開発者がApp Store以外のサードパーティの決済方法への外部リンクを設けることを禁止している。裁判所は、Epic Gamesの手数料(12%)がアップル(30%)に比べて格段に低いということをユーザーが知れば、直接Epic Gamesに集まり、Epic Gamesがより高い収益を上げていたと判断。反ステアリング条項は「不公平である」との結論に達した。

アップルはこの決定を不服として、上訴の可能性も検討していると声明で述べている。

アップル VS Epic Games

アップル社とEpic Gamesの法廷抗争は2020年に始まった。

Epic GamesはApp Storeの「法外な手数料」を回避するため、独自決済システムへのリンクをアプリ内に設けたところ、アップルは規約違反に当たるとして、人気ゲームフォートナイトの配信停止に踏み切った。

この措置を受け、Epic Gamesはアップルが他社の決済システムを認めず最大30%の手数料を課しているのは、独占的であり競争を阻害しているとして、アップルを提訴。程なくアップルもEpic Gamesを反訴した。

米地裁は2021年、Epic Gamesによるアップルの独占禁止法違反の主張を退ける一方で、反ステアリング規制については、アップルに撤廃するよう命じる判決を下した。

アップルならびにEpic Gamesは、この判決を不服として控訴し、今回、控訴裁判所で改めて同様の判断が下される事となった。

日本と欧州では

App Storeは長年に渡り、日本の公正取引委員会による独占禁止法に基づく審査を受けていたが、2021年9月、アップル社は同委員会との和解に伴い、規約の一部を改定した。

公取委は、アップルが音楽配信や動画配信などのアプリ提供者に対し、コンテンツ販売方法を限定する規定などを問題視していた。アプリ内での有料コンテンツ販売はApp Store経由に限定され、アプリ提供者には販売額の30%が手数料として課されていた。また、自社サイトでコンテンツを販売するためのアウトリンク表示は禁止されていた。

改定された規約では、「リーダーアプリ」上で有料のコンテンツや利用料支払いの際に、外部の決済サイトへのリンクの掲載を容認することになった。ただし、ゲームアプリでの外部誘導は引き続き禁じられていた。

改定された規約は2022年から、全世界に適用されたことから、日本の公正取引委員会が巨大IT企業に影響を与えた例として注目された。

アップルはまた、欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)に準拠するため、App Store以外からも外部アプリをダウンロード可能にする「サイドローディング」の実装準備を進めているようだ。

対応はEUに限定されているが、同様の法律が制定される場合は他国でも適用される可能性があり、Web3およびNFT(非代替性トークン)業界にも追い風となり得る。

関連:アップル、欧州で外部アプリストアの許可方針 30%の「Apple税」解消か=報道

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧