CoinPostで今最も読まれています

ブロックチェーンによるトークンの多様化が可能にする投資のリスク回避

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「複数仮想通貨への投資分散」だけではポートフォリオとは言い難い
ビットコインの価格が下落するだけで、ほぼ全てのアルトコインの価格が下落するため。
仮想通貨投資家は資産を多様化することでリスク回避できる
同じ分野に資産投資するのではなく、資産を多様化させることで損失を最小限にできる。
ブロックチェーンによって様々なモノのトークン化が可能に
自動車、土地、不動産などあらゆるものがトークン化され、投資家は容易に投資できるようになる。

ご存知の通り仮想通貨市場は不安定です。昨年から投資をしていた人は、価格の高騰や暴落の波を経験したはずです。

ビットコインの最後の高騰では5000ドルを記録し、その後約20%価値が落ち4200ドルをマークしました。この変動をみれば市場がどれだけ不安定かお気付きになるでしょう。似たように中国政府が発表したICO関連のニュースによるアルトコインの急落は決して珍しくはありません。

一般的に、仮想通貨の投資家はこの不安定さには慣れています。しかしながら、彼らの大抵は激しい変動による影響を受けない、より良い仮想通貨資産の運用方法を求めています。全ての投資ポートフォリオを考慮すると、不安定さを防止する最善の方法は”多様化”にあります。

しかし難点は、仮想通貨内での多様化は大きな価値変動に対しては効果的な防止策とはならない点です。なぜなら、ほとんどのアルトコインはビットコインの変動に沿っているため、他のコインへの多様化の効果は薄れてしまうからです。

多様化の選択肢

ポートフォリオを多様化する最適な方法は投資家達が保有しているものとは完全に異なる資産へ多様化することです。例として、株式のポートフォリオを持つ投資家は株式市場が崩壊する場合の対策として貴金属を購入しておいたほうがよいでしょう。株式市場が復活したころ、貴金属の価値は上昇し、結果として最終的な損失は最小限に抑えられます。

仮想通貨の投資家らはこれに似たように、仮想通貨の変動による損失をさけるために、芸術品や土地などの現実世界に存在する資産を利用し多様化することによって回避したほうがよいでしょう。この多様化を可能にさせる選択肢が複数存在します。

トークン化される経済によって

ブロックチェーン技術そのものが多様化の方法の一つでもあります。なぜなら、分散型台帳技術を持つブロックチェーンは、資産所有者と利用者を直接繋げることが可能であるからです。ブロックチェーン技術によってトークン化されるモノ(CoinPost注:例えば現物資産は、仮想の「所有権・権利証明物」へ代替される)は新しい資産投資先となり、また投資方法となっていくでしょう。

実在する資産のトークン化は単純に資産の固有価値の一部をトークンによって売却させることを意味します。実はトークン化のコンセプトはブロックチェーン技術が生まれる前から存在し、それは企業の株式所有と実質的に同じ意味を持ちます。考え方は高価な資産の部分所有権を投資家に与えることです。

しかしながら、ブロックチェーン技術ではトークン化された資産を第三者の介入無しに売買することが可能なので、大きな手数料の負担がなくなります。これにより仮想通貨所有者は従来の通貨に替えることなく、仮想通貨を実在の資産に多様化することができるのです。

LATokenやATANTなどの企業はこのような多様化を可能にさせるため、トークン化された経済が主流になることを願っています。

世界をトークン化する

ブロックチェーン技術の長所はずばり自動車、船、株、芸術品、土地などありとあらゆるものをトークン化できることです。Orebitsなどの企業は貴金属までもトークン化させようと試みています。要するにトークン化することやそれをブロックチェーンプラットフォーム内で販売し、投資家がリスク回避する選択肢を広げることに制限はありません。

一例では、大型ショッピングモールを所有する一人の投資家はブロックチェーンを使い資産をトークン化し、そのトークンを他の投資家にモールの“株”として販売することができるのです。販売者はモールの最大限の価値をトークンで受け取り、購入者はブロックチェーンを通し土地を所有し、場所や投資額に関係なく、投資家を受け入れることができるのです。

従来の不動産投資のような資産投資では、莫大な資本金、世界的な繋がり、または高い手数料、移動費、ブローカー費が必要でした。しかしトークン市場ではその費用はすべて免除され、仮想通貨を多様化する選択肢が与えられます。ブロックチェーン運用企業ATLANTA CEOであるJulian Svirsky氏は、

『…中国にいる投資家はフランスにあるモールの一部を現地に行くことや現地の繋がりなしに投資をすることができるのです。よって不動産投資は小規模の投資家にも開放され、短期間の保有に関心のある投資家を受け入れ、さらには国境や取引コストを削減し、煩雑な手続きが必要な不動産事業を取り除くことができるのです。』
と述べます。

多様化によるリスク回避

投資家たちは既に所有する仮想通貨のリスク回避方法を模索中です。今までにない価値の高騰に加え、以前は低かったポートフォリオが極度に価値のあるものに変わった今、仮想通貨投資家たちは現実世界の資産の多様化を求めています。それも海外出張や従来の株の投資の費用を抜きにして。

ビットコイン専門家であり、Adamant Research編集者でもあるTuur Demeester氏は自身のツイッターで下記のようにツイートしています。

『ビットコインを売るべきか否かはまだ様子を見る必要がある。しかし、多様化の必要性は確かであるでしょう。ブロックチェーン技術は従来の通貨に両替することなく、シンプルに資産をトークン化によって多様化することを可能にさせるのです。』

Hedging Your Bets: New Diversification Models for Crypto Investors

SEP 06, 2017,Jon Buck

原文はこちらから

CoinPostによる考察

仮想通貨投資家は価値の変動が激しいため、集中して資産を投資していると損失が大きくなる可能性があります。

そこで資産を多様化させることで少なからずそのリスクを回避できるようになります。将来的に、現実世界にある様々のモノがブロックチェーン技術によってトークン化されるようになり、不動産や自動車の価値をトークンとして保有できるようになるため、資産を多様化でき、気軽に投資や売買ができるようになるでしょう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧