- 「ビットコインは逃避資産」中国政府の態度が一変か
- 中国政府の国営通信社は、グローバル経済が減速する中、仮想通貨BTCが投資家の「逃避資産」として資金を引き寄せていると分析した。G20を控える米中政府における関税問題の進展が不透明な中、ビットコインのメリットが見直されているか。
ビットコインに対する中国政府の態度が一変か
中国政府の国営通信社「新華社通信」は、グローバル経済が減速する中、ビットコインが投資家の「逃避資産」として資金を吸収していると指摘した。これまで仮想通貨やビットコインに対して厳しい見方を見せてきた中国国営メディアの報道内容に変化が見られている。
新華社通信は、「2019年が始まって以来、世界経済の成長減速や、米中貿易戦争などの貿易摩擦が投資家に不安視されているため、ビットコインはこれまでいわゆる逃避資産として投資家に好まれている。」と分析。
なお、既存金融の機関投資家や大口投資家が仮想通貨に関心を向けているもう一つの理由は、フェイスブックが先日発表した仮想通貨リブラだとしている。これまで仮想通貨に関心の薄かった金融関係者も、巨大企業がリブラ協会に参入することで、改めてビットコインなどの仮想通貨に興味を持ちつつあるのではないかと考えているという。
一方で、新華社通信はビットコインの高いボラティリティと投機性も取り上げながら、引き続き警戒を促している。
だが同時にビットコインをはじめとした仮想通貨取引やICOの全面禁止を実施している中国において、国営メディアがビットコインの潜在的能力を認めたのは今回が初めてだ。
ビットコインが2019年での年初最高値更新や200%の続伸を見せている背景について、仮想通貨データ分析サイトMessari は「ビットコイン相場が初めてグローバル経済に直接関連している」と指摘している。
その上昇に最初に拍車をかけたのが米中貿易戦争による中国元安だったという。
昨日も米トランプ大統領は今週末に大阪で開催されるG20において、「仮に中国側との談合に進展が見られない場合、さらなる関税を科す」と譲らない姿勢を見せたため、米中貿易戦争のエスカレートは中国人投資家のみならず、グローバル経済にも深刻な影響をもたらし得ると不安視されている。
このような経済観点から、新華社通信が逃避資産として使われるビットコインを見直しているかもしれない。