戒厳令の影響か
ウクライナの最大手銀PrivatBankは顧客が法定通貨フリヴニャ(UAH)による暗号資産(仮想通貨)の購入を一部制限している模様だ。業界メディアForklogが報じた。
PrivatBankはウクライナの最大手銀行で2021年9月時点で4,660億UAH(41兆円)相当の資産を運用。PrivatBankの代表はForklogの取材で「利用制限は政府の戒厳令に応える一時的な措置である」と説明したという。
ウクライナ政府は2月24日、ロシアの本格侵攻を受け全土に戒厳令を敷き、今月14日には発令中の戒厳令を4月下旬まで1カ月延長する法案を議会に提出した経緯がある。戒厳令が施行された直後に、一部のウクライナ人ユーザーはLocalBitcoinsでPrivatBankの口座が接続できなくなったことをSNSで報告していた。
また、最大手仮想通貨取引所バイナンスの「バイナンス・ウクライナ」は17日にフェイスブックの公式アカウントで「PrivatBankは、UAHでの仮想通貨取引への対応を停止することになる」と報告。ユーザーがP2Pサービスを利用することを推奨し、他の銀行も同様な措置を取る可能性があると呼びかけた。
一方、ウクライナ国内の仮想通貨取引所KunaのCEOはCointelegraphの問い合わせに対し、PrivatBankの口座を通したUAHでの仮想通貨購入やUAHの出金も正常に稼働している」と話した。全体的状況が定かではないようだ。
金融機関の一時的サービス停止や通貨不安定への懸念を背景に、「有事の仮想通貨」に対する需要は急増しており、一時的にプレミアム(価格乖離)が発生。また、ウクライナ政府や民間組織は人道支援や抗戦支援のために国内外から仮想通貨を集め、その金額が侵攻開始から3週間で約100億円に達するところだ。
また、同国のゼレンスキー大統領は16日、仮想通貨取引を合法化する法案に署名し、仮想通貨取引の合法性が正式に認められるようになった。
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