ビットコイン投資の検討を要求
フロリダ州のJimmy Patronis最高財務責任者(CFO)は29日、同州の年金基金に対し、ビットコイン(BTC)投資の検討を正式に要請した。約2,050億ドル(約31兆円)の運用資産を持つ同州投資委員会(SBA)に対し、2025年3月の立法会期までにビットコイン投資の実現可能性の検討を求めている。
「ビットコインはデジタルゴールドと呼ばれており、州のポートフォリオの分散化と主要資産クラスのボラティリティに対するヘッジとして機能するだろう」とPatronis CFOは書簡で指摘した。
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具体的な投資スキームとして、フロリダ成長基金の枠組みを活用した「デジタル通貨投資パイロットプログラム」の創設を提案。同プログラムは年金基金の資産の1.5%まで投資可能で、2022-23年期には約10億ドルを革新的な高成長分野に投資している。
Patronis CFOは「消防士、教師、警察官の年金運用において、フロリダ州民への最適な投資リターンを確保することが不可欠だ」と強調。新たな投資機会の開拓に向けた州の積極的な姿勢を示している。
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年金基金の暗号資産組み入れの傾向
この動きは、Ron DeSantis知事が進める中央銀行デジタル通貨(CBDC)への反対姿勢と軌を一にする。また、ドナルド・トランプ前大統領が提唱する国家暗号資産備蓄構想とも整合性を持つという。
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米国では既に複数の州で年金基金への暗号資産組み入れが進んでいる。ウィスコンシン州投資委員会は今年5月、運用資産の約0.1%相当となる1.64億ドルをGrayscaleとBlackRockのビットコインETFに投資。ミシガン州も同様の取り組みを開始している。
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