CoinPostで今最も読まれています

通貨発行権は政府に バイナンスが明かす世界的仮想通貨計画「ヴィーナス」の戦略

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「ヴィーナス」、リブラとの競争姿勢を明確化
仮想通貨取引所バイナンスが新たに発表した独自通貨「ヴィーナス(Venus)」について、政府のコントロール化に置かれる仮想通貨とする方針を示していることがわかった。世界政府に訴えかける仮想通貨計画とは。
           

「ヴィーナス」はリブラとの競争姿勢を明確化

仮想通貨取引所バイナンスが新たに発表した独自通貨「ヴィーナス(Venus)」について、政府のコントロール化に置かれる仮想通貨とする方針を示していることがわかった。

ヴィーナスの通貨システムについて、仮想通貨を担保する方法や仮想通貨の発行量は政府が決めることができると、同社のコンプライアンス責任者であるSamuel Lim氏が明かした。中央銀行が仮想通貨の裏付けとなる法定通貨をどの程度金庫に準備しておくかなど、通貨システムの根幹を担うことができる仕組みになるという。

これは、バイナンスは仮想通貨を創造するためのプラットフォームとなるブロックチェーン技術を、政府に提供、ヴィーナスを自社運営する目的ではないことを意味している。

同氏は、これらの取り組みを経て、リブラの強力なライバルになる存在になる可能性もあると見ている。

先月にも、同社CEOのChangpeng Zhao氏が、ヴィーナスはリブラと共存し、助け合う関係にもなるとツイートしたことは記憶に新しいが、Lim氏は「リブラに対する強力な競争相手」になる可能性もあるとの見解を明らかにした。

関連「バイナンスの地域仮想通貨ヴィーナスは規制遵守を最優先」

世界的に、通貨基準が置き換わる可能性が危惧される中で、政府が通貨主権を握れるヴィーナスは、リブラと大きく異なるステーブルコインの仕組みであると説明。

特にインフレ懸念がある発展途上国では、その国の法定通貨ではなく、米ドルを中心に裏付けられるリブラを選ぶのではないかとの見解もあるが、ヴィーナスではそれら発展途上国に新たな付加価値も提供するという。

小さな国の国民や、銀行口座を持たない人々が、モバイルテクノロジーの力で国際的な流動性のプールへと導き、世界市場への橋渡しを実現する。

これらの方針のもと、「ヴィーナス」は最初に欧米諸国以外での発行を予定。バイナンスは現在、主に発展途上国の中央銀行や規制当局に働きかけているという。

通貨主権への脅威とされるリブラ

一方、引き合いに出されたFacebookのリブラは、各国の政府や中央銀行が政府の通貨に対する主権を脅かすのではないかとの懸念を示している。

ヨーロッパでは、フランスのBruno Le Maire財務相は先週「国家の通貨主権は脅威にさらされている」と、リブラのEU進出を阻止する旨の発言をした。

またドイツではリブラやその他ステーブルコインを含む「法定通貨に並行する通貨」を、ドイツで発行することを禁止するというブロックチェーン戦略をメルケル内閣によって9月18日に承認された。

関連独、ブロックチェーン戦略を閣議決定 リブラ含む並行通貨の発行禁止へ

フェイスブックの子会社「カリブラ」のCEOであるDavid Marcus氏は、リブラは現在の通貨を基にした決済のネットワークやシステムをより良くするためのもので、不換通貨のバスケットに支えられているため、中央銀行のお金を生み出す力を奪うことはないと反論した。

しかし現状では、リブラは国家の通貨主権へ対する脅威となるという政府間の認識は、根強い状態にあるようだ。

関連「リブラは国家の通貨主権を脅かすものではない」フェイスブック責任者が反論

FX市場がブロックチェーン上でも再現

また、ヴィーナスの潜在力が発揮されると、従来のFX市場がブロックチェーン上でも再現されるとLim氏は語った。

  • グローバルアクセス
  • 即時流動性
  • 新しい金融商品を(サンドボックス/テストベッドのような管理された環境で)実験する能力

ヴィーナスによって可能になる上の項目は、ある国々にとっては非常な魅力になるという。

バイナンスはすでにアフリカに進出し、ウガンダで取引所が稼働している。

同社は現時点での交渉相手を明言はしていないが、半年以内に、各国政府、中央銀行、および大企業とのパートナーシップを大きく進展させる予定だという。

参考:Coindesk報道

CoinPostの注目記事

米国版バイナンスの取扱銘柄、新たに「7通貨目」の上場が判明
米国で仮想通貨取引所を開始したバイナンスで、当初発表されていた6銘柄に加え新たな通貨の上場が判明した。
仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧