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韓国で活動広げるJelurida、アジア最大のカンファレンスに参加

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Jelurida Koreaが韓国ブロックチェーンウィークに

アーダー(Ardor)チェーンなどの開発で知られるスイスのブロックチェーン企業「ジェルリダ(Jelurida)」が、アジア、特に韓国でのコミュニティ拡大に注力している。韓国におけるジェルリダのプロダクト推進およびビジネス開発をに担っている組織「Jelurida Korea」は、その取り組みの一環として、8月に韓国で開催されたアジア最大のブロックチェーン・カンファレンス「韓国ブロックチェーンウィーク2022(以下KBW)」に参加した。

KBWとは

今年で5回目となる韓国ブロックチェーンウィーク(KBW)とは、アジアで最大規模を誇るブロックチェーンイベントであり、8月7日から14日までの間(サイドイベント含む)、首都ソウルで開催された。

韓国基盤のブロックチェーン企業「FactBlock」およびVC「Hashed」が共同で主催し、同じく韓国のブロックチェーンサービス「Klaytn(クレイトン)」や「Wemix」を初め、ソラナやポリゴン、アバランチなど有名ブロックチェーンプロジェクトが多数スポンサーを務めた。

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基調講演にはイーサリアムの生みの親ヴィタリック・ブテリン氏が登壇し、レイヤー2ソリューションの開発により、ガス代が数円にまで低下する可能性や、ガス代の低下がブロックチェーン普及にもたらす影響などについて語った。ヴィタリック氏の他にも、Animoca Brandsの共同創業者、Yat Siu氏やバイナンスのCEO、CZ氏など、計120人以上の知識人がスピーカーとしてメインイベントに参加。トーク内容はDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)からメタバースやWeb3に至るまで、多岐に及んだ。

関連:イーサリアム共同創設者ブテリン氏、NFTのプライバシー機能を高めるステルスアドレス実装を提案

Jelurida Koreaとは

KBWに参加したジェルリダの韓国支部「Jelurida Korea」とは、韓国でのジェルリダコミュニティ拡大を目指し19年に創設された組織であり、首都ソウルにオフィスを構えている。新型コロナウイルスの流行以前は、韓国国内の大学やコミュニティスペースなどで積極的にミートアップ等のイベントを開催していたが、現在はオンラインコミュニティが主な活動の場となっている。

とはいえ、新型コロナウイルスが落ち着いてきた韓国では、今後オフラインのイベントが増加してくると予想されており、Jelurida Koreaは精力的にそのようなイベントに参加していくという。9月には、韓国最大規模の取引所「Upbit」が開催する開発者向けカンファレンス「Upbit開発者カンファレンス(UDC)」に参加予定だ。

コミュニティ開発のほか、Jelurida Koreaは、ジェルリダが直接開発に関与しているブロックチェーン基盤のトランプゲーム「Bridge Champ」の韓国における普及にも尽力している。

Jelurida Korea代表のKim Cheoleung氏は、KBWについて以下のように述べている。

KBW2022に参加したことにより、ゲームをブロックチェーンの主要なユースケースとして考えている人が、この業界には多数いることが分かった。ゲームでは、お金ではなく楽しむことが重要なのであり、Web3ゲームは、楽しくなければ成功できない。コントラクトブリッジ(Bridge Champの基になっているトランプゲーム)では、ボットが対戦相手だったとしても、オンラインプラットフォームに課金するユーザーもいるほどだ。この点から考えると、私はBridge Champの成功に期待している(略)。

    

関連:JeluridaのP2Eトランプゲーム「Bridge Champ」とは

韓国のブロックチェーン市場

韓国市場に注目しているのはジェルリダだけではない。韓国は近年ブロックチェーン業界が著しい発展を遂げている国の一つだ。韓国の政府機関「韓国金融情報分析院(KoFIU)」の調査によると、21年末における仮想資産市場の時価総額は約55兆ウォン(約5兆6,000億円)で、平均で一日に11兆ウォン(約1兆)以上のトランザクションが行われている。

特にメタバースへの関心が高い韓国では、国家も開発を後押ししており、22年2月には、韓国の行政機関「科学技術情報通信部」が、メタバース分野へ1億8,500万ドル(約210億円)を投資することを発表した。

関連:韓国、メタバースのエコシステム構築に約210億円投資へ

仮想通貨の規制に関しては、文在寅政権下で半数以上の国内取引所停止ICO(イニシャル・コイン・オファリング)禁止など、厳しい体制が敷かれていた韓国だが、22年5月に規制緩和派の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が大統領の座に着いたことにより、その様相は大きく変化するのではないかと言われている。

具体的には、21年11月に大統領選を見据えてか上述のICO禁止の見直しが検討され、さらに今年7月には、23年に施行が予定されていた、年間250万ウォン(約25万円)を超える仮想通貨収益への20%課税が、25年にまで延期されることが決定。この決定は、仮想通貨を規制する明確な基準がまだ存在していないことが理由の一つだという。また尹政権は23年までに、NFTからICOに至るまで、あらゆるデジタル資産の取り扱いを規制する包括的な法律「デジタル資産基本法(Digital Asset Basic Act)」の導入を予定しているという。

尹大統領は仮想通貨に対して寛容な態度を示している一方、22年5月に起こった韓国発のステーブルコイン・プロジェクト「テラ(Terra)」の価格暴落騒動により、規制が強化される可能性も示唆されている。

関連:テラUSD(UST)のディペッグ騒動 Terraform Labs社や取引所の対応まとめ

Jelurida Korea代表のKim Cheoleung氏は韓国市場の今後について、以下のように述べている。

(略)Web3が今後の重要なキーワードとして認識されているだけでなく、韓国政府も規制撤廃を検討している。現在はDeFiやNFTなど、トークンエコノミーを有するプロジェクトがトレンドだが、最終的にはブロックチェーンが我々の生活に非常に密接なものとなり、エンドユーザーがトークンを保有せずともブロックチェーンを利用できる時代がやってくるだろう。

    

Jeluridaの共同創設者であるLior Yaffe氏は、韓国市場について次のようにコメント。

我々は、韓国市場を暗号通貨とdAppsにおける世界で最も進んだ市場の1つであると見ています。私たちは、Jelurida Koreaと緊密に連携し、当社のブロックチェーン技術ArdorとP2E(Play-to-Earn)のプラットフォームである「Bridge Champ」の普及に努めています。

    

関連:「日本でのプレゼンス拡大を目指す」Jelurida共同創設者にインタビュー

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