WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

2023年のビットコイン市場を重要ニュースから振り返る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2023年のビットコイン市場を振り返る

2023年、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)は160%以上の成長を遂げ、投資市場における新たな地位を確立した。この年は、主流投資家の関心が高まる中、ビットコインを含むデジタル資産市場に大きな動きが見られた。

経済全体の不透明な状況の中、ビットコインは他の主要株式と異なる動きを示し、市場の連動性にも変化が見られた。Kaikoの分析によれば、上半期はビットコインの価格動向は株式市場と無相関に動いたが、夏以降は相関している。この変化は、ビットコインが従来の金融資産とは異なる独自の特性を持ちつつも、より広範な市場動向との関連性を示し始めたことを意味する。

BTC対円チャート、Nasdaq指数(オレンジ) 出典:トレーディングビュー

本記事では、この変革の年を迎えたビットコイン市場の主要な出来事とトレンドを振り返る。

1月:米国の債務問題浮上

2023年1月、米国政府の債務が法定上限である約31.4兆ドルを超え、債務不履行(デフォルト)回避のため特別措置が講じられた。加えて、3月にはシリコンバレー銀行とシグネチャーバンクの破綻が発生し、これがビットコインの「安全な避難所」としての評価を高める一因となった。ビットコインの非中央集権的な性質が国家情勢との分断を可能にし、株式など他の金融資産との相関性が低いと見なされる場合がある。

なおジョー・バイデン米国大統領は2023年6月3日に「財政責任法案」に署名し、連邦政府の債務上限(現在は31兆4,000億ドル)の適用を2025年1月1日まで一時停止した。

関連:「Xデー」迫る米債務上限問題、考えられるシナリオとその影響

2月:ビットコイン版NFT「Ordinals」ローンチ

ビットコインブロックチェーン上でNFTのようなデジタル資産を作成する新機能「Ordinals(銘文)」がローンチされ、ビットコイン上に新たなユースケースをもたらした。

従来のNFTとは異なり、メタデータファイルが存在しないため、ブロックスペースに直接Calldataを埋め込むことで、NFTの構造を実現し、読み込みはオフチェーンツールに依存する。

Ordinals(銘文)ブームは拡大。2023年後半にかけて、イーサリアム仮想マシン(EVM)ブロックチェーンでも同様の動きが急増した。NFTよりも発行手数料が安いことが理由だ。ビットコインだけでなく、Avalanche等の各チェーンでネットワークトランザクション手数料が急上昇する影響が出た。

関連:「アルトコインシーズン」到来か、ミームコインBONKやORDI、PoW系のKAS等が記録的な上昇を遂げる

3月:米国の銀行危機

米国カリフォルニア州の当局によるシリコンバレー銀行(SVB)の閉鎖からわずか2日後、米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)も、預金者保護を目的としてシグネチャー銀行(Signature Bank)の閉鎖を実施した。これは個別の金融機関への救済ではなく、システム全体のリスク発生を回避するための緊急措置である。

米サークル社(Circle)が発行する米ドル連動型ステーブルコインUSDCは、シリコンバレー銀行に保管されていた約4,450億円に相当する電信送金が処理されない状態に陥り、これが流動性の問題を引き起こした。結果として、USDCの市場価格は基準値を10%下回る「ディペッグ」現象を引き起こし、市場全体に信用不安を拡大させた。

関連:米シグネチャー銀が閉鎖、相次ぐ銀行破綻で仮想通貨業界への影響も

4月:欧州でMiCAが承認される

欧州議会が、仮想通貨に関するEU全域の規制統一を目指す「MiCA(Markets in Crypto-Assets)規則」を承認した。これにより、仮想通貨の安全性と透明性が強化され、消費者保護の向上が期待される。

MiCA規則は「Market in Crypto Assets」の略で現行のEU法に規制されていない仮想資産の規制を統一化し、ユーザーや投資家を保護することを目的としている。ステーブルコインやその他のデジタル資産取引の規制に重点を置いており、ライセンス制度や消費者保護要件などを定めている。

関連:欧州議会がMiCA規則を承認、仮想通貨に関するEU全域の規制統一へ

6月:SECがバイナンスとコインベースを提訴

6月初旬、米証券取引委員会(SEC)が海外の主要な暗号資産(仮想通貨)取引所であるCoinbaseとBinance USらを証券法違反の疑いで相次いで訴えた。Coinbaseは、SECの決断が「恣意的で衝動的である」と非難。裁判所に対し、SECにルール作りを指示するよう求めている。

6月17日、Binance.USとSECは、取引プラットフォームの全資産凍結を回避することで合意に達した、23年12月現在もSECとの係争は続いている。

関連:6月:バイナンスとコインベースのSEC訴訟|仮想通貨規制の現状と業界の反応を整理

6月:香港、認可された仮想通貨取引プラットフォームを開設

6月1日から、香港政府が新しい仮想通貨取引所の規制を施行、特定の条件を満たしたプラットフォームへのライセンス付与を開始した。個人投資家にも仮想通貨取引を認めるが、ライセンス制を導入するなどして投資家保護を徹底する。

関連:香港、仮想通貨取引所の新ルールを6月から施行 上場可能な銘柄などを規定

6月:ブラックロック、BTC現物ETFを申請

6月以降、ブラックロック、インベスコ、フランクリン・テンプルトンなど多くの金融機関がビットコイン現物ETFの申請を提出。特に、ブラックロックは575件のETF申請を行い、そのうち1件を除いてすべてSECからの承認を受けており(2023年6月現在)、その高い承認率に期待が寄せられている。

関連:上場投資信託「ビットコインETF」とは|ブラックロックの申請が注目される理由

7月:リップルラボ対SECの判決

米国の連邦地裁アナリサ・トーレス判事は7月13日、2020年12月に米SECが提起したリップル社とその仮想通貨XRPに対する訴訟について、仮想通貨取引所での一般投資家へのXRPの販売は、有価証券とは見なされないという判決を下した。さらに10月に米SECは、リップル社のブラッドリー・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)とリップル社の元幹部クリスチャン・ラーセン氏に対する告発の棄却を裁判所へ申し出た。

関連:米SECが提訴した「リップル裁判」まとめ(20年12月〜23年10月)

7月:米下院委員会、仮想通貨に関する重要法案を提出

米下院共和党の五人の議員が、暗号資産(仮想通貨)分野における規制の明確化を目指す法案を正式に議会に提出した。「CFTC(商品先物取引委員会)とSEC(証券取引委員会)の双方に席を与え」、仮想通貨業界が求めている明確な原則の確立を目的としたものだ。

関連:規制の明確化を目指す仮想通貨法案提出

8月:グレースケールがSEC訴訟に勝利

大手暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケール・インベストメンツが、Grayscale Bitcoin Trust(GBTC)を現物型ビットコインETFに転換する申請において、米SECとの法的紛争で勝利を収めた。この勝利がSECのビットコインETFに関する判断基準を変更するきっかけとなった。

裁判所は意見書の中で、「ビットコイン現物ETFとビットコイン先物ETFは類似した金融商品でありながらも、SECの判断基準が大きく異なることは説明不足かつ恣意的である」と断じ、ETF転換を拒否するSECの決定に対するグレースケール側の“異議申し立て”内容を認めた。

関連:SEC控訴せず グレースケールのビットコインETF転換訴訟で

10月:ブラックロック、BTC現物ETF申請で重要な進展

米SECが複数のETF発行事業者と継続的に対話を重ねていることが判明。状況証拠から、アナリストの間でビットコイン現物ETFの承認確立が高まる。ブラックロックはSECとの協議をもとに、申請書に修正内容を加え始めた。

関連:「2024年1月のビットコインETF承認を予測」Bloombergアナリストの見解の根拠とは?

10月: BTCドミナンス30か月ぶりの高値(54%)

関連:ビットコイン上昇一服でアルトコインに資金流入、BTCドミナンスやや低下

11月:Binance.comが米国撤退

Binanceは11月と12月に、米司法省(DOJ)及び商品先物取引委員会(CFTC)と和解するために数十億ドルの罰金を支払い、同国から撤退した。ただし、Binance USは、米国市場から撤退する予定はない。

関連:海外版バイナンスがCFTCと和解、罰金とコンプライアンス体制強化へ

関連:バイナンスと米司法省の和解やCZ氏の退任について、SECクリプトママやコインベースCEOがコメント

11月:米金利上昇サイクルが一服

11月に入り、世界的な利上げサイクルが一時的に停止。米連邦準備制度理事会(Fed)は、10月31日から11月までの政策期間終了時に、翌日物基準金利を5.25%から5.50%の範囲で安定させることを決定。この決定は、インフレの鎮静化に伴い、世界中の中央銀行が追加利上げを控える状況を反映している。この状況は、来年には金融緩和が開始されるとの期待を高め、ビットコイン市場を後押しした。

関連:仮想通貨ソラナ50ドル台復帰 追加利上げ懸念後退で米国株反発|11日金融短観

12月:マウントゴックス 返済開始

2014年に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所であるマウントゴックス(Mt Gox)に関して、債権者への現金部分の弁済の進展が見られる。

マウントゴックス再生管財人は、141,686 BTC、142,846 BCH、および69.7億円の現金を含む債権者への返済を、2024年10月31日までに完了する必要がある。この返済期限は、元々2023年10月31日だったが延期された。2023年11月30日時点で、これらの仮想通貨は約52億ドル相当と見積もられており、今後数ヶ月間に渡って分配される可能性がある。

再生管財人は、既に債権者への現金支払いを開始しており、1人当たり20万円が支払われている模様。さらに、現金での完全返済を選んだ債権者に対応するため、信託管理者は一部の仮想通貨を売却する必要が生じる可能性がある。

関連:マウントゴックスから返済開始か、SNSで報告される債権者へ現金弁済の事例

2024年ビットコインはさらに拡大へ

2024年には、ビットコインの現物ETF(もし承認されれば)が新たな投資層への資金流入の道を提供すると期待される。また、4月に予定されるビットコインの次の半減期はトークンの希少性を高め、供給と需要の技術的な側面を改善することでBTC価格の上昇が予想されている。

ビットコイン投資の始め方はこちらをチェック

様々な仮想通貨を購入したい方は、取引所別の取り扱い銘柄を確認してみてください。

ビットコインETF特集
Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/06 火曜日
14:25
三井住友銀など9社、STセカンダリー取引でDvP決済を実証完了
三井住友銀行・大和証券・SBI証券など9社が、ST二次流通取引でステーブルコインを活用したDvP決済の実証「Project Trinity」フェーズ2を完了。T+2のDvP決済の実現可能性を、法務・技術・業務運用の3面で一定程度確認した。
14:00
ZachXBT、ラザルス関連の中国系犯罪シンジケートに顧客を装い潜入丨Bybit事件関連の資金経路を特定
独立系アナリストのZachXBT氏が、ラザルスの盗難資金を洗浄した中国系グループに顧客を装って潜入。累計10億ドル超の洗浄に関与した組織と、Bybit事件のウォレットを特定した調査内容を解説する。
13:42
SBI証券ら9社、ステーブルコインでSTトークンの同時決済──実現性を一定程度確認
SBI証券と大和証券を含む9社は6日、ステーブルコインを使ったセキュリティトークンの同時決済の業務運用検証が完了したと発表した。証券会社間での決済の実現可能性を一定程度確認し、制度・市場の整備動向を注視しながら今後の対応を検討する。
13:15
東アジアの仮想通貨経済、日本が2位 分散型取引所の利用が盛ん=チェイナリシス
チェイナリシスが東アジアの仮想通貨市場を分析。市場規模は韓国が首位で、日本、香港、中国と続いた。韓国ではAIトークン、日本はDEX、中国はP2Pの動きが注目されている。
13:00
米上場ストライブ、266億円相当ビットコイン購入──世界5位に
ストライブは5日、2,000BTCのビットコインを1億6,900万ドルで購入し、総保有量が2万9,462BTCのビットコインになったと発表した。購入資金の61.5%は優先株の販売で調達した。
11:04
米財務省、仮想通貨と偽慈善団体でハマスに送金した資金網を制裁
米財務省外国資産管理室は2日、偽の慈善団体と仮想通貨でハマスに200万ドル超を送金していた個人・団体5者を制裁対象に指定した。対象者の米国内資産は凍結され、米国人との取引は原則禁止となる。
10:15
クラーケン親企業ペイワード、一部の機関投資家向けに24時間決済を開始
仮想通貨取引所クラーケンの基盤を担うペイワードが、シンガポール・ガルフ・バンクとの提携で24時間・週7日の即時決済を可能にした。決済は米ドル建てで一部顧客向けに始まり、対象は順次広がる計画だ。
10:00
JPYSC用いた日本初「ステーブルコイン普及債」、年利5.0%で募集開始
日本初「ステーブルコイン普及債」が10月6日から募集開始。円建てステーブルコインのJPYSCで利払いと償還を行う自己募集型デジタル社債で、年利5.0%、一口10万円。発表会と個別取材から、仕組みと制度課題、今後の展望を報じる。
09:50
欧米富裕層のデジタル資産投資実態、2月の急落で投資意欲上昇=コインシェアーズ調査
ビザの調査でアジア太平洋の消費者の46%が5年以内のステーブルコイン利用に前向きだった。コインシェアーズ調査では米欧7市場の富裕層投資家の過半数がデジタル資産を保有している。
09:10
ビットコイン、上昇上位15日を除くと3年間11%の損失に=グレースケール分析
グレースケールは5日、ビットコインの3年間の累積リターンが上昇率上位15日を除くと約225%から11%の損失に転じるとするレポートを公表した。投資を見送って価格変動の落ち着きを待つことにも機会損失が生じるとの見方を示した。
08:15
米上場DeFiデベロップメント、1株あたりのソラナ保有量が2桁増の見込み
米上場企業DeFiデベロップメント(DFDV)は5日、ソラナ保有量が8月12日以降に約11%増加したと発表した。9月末の1株あたり純資産価値は8月比で100%超増える見込みで、優先株の初回配当も支払った。
07:30
ジーキャッシュ、次期アップグレード『NU7』をテストネットで稼働
ジーキャッシュが5日、次期アップグレード「NU7」をテストネットで稼働させた。ブロック生成間隔は75秒から25秒に短縮され、取引手数料の60%を準備金に積み立てる新制度も導入される。メインネットでは11月5日前後の実行を目標としている。
07:00
ビットマイン、1.5万ETHを追加購入|供給量5%目標に99%到達
ビットマインは5日、直近1週間で1万5,112ETHのイーサリアムを購入したと発表した。保有量は602万ETHのイーサリアムとなった。
06:34
米財務省、仮想通貨ミキシング規則案を撤回 正当な活動を妨げる懸念で
米財務省傘下の金融犯罪取締ネットワークが、2023年10月提案の仮想通貨ミキシング報告義務付け規則案を撤回すると通知した。定義の広さが正当な活動を萎縮させかねないとの懸念を踏まえた判断で、金融機関の既存の義務に変更はない。
06:10
米CFTCとSEC、ビットコインやイーサリアム・XRPを原則証券でないと共同解釈
米商品先物取引委員会のセリグ委員長は5日の講演で、個人向けレバレッジ仮想通貨取引を扱う取引所に、連邦登録の新区分「仮想通貨市場」を設ける枠組みを示した。州免許か連邦登録かを選べる仕組みで、準備金証明の義務化案も含む。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧