CoinPostで今最も読まれています

日本人起業のイーサリアムL2のINTMAX、「Plasma Next」のメインネットαを発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

スケーラビリティ向上へ取り組む

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2(レイヤー2)プロジェクト「INTMAX(イントマックス)」を開発するRyodan Systems(リョダンシステムズ)は25日、新たなzkロールアップ・テクノロジー「Plasma Next」のメインネットαを発表した。

イーサリアムのスケーラビリティ(拡張可能性)を次のレベルに引き上げる、ステートレス・レイヤー2ロールアップになると見込まれている。

リョダンシステムズの共同創業者で、Plasmaのリサーチャーである日置玲於奈氏は、米国で開催中のイーサリアム会議「ETHDenver」で「Plasma Next」についてプレゼンテーションを行った。

日置氏は、京都大学工学部在学中にIPA Security Campに入賞。セキュリティプライバシーやNFT(非代替性トークン)による権利証明を応用したサービスなどにも取り組んできた。「INTMAX」は2022年、イーサリアム財団からのグラントも獲得している。

zkRollupとは

ゼロ知識証明を導入したロールアップ技術のこと。ロールアップとは、メインのブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部をオフチェーンで処理することにより、ネットワークの混雑解消を図る技術を指す。

▶️仮想通貨用語集

関連: スケーリング問題の打開策「ロールアップ」とは|仕組みや注目点を詳しく解説

「Plasma Next」とは

Plasmaは元々、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏らが2017年に提案していた。

Plasmaサイドチェーンにより、ほとんどのネットワーク上アクティビティをオフチェーンで実行し、定期的なプルーフのみをイーサリアムのメインチェーンに送信することで、ネットワークのデータ処理機能を向上させようとするものだった。

ただ、ユーザーがネットワークを常に監視したり、資産の引き出し時に7日間待機する必要があることなど、導入の上ではネックとなる要件があり採用は進まなかった。

その後、代わりにゼロ知識証明を使用してセキュリティを向上させるzkロールアップが台頭した経緯がある。

今回発表された「Plasma Next」は、Plasmaとロールアップの両方の長所を組み合わせたソリューションとなる。主に「ステートレス・アーキテクチャ」と「条件付き支払いを行うゼロ知識証明」が特徴だ。

まず、ユーザー残高などシステムのステート(状態)に関するストレージを廃止。ユーザー残高や取引データはローカルに保存され、バリデーターはブロックのヘッダーとプルーフのみを保持することになる。

このため、大量のデータを保存する必要がなくなり、システムの規模を拡大しやすくなる格好だ。

次に、zk(ゼロ知識)証明により、取引が一つのブロック内で確定することを保証。ユーザーがネットワークを監視したり、資金を一定期間ロックアップする必要をなくしている。

こうした機能により、「Plasma Next」は、ユーザー数に関係なく、ブロックあたり一定のコストで拡張できるレイヤー2を実現した。

なお、リョダンシステムズは2023年、シードラウンドでHashKey Capital、Scroll、前澤友作氏のMZ Web3ファンド、Alchemy Venturesらから、約6.5億円の資金を調達している。

この際、日置氏はイーサリアムL1のガス代(手数料)高騰などを解決し「すべての人に財産権を与えること」をブロックチェーン本来の姿として目指していきたいと述べた。

関連: zkRollupプロジェクト「Intmax」、シードラウンドで約6.5億円の資金を調達

関連: イーサリアム「Dencun」、メインネット実装予定日が3月13日

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/10 金曜日
18:29
SBIとチリーズ、スポーツファントークンで提携
SBIデジタルアセットホールディングスとChilizが戦略的パートナーシップに関する基本合意を締結。日本で合弁会社を設立し、スポーツファンにファントークンを提供する。
18:26
L2 Blastチェーン基盤の分散型取引所「DTX」とは トレーダーの優位性を解説
暗号資産(仮想通貨)デリバティブトレーダーの間で関心の急増する分散型取引所「DTX」のメリットや優位性を解説。DTXはイーサリアム(ETH)レイヤー2のBlast(ブラスト)チェーン基盤であり、DTX Fuelによるエアドロップも示唆されている。
18:10
NTTドコモ、新会社設立でWeb3・AI事業など強化へ
株式会社NTTドコモは2024年7月に新会社「NTTドコモ・グローバル」を設立する計画を発表。NTT Digitalも傘下に集約し、Web3やAIを活用したグローバル事業を強化する。
14:48
バイナンス、大口顧客DWF Labsによる市場操作報道を否定
大手仮想通貨取引所バイナンス(グローバル版)は、ウォール・ストリート・ジャーナルが報道した、同社のVIP顧客DWF Labsによる市場操作と内部調査に関する疑惑を強く否定した。
12:43
ビットコインなど仮想通貨相場反発、ビットバンク関連会社のセレスがストップ高
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコイン(BTC)が反発、株式市場では大手取引所ビットバンク(bitbank)を持分法適用関連会社にするセレスの決算が好感され株価がストップ高となった。
11:30
米仮想通貨大手DCG第1四半期決算 売上高が前年比51%増
仮想通貨コングロマリット企業DCGは2024年第1四半期(1~3月)の決算を発表した。連結売上高が前年同期比51%増の約356億円に達している。
10:25
米SECの審査で、仮想通貨ウォレット企業の株式上場が延期
仮想通貨ウォレットのスタートアップ企業Exodus Movementは、米SECのためにNYSE Americanへの株式上場が遅延していると発表した。
09:45
リップル社、DeRecの創設メンバーに参加
リップル社とXRPL Labsは、仮想通貨や個人情報に関する取り組みを行うDeRec Allianceの創設メンバーに加わった。これからユーザー体験を簡素化し、Web3の普及に取り組んでいく。
08:20
米マラソン、1Qに270億円相当のビットコインを採掘
マラソンの純利益は、仮想通貨ビットコインが3月に過去最高値を更新し73,000ドルまでに到達のこともあって前年同期比で184%増の3.372億ドルに押し上げられた。
07:15
ロビンフッドCEO、米SECと争う姿勢示す
米国が仮想通貨へアクセスできるように守っていくとロビンフッドのCEOが発言。同社は米SECからウェルズ通知を受け取っており、争う姿勢示している。
06:45
バイナンスやOKX、TON基盤「Notcoin」のマイニング開始予定
仮想通貨Notcoinとは、「タップして稼ぐ」のトークンマイニングの仕組みを通して、多くのテレグラムユーザーをWeb3に取り込む目的のバイラル・ゲームだ。
06:12
カナダ当局、バイナンスに6.8億円の罰金
仮想通貨取引所バイナンスについては昨年11月アメリカで財務省と和解しており、マネロン対策と制裁法違反で合計43億6,800万ドルの罰金を支払うことになった。また、退任したCZ氏は先月末に懲役4か月の判決が下された。
05/09 木曜日
18:49
TOKEN2049で注目を集めたCoinW、セキュリティと透明性へのコミットメント
豪雨の中、8000人以上が参加したTOKEN2049で、CoinWが安全性と透明性をテーマにブランド力を際立たせた。有識者パネル等を通してプロモーション展開に注力し、世界をリードする暗号資産(仮想通貨)取引所としての地位を固める。
18:45
Astar zkEVM「Yoki Origins」NFTミントが150万枚突破、ユーザー基盤は月間100%増
Astar Networkが提供するイーサリアムレイヤー2「Astar zkEVM Powered by Polygon」のローンチに合わせた「Yoki Origins」キャンペーンでNFTミントが150万枚を突破。ユーザー基盤も月間で100%増加し、5月31日のフィナーレに向け盛り上がりを見せている。
15:00
米下院、SECによる仮想通貨保管のガイドライン覆す決議案を可決
米国連邦議会下院は、議会審査法に基づき、証券取引委員会が発行した仮想通貨の保管に関する会計公報121号(SAB121)を覆す決議案を可決した。ホワイトハウスはこの決議案に拒否権を行使すると警告した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア