CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨やブロックチェーンは金融業界をどのように変えるのか? 英格付け企業が将来性を語る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Weiss Ratings評価員が仮想通貨の未来を語る
Weiss Ratings仮想通貨格付け(Weiss Cryptocurrency Ratings)に勤める、計量経済学者であり数学者のJuan M. Villaverde氏は、「分散型台帳技術は、金融業界やトレードの方法を大きく変えるようなポテンシャルを秘めている」などと、それら技術の将来性を語った。

Weiss Ratings評価員が仮想通貨の未来を語る

Weiss Ratings仮想通貨格付け(Weiss Cryptocurrency Ratings)に勤める、計量経済学者であり数学者のJuan M. Villaverde氏は、仮想通貨メディアCryptoGlobeの取材に応じ、仮想通貨市場の将来などについて言及した。

同氏は、現在の仮想通貨市場に対して、「混沌としており、主要な仮想通貨取引所の大半は、機関投資家が参入するために必要とされる透明性が確保されていない」と指摘、一方で将来的には、仮想通貨市場の成熟とともに、いずれ機関投資家が参入する条件が整うだろうとする見解を明らかにした。

分散型台帳技術に関して

Villaverde氏は、「将来、仮想通貨が、法定通貨をベースとした既存の資産と同じように取引が行われるようになると思うか。」との問いに対して、以下のように答えている。

必要とされるツールは、まだ開発されていないと思うが、それでも絶対に可能だ。

伝統的なアセットと仮想通貨をシームレスに行うための鍵の一つに、「中央集権」がある。

既存の取引所は中央集権化されており、既存のサーバークライエントというインフラ構造と、仲介業者による複雑なウェブに依存している。

仮想通貨に関して言えば、そうしたシステムと同じ効率性を備えた、強固な分散型台帳技術が登場し、場所に関係なく、どこからでもインターネットを通じて簡単にマーケットに接続できるようなものが台頭するところを見たい。

(既存のアセットのような、仮想通貨のシームレスな取引を)実現させるためには、基本的なプロトコルや技術が発展する必要性がある。

そうした状況が生まれるまでには、まだ最低でも5年はかかるだろう。ただ、ビットコインのライトニング・ネットワークのような、ただセカンドレイヤーのプロトコルも鍵となっている。分散型台帳技術は、金融業界やトレードの方法を大きく変えるようなポテンシャルを秘めているが、まだその初期段階だ。

分散型台帳技術は現在のところ、既存の技術に比べると、スピードも遅く、効率も悪い。これは黎明期のインターネットにも言えることで、その技術が未熟だったころは、ろくに電話をすることもできなかったが、技術の進歩とともに、最終的には既存の電話技術にとって代わり、インターネットが音声によるコミュニケーションのプラットフォームとなった。

このように、仮想通貨・ブロックチェーン技術の発展はまだ追い付いていないが、いずれ成熟を迎え、広く使われるようになるだろうとの見立てを明らかとした。

ブロックチェーンのユースケースとは

「考えられるブロックチェーン技術の主なユースケースとは何か」との質問には、以下のように答えた。

私の考えでは、この技術は金融と取引の世界で大きな変革をもたらすと見ている。銀行業から取引にいたるすべてにおいて、取引可能な資産にブロックチェーン技術は大きな影響を与えるだろう。

コストダウンが見込まれ、最終的にはゼロにまで抑えられる可能性も考えられるため、株を発行するための障壁が下がるだろう。

借り手が貸し手と直接やりとりが出来るようなレンディングサービスや、現実世界のアセット(美術品や土地、貴金属など)を電子的な世界で広く扱うサービスなどが現れることも考えられる。

この技術が金融業界に与える変化はすごいものだ。買付選択権や土地の一部をボタン一つで、ものの数秒で売却できるような世界が訪れるかもしれない。

同氏は、上述したコンセプトは新しくはないものの、既存の技術と違って、DLTはそれらアイデアを実現することが可能だと強調した。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

リップル社に対する集団訴訟、今後の流れや日程感が判明|仮想通貨XRPの証券問題巡り
北カリフォルニア区米国地方裁判所のHamilton裁判官は先日、リップル社に対する仮想通貨XRPの有価証券問題の集団訴訟に関して、これからの大まかな流れを開示した。
藤巻議員、金融庁の仮想通貨関連法案に関して税務当局に要望を依頼
金融庁から暗号資産関連法案の説明を受けた藤巻健史議員が、「イノベーション推進の観点であれば仮想通貨税制が阻害している」と改めて主張。税務当局にも働きかけた。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/15 火曜日
17:00
米大統領候補ハリス氏が暗号資産規制に言及 枠組みの支持と投資家保護を明言
米民主党大統領候補ハリス氏が仮想通貨投資家保護を表明。黒人男性有権者の支持獲得を狙う政策の一環として提唱された。
16:30
メタプラネット、10億円のビットコイン追加購入
本日ストップ高を付けたメタプラネットは、10億円分のビットコインを買い増し、保有量855 BTCに達したことを発表した。米国ETFへの資金流入や大統領選などの影響でビットコイン価格が上昇している。
16:01
米ビットコインETFに5億ドル超の資金流入 、6月以来の高水準
米国ビットコイン現物ETFに6月以来最大となる、5.5億ドルの純流入額を記録した。2024年第1四半期の平均ペースに迫る勢い。フィデリティがけん引した。
15:44
テザー社、コモディティ取引と伝統型金融に進出検討 新たな融資サービス構想も
ステーブルコインUSDT提供元テザー社が、コモディティ取引と伝統型金融分野への事業拡大を模索。新たな融資サービスの可能性も。
15:36
米国選挙情勢の政治的変化により、仮想通貨投資商品に600億円超の資金流入=コインシェアーズ
大手資産運用会社コインシェアーズは、最新週次レポートで、仮想通貨投資商品への流入が先週、608億円に急増したと報告。金融政策の見通しよりも、投資家が米国選挙の影響をより強く受けている可能性が高いと指摘した。
13:17
イーサリアムのステーキング要件緩和とバリデータ分散化を提案 ヴィタリック氏
ヴィタリック・ブテリン氏が提案するイーサリアムのステーキング革新案を解説。最低要件を32ETHから1ETHに大幅に引き下げ、取引確定時間を12秒に短縮する「SSF」が含まれる。
12:53
ビットコイン上昇で一時66500ドルに、ポリマーケット大統領選予想のトランプ優勢も追い風か
NYダウが過去最高値を更新する中、暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインが力強く上昇した。分散型予測市場ポリマーケットでは、大統領選予想でハリス氏をトランプ氏が逆転リードしている。
10:57
上場企業Samara、ビットコインの買い増しを計画
仮想通貨ビットコインの買い増しなどを行うために、上場企業Samaraは社債を発行して最大49億円を調達する計画であると発表。同社のビットコイン所有量や買い増しの目標数量も明らかになっている。
10:37
BTC価格データ、グーグル検索で表示されない現象が発生
グーグル検索のプラットフォームで、ビットコインと一部の仮想通貨の価格やチャートが表示されなくなったことが関心を集めている。グーグルに理由を確認しているメディアもあるようだ。
10/14 月曜日
14:52
ヴィタリック・ブテリン、自身のウォレットに送られてきた大量のミームコインを売却
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が再びミームコインを大量売却。慈善団体への寄付が予想されている。
14:41
アバランチ基盤のWeb3ゲーム「Off The Grid」、Epicストアで一位に
アバランチのサブネット基盤のWeb3ゲーム「Off The Grid」がEpicストアで一時首位になった。Gunzilla Gamesが開発している。
10:00
ビットコインと金価格上昇のシナリオ、大統領選と『通貨価値切り下げ取引』を紐解く
JPモルガンが通貨価値下落取引の継続を予測。ビットコインと金への影響、米大統領選の結果次第で強まる可能性。地政学リスクへの反応の違いも分析する。
10/13 日曜日
14:00
今週の仮想通貨市場、主要アルト材料まとめ XRPの現物ETF申請やSUI価格上昇背景
ビットコイン、イーサリアム、XRPなどの主要仮想通貨の週間騰落率と最新材料をまとめて解説。アバランチ財団のLFGからのAVAX買い戻しや、SUIの取引高急上昇にも注目。
11:30
利下げ期待後退でビットコイン軟調、市場の関心は再びインフレに|bitbankアナリスト寄稿
10/5(土)〜10/11(金)の仮想通貨相場 国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。 目次 ビットコイン…
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTC8万ドル到達の条件に高い関心
今週は、Bitwise幹部やGlassnodeによる仮想通貨ビットコインの相場分析に関するニュースや、アイルランド当局が押収したビットコインにアクセスできないことを報じた記事が最も関心を集めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア