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ネム20%高騰:補償レートによる2.5倍のXEM買い戻しの期待が価格を後押し

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下落基調にあったXEMが高騰
XEMは、1月中旬から3月8日にかけて断続的な大幅下落を観測した後、コインチェックの発表以降に一転して大きな反発を見せています。3月12日のコインチェックによるXEM補償対応が価格を後押し、約37円から44円まで価格上昇、1日で約20%(最大)の高騰を記録しました。

ネムは、3月8日まで大きな下落を記録した後、大きな反発を記録。

3月12日のコインチェックXEM補償対応が価格を後押し、約37円から44円まで価格上昇、1日で約20%(最大)の高騰を記録しました。

3月19日に迫る「G20」の行く末も注目される中、XEM以外の仮想通貨市場全体としては軟調な動きに留まっています。

CoinCheckの補償が大きく関係か

580億円相当にも及ぶ、CoinCheck社からの不正流出事件が発覚以降、継続的な下落を観測していました。

580億円にも及ぶ金額が売りに出される売り圧力や、CoinCheck社による補償対応までの時間が長引いたことで、大きな売り材料となってしまいました。

ただし、仮想通貨XEM自体に欠陥などの問題点があったわけではないため、解決したことで状況の好転が期待されていた節があります。

CoinCheck社は3月8日、2度目の業務改善命令を受けたものの、過去2回と一転して前向きな記者会見を行い、仮想通貨取引の開始とXEMの補償時期に関しての日程として、「3月11日の週」を目処にした対応を発表していました。

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実際に、週明けとなる12日には、仮想通貨と日本円の売却と出金を順次開始、対象ユーザーに対してあらかじめ告知していた「補償レート」を元に日本円での返却を実施しました。

重要なポイントは、当時の補償レートと補償された12日のXEMの価格差です。(内容は以下の通りです。)

  • 補償固定レート:88.549円
  • 補償時(12日最低価格):36.1円

補償レートとして発表された後、仮想通貨市場の流動性低下や規制強化ニュースなどによる投資家心理の悪化などで、さらに大きく下落したため、開いた金額差は、52.4円となり、価格倍率は実に2.5倍に相当します。

盗難直後の発表では、強制的な利確に関して批判の声が多発していたものの、長期ホールドで放置する投資方法を選択している投資家などは、その後のさらなる下落率を見て、88.549円で補償されることに対して安堵した方も少なくないと思われます。

税金の概念を抜きにして考えた場合、最大で2.5倍近くのXEMを増やす機会となるため、ポジションを買い戻す動きが期待されることから、今回の返金補償が好材料として捉えられ、高騰に結びついたと考えられます。

前述した通り、XEM自体に問題はないことから、投資家心理の改善による影響も考えられますが、仮想通貨市場全体が軟調な動きの中でのNEMの逆行高は、買い戻し需要の期待感が伺えることは間違いないでしょう。

XEM強制利確の税金は?

XEMの強制利確の税金に関しては、コインチェックの記者会見にて『国税庁と協議中である』と発表されています。

投資家の意思に反する状況での、利確に対する税率の正式発表も、今後の焦点となるでしょう。

強制利確時では、すでに今年(2018年)に入っていることで来年(2019年)の確定申告に該当するため、確定申告終了日である2018年3月15日までの緊急発表は行われないものと思われます。

また、この確定申告終了日時に急いで合わせた形と考えられる、今回の「一部仮想通貨売却と出金の開始」ですが、匿名性通貨を含む、依然停止したままの仮想通貨に関する発表も、合わせて注目点であると言えるでしょう。

より詳しい情報は、以下のページを参考にどうぞ。

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