CoinPostで今最も読まれています

アルトコイン空ブロック採掘報酬をビットコインキャッシュ購入に当てる仮想通貨マイニングプールが誕生

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アルトコイン阻害を目的とした新しいマイニングプール現る
アルトコインの空ブロックをマイニングしてビットコインキャッシュに換金すると豪語する新たなマイニングプール「SharkPool」が話題となっている。

新しいマイニングプールがBCH以外のアルトコインに宣戦布告

アルトコインの空ブロックをマイニングしてビットコインキャッシュに換金すると豪語する新たなマイニングプール「SharkPool」が開始された。

Sharkpoolは今月発表されたばかりの新しいマイニングプールで、開設されたばかりのサイトでは共に「ビットコインに宣戦布告をする全てのアルトコイン」に戦争を仕掛けるとしている。

出典:SharkPool

全てのフォーク通貨を含むアルトコインはビットコインに対する戦争行為であり、以後そのように対処する。

SharkPoolのマイナーはアルトコインで空ブロックだけを集中的にマイニングし、そこで得た利益でビットコイン(ビットコインキャッシュ)を購入する。

アルトコインを0%のマイニングfeeで“狩る”有志を募集している。

上記のようにSharkPoolはマイナーの募集を開始している。

またマイニング費用0%で登録者を募集しているSharkPoolはTwitter上で最初の一年間は100%のブロック報酬を約束している。

SharkPoolの思惑

今回発表されたSharkPoolの親会社はビットコインキャッシュ専用のウォレットであるCashPay Walletを発行するCashPay Solutionsだ。

また同社の共同創設者であるAri Kuqi氏のツイートからはアルトコインに対する強い嫌悪感を書き記している。

一年近くアルト、ICOやマイナー通貨を狩って埋葬すると言ってきた。ようやくその約束を実現する時が来た。

我々と一緒でなければ、餌食(敵)とみなす。

このようにアルトコインに対して強い姿勢を示しているSharkPoolとその設立者の一人であるKuqi氏は、Kuqi氏のソーシャルメディア上の発言からビットコインSV支持派であることが示唆される。

Bitcoin SV(Satoshi Vision)はサトシナカモトを自称したCraig Wright氏や億万長者のCalvin Ayre氏を筆頭としたnChainとCoinGeekが主に推進しているビットコインキャッシュの実装案で、Bitcoin ABCの実装との対立が注目を集めている。

またアルトコインと「真のビットコイン」に逆らう全てのアルトコインに対し空ブロックによる阻害行為を宣告しているSharkPoolからすれば、真っ先に格好の「餌食」と考えられるのば15日のビットコインキャッシュのハードフォーク後のBitcoin ABC側のチェーンだと仮想通貨メディアCCNは予測している。

SharkPoolは今月中に募集を開始したばかりだと思われるが、仮に多数のマイナーがSharkPoolの呼びかけに応じた場合、ハードフォーク後に安定化を測るABC側のチェーンを妨害する心配があるかもしれないとされている。

なお現在のところ、大多数のマイナーや開発者がBitcoin ABC側のアップデートを支持しているが、ハードフォークでチェーン分裂が起きた際に起こり得る新通貨、BSVの配当が期待されている事が先週比45%も上昇したビットコインキャッシュの高騰の要因として挙げられる。

またSharkPoolのツイッターアカウントからは「どの通貨を最初に狙うか』の質問でアンケートが出されており、投稿から約4時間足らずで116票集めている。

出典:Twitter

なお現在の投票結果は48%でライトコインが最も多く票を集めており、次点ではビットコインとなっている。

空ブロックと懸念される影響

そもそも空ブロックとは何か知らない読者もいるであろう。

空ブロックとはProof of Workを採用する仮想通貨でマイナーが仮想通貨をマイニングする際に意図的に取引を少数しか含まないブロックのことを指す。

大抵の場合、このようなブロックには空ブロックをマイニングしたブロック報酬を受け取る為の取引が含まれており、空ブロックは取引の混雑からネットワーク停滞につながる。

ビットコインのネットワーク全体では約18%がこれらの空ブロックであるものの、BTC.comによると過去1年でマイニングされたビットコインのブロックの内0.86%のみが空ブロックだった。

懸念される影響

SharkPoolがアルトコインで空ブロックのマイニングに集中することは、それらの仮想通貨ネットワークの停滞と取引承認の難航化につながる。

仮に取引の承認が混雑すれば、取引が通らなくなるだけではなく、マイニング手数料の高騰にもつながる恐れがある。

まとめ

SharkPoolにどれほどのマイナーが参加して、「有志」を集めているかは不明だ。

しかし仮に多くのマイナーがSharkPoolに惹かれ、アルトコイン上で空ブロックが多数マイニングされた場合の影響は懸念点だと言える。

いずれにせよ、今後SharkPoolからどのような発表があるのか注目は必要だろう。

免責事項

仮想通貨投資は必ず利益が得られるものではございません。その商品性を理解し、仮想通貨投資、仮想通貨購入時は自己責任の下行なって下さい。

また、仮想通貨は非常にその変動性が高くハイリスク・ハイリターンとなっている他、価格変動リスク、流動性リスク、信用リスク、さらにはセキュリティリスクなど様々なリスクがあり、そのリスクを十分理解した上で、投資家の自己責任原則の下、投資を行なって下さい。

取引所の口座開設時のリスクに関する項目等もよくお読みになった上で、投資をされる事を推奨いたします。

CoinPostの関連記事

BCH(ビットコインキャッシュ)ハードフォーク:新通貨付与に関する「仮想通貨取引所」対応一覧表
11月16日未明に決行した仮想通貨ビットコインキャッシュのハードフォークでBitcoin ABCとBitcoin SV、2つのチェーンに分裂が生じた。国内外の取引所とウォレットサービスの対応方針を一覧表にまとめた。(随時更新予定)
仮想通貨ビットコインキャッシュが6万円まで急騰|高騰要因のハードフォークはどうなる?
ビットコインキャッシュは11月15日に技術的なアップデートによるハードフォークを迎える。その際、ビットコインキャッシュのチェーンはアップデートの内容について対立している二つのチェーン(BitcoinABCとBitcoinSV)に分裂する可能性があるが、投資家の中には付与通貨を目的とした買いが殺到している。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/08 水曜日
20:31
日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」、先着順の読者限定割引コードを配布開始
国内最大手暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostが企画・運営するWeb3カンファレンス「WebX2024」。先着順の読者限定割引コードを配布開始しました。
15:06
EVM互換のZKロールアップとして関心を集める「Zircuit(ザーキット)」とは
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム財団からL2研究助成金を獲得し、大手VCのPantera Capitalなどから出資を受ける「Zircuit(ザーキット)」について解説。ステーキングプロトコルは約2ヶ月で30億ドル以上を集めた。
14:35
懸念強まる仮想通貨業界へのSEC執行範囲、民主党と共和党議員が激論交わす
米国下院金融サービス委員会は、SECの暗号資産(仮想通貨)を念頭にした執行活動に関する公聴会を開催。民主党と共和党議員のスタンスの違いが鮮明となった。
12:50
FTXが再建計画書提出、すべてのユーザーに100%以上弁済の見込み
破綻した仮想通貨取引所FTXは、米破産裁判所に再編計画の修正版を提出した。すべての債権者が請求額の100%を受け取れるとしている。
11:25
米金融大手サスケハナ、1500億円相当のGBTCを保有
米大手投資・トレーディング会社サスケハナが約10億ドル相当の仮想通貨ビットコイン現物ETF「GBTC」を保有していることが確認された。
10:40
イーサリアムは穏やかなインフレ傾向に ETH焼却量減少で
仮想通貨イーサリアムは、主に取引手数料の低下により、焼却されるETHの量が大幅に減少している。DencunアップグレードやL2の活発化が背景にある。
09:30
「BTC相場は回復に転じた可能性」SCB銀が分析
「仮想通貨ビットコインの相場は回復に転じた可能性がある」とスタンダードチャータード銀行が分析。米大統領選の影響や今後の価格も分析している。
08:10
トレーダーに利回り提供へ、BybitがUSDeを取引担保に採用 
ENAトークン一時急騰 仮想通貨(暗号資産)取引所Bybitは7日、新しいステーブルコイン「USDe」をデリバティブ取引の担保資産に追加すると発表した。トレーダーに利回りを提供…
07:25
「仮想通貨市場には詐欺や問題が多い」ゲンスラー委員長
米SECのゲンスラー委員長は、仮想通貨の投資家保護の必要性を改めて強調。一方、イーサリアムの証券性については明言しなかった。
06:45
ワールドコイン過去一週間で35%上昇、その背景は
OpenAIのライバルであるGoogleは、5月15日に大規模な開発者カンファレンス「Google I/O」を開催する予定だがこれに先駆けChatGPTの検索エンジンを発表する観測だ。
06:10
米ビットコイン現物ETFに330億円純流入、2日連続プラスに
米ビットコインETFに回復の兆し。米月曜日、すべての仮想通貨ビットコイン現物ETFはプラスの資金流入を記録した。
05/07 火曜日
17:54
米決済大手Visa「ステーブルコイン取引高の約9割はbotによるもの」
決済大手Visaは、仮想通貨ステーブルコインについての記事を発表。ステーブルコイン取引活動の90%はボットなどによるものだと分析している。
14:32
米SEC、Invescoの「イーサリアム現物ETF」の可否判断を最終期日まで再延期
米国証券取引委員会は、InvescoとGalaxy Digitalが共同で申請した イーサリアム現物ETFの可否判断をさらに延期すると発表。次回の期限は7月5日で、これが最終期限となる。
14:22
米マラソンデジタル、ケニア政府とビットコインマイニングで協議
米上場ビットコインマイニング企業マラソン・デジタルは、ケニア政府と、仮想通貨政策やデーターセンター開発などで話し合っていると述べた。
12:30
前週末にかけてビットコイン大幅反発、ETFフローに好転の兆し
暗号資産(仮想通貨)相場は前週末にかけてビットコインが大幅反発し、暴落していたアルトコイン値を持ち直した。グレースケールGBTCへの資金流入など、ビットコイン(BTC)現物ETFのフローにも好転の兆しが見られる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア