CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン高騰の裏に潜むリスクとは?価格上昇の理由と、ビットコイン系列通貨の現状

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインの価格上昇が止まらない
ビットコインは投資家の心情とは裏腹に、価格を伸ばし続けています。その理由とは?
価格を伸ばし続けてもリスクを知る必要がある時期に来ている
価格を伸ばし続けることから、ビットコインを手放すことが惜しまれますが、まず今起きているリスクを知り、投資を冷静な目で見ることがとても重要な時期に来ています。

2017年11月2日、ビットコインは依然として価格を伸ばし続けており、価格は87万円という過去最高額を突破。

大方の世界の投資家予想では、ビットコインキャッシュの高騰により、同じエアドロップハードフォークであるビットコインゴールドのハードフォーク目的の投資家が、24日のハードフォークを境に、BTCから一時離れるのではないか?というものでした。

これには、未だ状況が不明瞭であるSegWit2xの状況が、ビットコイン相場に不安定な要素を与え、今までなんどもビットコインコミュニティ分裂の噂から下落が起きていた傾向を元に予想されたことが言えるでしょう。

日本のメディアでは、ビットコイン事情に詳しいブログやツイッター投稿者が、ビットコインを取り巻く状況を配信していましたが、その一方で価格上昇をメインで取り上げ、根本的なリスクについての内容は触れていない記事や情報配信SMSも目立っていました。

投資なので、もちろん価格が上昇することは投資家にとって第一であり、誰もが望むことであることは間違いありません。 しかし、ビットコインを取り巻く環境は、現状投資だけでなく多くのリスクが隠れていることにも注目しなければ、非集権化であり日々状況やシステムが変わるビットコインは、大事な資産を失うことに繋がる可能性すらあります。

逆にこんなに価格が上昇し続けるビットコインでも、SegWit2Xのコミュニティ争いが招いた結果、最悪ビットコイン価格は0になる可能性すらありえるという状況だということは理解しておく必要があります。

このことから、気持ちがいい記事として捉えていただけない可能性がありますが、まずリスクを知った上で、価格上昇の理由を考え投資に活かすことができる記事を作成することを心がけて配信していきたいと考えています。

SegWit2xの現状とは?

詳しいSegWit2xの記事は、明日コインポストから公開いたしますが、ここでも軽く現状と、どうなる可能性があるか?だけ触れて、現在ビットコインが上昇している理由に繋げようと思います。

まずSegWit2xのハードフォークが行われる可能性がある日程についてです。

実行予定ブロック数:494784 
このブロック数は、現ビットコインブロックチェーンのブロック数を指します
予定日:11月16日
ビットコインのブロック進行速度は完全に一定ではないため、現在のブロック数から割り出した予定日程です

SegWit2xの現状

1.ブロックチェーン分割や、両チェーンの長期的存続などまだ不明瞭

未だSegWit2xを支持するマイナーが、どの程度ハードフォーク実行後、両チェーンに移動するのかが未だ不明瞭です。ブロックチェーンの形式上、この動き次第で状況は大きく動く可能性があります。この状況変移がとても重要となります。

仮によりSegWit2xハードフォーク後、多くのマイナーが元のBTCチェーンから以降し、2Xチェーンを選んでマイニングした場合(2Xのマイニングハッシュレートが高くなった場合)、ウォレットサービスによっては、自動的にハッシュレートが高いチェーンをBTCと認識する可能性もあります。

取引所によっては、市場の判断に委ねるとしている取引所もあるため、両チェーンが安定したことがわかった時点で、2Xハッシュレートが高くなったことが確認できたら、2Xコイン(まだ正式名称は決まっていないので2Xコインとする)をBTCという形で取り扱う可能性もあります。

これらの意味を簡単に扱う場合、非集権化であるBTCということもあり、取引所によって2XコインをBTCとしていたり、BTCを2Xコインとして扱う可能性があるということになります。

よって元のBTCがアルトコインになり、2Xコインが主軸通貨BTCとなる可能性があります。

2.チェーンが不明確な状態でBTCを利用すると、BTCと2Xコインの混同のリスク

これは1の状況で、両チェーンが安定する前での状況を指しています(まだはっきりとした両チェーンの主従関係がわからない状態)。サービスプロバイダー上(ウォレットなど)で、両チェーンを明確にサポートしていない場合、BTCを送っているつもりでも、2Xコインを送っている可能性があります。

よってbitpay社が発表したように、多くのプロバイダーがビットコインハードフォーク前後で一時的にBTCに関わる全てサービス停止を行い資産の安全性を優先する事があるかもしれません。

3.二重使用のリスク

二重使用とは、BTCを送金したにも関わらず、チェーン上で残高管理が行われないことを指します。マイニングの方式により、ブロックチェーンはこれを非中央集権でも解決をしており、これが通貨革命と言われる所以でもあります。このリスクが通常より高くなる可能性があります。

仮にこの残高管理がブロックチェーン上で、しっかりと行われなかった場合、BTCが送金されているのに、BTCが残っている状態になるという、決算手段として一番大事な根幹のシステムが崩れることになります。

このように、状況がはっきりしないことからのリスクは、思った以上に大きいことがわかります。より詳しいコミュニティの分裂や、そのコミュニティがどのように動いたら、どのような状況になるのか? そこから、BTC価格はどうなるのか?という観点で、続編記事をお届けします。

合わせて読みたいハードフォーク記事↓

ハードフォークには4つの種類がある
仮想通貨のハードフォークは、通常状態での分岐、ブロックチェーンの特性を利用した派生通貨、意見対立のないアップグレードによるハードフォーク、意見対立のあるハードフォークの4種類があります。実際にハードフォークが起きた通貨例も紹介します。
ビットコインゴールド/SegWit2xハードフォーク時対応初心者用案内書
ビットコインゴールド及びSegWit2xの2つのハードフォークが予定されています。本記事では2つのハードフォークに安全性の高い方法で対応するための方法が記されています。また、ウォレットの選択についても記されています。

ではなぜビットコイン価格は上げ続けるのか?

この85万円突破する勢いのBTC上昇の一番大きな要因は、世界最大級の金融取引所CMEがビットコイン取引を今年末までに導入する予定だ。という発表をしたことに起因しているでしょう。

ビットコイン上場ニュースなんて、世界中で取引されているし、今更上場ニュースは関係ないのでは?と思う方もいたかもしれません。

しかし、このCMEの取引所というのは仮想通貨取引所ではなく、多くの金融商品の先物を取り扱う取引所となります。この取引所にビットコインの先物取引が上場されることが決まりました。

もうすでにビットコインはあるのに、なんで将来の価格を予想する先物取引?となりますが、ここでいう先物取引は、ビットコインの何ヶ月先や、何年先の取引価格を想定してビットコインの取引が行えることを指しています。

このCMEという取引所の中では、日経平均価格の先物取引なども行われており、日本経済にもすでに大きな影響を与えています。

世界最大級の金融取引所CMEがビットコイン先物取引を今年末までに導入予定
世界最大の金融先物取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がビットコイン先物取引を今年末までに導入する予定と発表しました。ビットコイン投資の間口が広がり、銀行やヘッジファンドといった大手投資機関からの資金流入が期待できます。

なぜこの先物取引所上場が騒がれているのか?

この理由には、今まで仮想通貨市場に投資していない投資家がビットコイン取引に参入してくる窓口ができたということになります。

元々仮想通貨市場に比べ、CME取引所など、株式市場は大口の機関投資家がより多く存在します。 大口の投資家の資金流入が、ビットコイン市場へ入ってくることで、時価総額や価格の底上げに繋がることが期待されています。

また、米連邦政府により管理されている正式な取引所であるCMEにビットコイン先物が上場されることは、機関投資家が法の元で、ビットコインに正式な形で取引をすることを可能にし、現在承認が騒がれている仮想通貨ETF金融商品の承認にも繋がる可能性が高まったということになります。

ETFの説明も公開しました。↓

ビットコインがETFとなる可能性とその影響
まず初めに、今までビットコインを取引していたのは個人投資家であり、機関投資家の存在はほとんどありませんでしたが、ビットコインETFという金融商品になること機関投資家でも取引できるようになり、新しいビットコインの形が誕生するでしょう。

この流れは主要アルトコインにもいい影響を及ぼす?

ETFは、Exchange Traded Fundの略であり、証券取引所に上場している投資信託になります。

この金融商品にビットコインを扱うことが先に承認されることになると思われますが、このETFにイーサリアムやリップルなど、時価総額上位に当たる主要仮想通貨などが取引できるようになる可能性があります。

ETFの審査次第ですが、BTC ETFが承認された後のニュースには、アルトコイン保有者も注目すべき内容であるといえるでしょう。

ビットコインゴールドの現状は?

ビットコインゴールドは、11月に入る段階で現状を2つに分けることができます。

  1. 未だBTGブロックチェーンは稼働段階には至っていない模様で、開発中の段階にあります。
  2. しかし、この開発にも進展があり、取引所が上場やBTGの付与を見合わせている根本の原因である、リプレイプロテクションの保護の実装を行うと発表しました。

1の段階では、取り扱いができなかったBTGにとって大きな進展となり、この実装に伴いBTG付与対象の方に付与される兆しとなりました。

ビットコインキャッシュの現状は?

ビットコインキャッシュは、ここ2週間で大きく価格を伸ばしています。

この要因として考えられるのは、の大きく二つが挙げられます。

  1. 中国の規制を掻い潜り取引を開始しているOKcashとHuobiの取引所の内、OKcashで世界初のビットコインキャッシュ先物取引を発表されたこと
  2. SegWit2xでビットコイン市場が不安定になる可能性から、マイナーがより高性能であるBCHに移行してきていること

一時BTCのマイニングハッシュレートを超えた報告がされたこともありました。現状ではビットコインマイニングの方が利益がでる状態に戻っていますが、SegWit2xの状況次第、またはすでにBCHマイニング移行を考えているマイナーも多くいると海外メディアで報じられています。

マイナーのハッシュレートと価格変動の影響は、相関性があるのではないかと言われており、価格上昇に伴うマイナーの移行はもちろん(ディフィカルティとの兼ね合いもある)、マイナーのハッシュレートが高まることで、通貨価値が上がっている可能性もあるのではないか?と考えられています。

このように結果として、ビットコイン系の通貨は軒並み上昇している状態ですが、これから1ヶ月は、より情報が重要となり、いきなり相場の動きが転換する可能性があることは頭に入れて投資する必要があると思います。

目先の利益より、先のリスクを懸念した動きが重要となるでしょう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
09:30
Runesデビュー1週間、ビットコインネットワークで200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア