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ロレックスを担保に仮想通貨を借りる、NFTベースの分散型質屋の可能性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

高級腕時計NFT担保ローン

ロレックスやパテック・フィリップなどの高級時計を質草にして暗号資産(仮想通貨)を借りる、分散型質屋サービスが話題を集めている。

このサービスは、NFT(非代替性トークン)レンディング・プロトコルの「Arcade.xyz」と、物理資産を保管してNFTを発行する「4K」という、二つのプロトコルの組み合わせで実現されている。

ArcadeはNFTを担保にしたP2P融資プラットフォームを運営しており、ここで仮想通貨の貸出者は資金を供給し、金利を得ることができる。一方、借り手は自身のNFTを活用し、運用資金を手に入れることができる。

質草である高級時計の保管とその所有権を証明するNFTの発行は4Kが担う。時計の所有者は時計を4Kに送付し、その時計をトークン化したNFTを受け取る。その後、このNFTをArcadeに出品し、最適なローン提案を待つ、というのが一連の流れだ。

ローンの条件がArcadeでマッチングすると、トークン化された時計NFTはArcadeのエスクローウォレットに送られる。返済期日に借りた資金を返済すればNFTは借り手に返却される。もし返済がなされなければ、NFTは貸出者に引き渡される。

Arcadeはパーミッションレス(無許可)のピアツーピア・インフラであり、利用者間で互いの身元を明らかにせずに利用できる。理論上は世界中から流動性(質草・資金量)を取り入れる可能性がある。

Arcadeの創設者でCEOのゲイブ・フランク氏は、「普通の質屋よりも良い金利で借りられる可能性が高い」と仮想通貨メディアDecryptに語った。また、「物理的な商品のオンチェーン利用はまだ始まったばかりだが、その可能性は大きい」と付け加えた。

現在Arcadeで組まれている4K発行の時計NFT担保型ローンは6件ほどあり、その期間はすべて56日~90日間となっている。主な条件は以下の通りだ。

出典:Arcade

ロレックスのデイトナ:APR(年利)15%、融資額20,000ドル
GMTマスターII:APR12%、14,500ドル
エクスプローラー:APR12%、20,000ドル
パテック・フィリップ:APR12%、35,000ドル

関連:初心者にもわかるNFT解説:「トークン化」の仕組みとは|Forkast寄稿

現実資産のトークン化市場

一方、4Kで発行された物理資産を担保とするNFTは、NFTの電子市場OpenSeaに直接リスト(販売)できる。現在、30点以上の腕時計NFTが掲載されている。

4Kは物理的な保管庫(ガーディアン)、サービスプロバイダー(鑑定人、認証者、監査人)とオンチェーンメカニズムのグローバルネットワークを調整し、物理世界とデジタル世界を安全かつセキュアに結びつけている。

腕時計のコンディションは専門の鑑定チームが5.0点満点で評価しており。OpenSeaで取引されている4Kの腕時計NFTは、いつでも現物と交換することが可能だ。

4Kの創設者であるリチャード・リー氏によると、4Kから時計を受け取るには、ユーザーは時計NFTをバーン(消却)し、配送先住所を提出する必要がある。

2023年、NFTベースの融資市場は新たなトレンドとなっている。以前はCryptoPunksやBored Ape Yacht Clubに代表されるプロフィール写真(PFP)NFTを担保とするローンが主流だったが、その形態は多様化している。

Arcadeは従来のPFP系NFTローンに加えて、トークン化された不動産、負債ポジション、デジタルアパレルを活用したローンの提供にも取り組んでいる。Duneのダッシュボードによると、Arcadeはこれまでに約1億ドル相当のNFTベースのローン取引を手掛けてきた。

ボストン・コンサルティング・グループによると、現実資産のトークン化は2030年までに数兆ドルの市場規模になると予測されている。特に不動産のような資産のトークン化は、金融サービスや政府部門の重要なユースケースとして注目されている。

米リップル社の、中央銀行デジタル通貨(CBDC)アドバイザーを務めるアントニー・ウェルフェア氏は6月末、リップル社チームがCBDCとステーブルコインの分野において、不動産資産のトークン化に力を入れていると話した。

関連:リップル社が香港のCBDC試験運用プログラムに参画、不動産資産トークン化の可能性追求

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