CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨ステーキングとは

イーサリアム2.0のアップデートの話とともに、ステーキングについてよく聞くようになりました。仮想通貨の新たな運用方法として注目されるステーキングですが、この記事ではその仕組み、従来の金融との比較を踏まえて解説します。

目次
  1. ステーキングとは?
  2. ステーキングが注目を浴びている理由
  3. 日本でステーキングを採用しているブロックチェーンと利率

ステーキングとは?

ステーキングは、基本的には株券と同じような仕組みです。株券では投資家という立場で事業の成長に関わり、株の発行体である企業の成長に応じた配当を得ます。ステーキングでは年間数%の利回りが得られるような報酬設計が提案されている。これによって、通貨の保有者は株式の配当(優待)のような所得を得ることができるようになります

仮想通貨のステーキングで、対象となるのは企業ではなくサービスや、そのサービスの基盤を構成しているブロックチェーンです。

ステーキングは、仮想通貨を自由に動かせない状態(ロック状態)にしてブロックに追加するデータの承認などの面でネットワークの維持に関わる見返りとして、その報酬を仮想通貨で受け取ります。

これまで、仮想通貨を資産として運用する場合には、長期保有するか、アービトラージ取引や、タイミングを見た売買が中心でした。ステーキングは、長期保有して資産を動かさずとも仮想通貨を増やすことができる資産運用方法です。

ステーキングが注目を浴びている理由

ステーキングが注目を浴びている理由は、いくつか考えられます。

まず1つめは、イーサリアム(Ethereum)のPoS採用です。数年前から協議と開発が進められてきイーサリアムのPoSへの移行は、ブロックチェーン業界にとって歴史に残るレベルの大きなステップである、といえます。

しかし、イーサリアムだけがPoSを採用しているわけではありません。イーサリアム以外でもステーキングを採用しているサービスやプラットフォームがあります。

たとえば、執筆時点でそれぞれ時価総額4位と9位のDOT、XLMなどが挙げられます。PoWのスケーラビリティ問題への回答の一つとして、PoWは注目されています。前述のイーサリアムの移行も、このスケーラビリティ問題を回避するためと言われています。

2つめは、仮想通貨の運用に対する見方の変化です。

これまでの仮想通貨は、価格乱高下の大きい、非常に高リスクな資産という見方も強くありました。

しかし、ステーキングの登場により、そこまで大きなリスクを冒さなくとも低リスクで暗号資産を増やすことができる方法としての魅力が広まり、かつ、ステーキングを採用するプラットフォームの数が増えてきたこともあり、注目がこれまで以上に集まったと考えることもできます。

関連:イーサリアムのステーキングは高利回り?株式配当と比較したリスク・リターンを独自考察

日本でステーキングを採用しているブロックチェーンと利率

実際に日本国内で提供されているステーキングサービスをもとに、どの程度の運用益が期待できるのかを見てみましょう。

2020年1月9日に、コインチェックがLiskのステーキングサービスをローンチしました。リリースが公開された時点で世界初の試みとなる、Liskを対象としたステーキングサービスです。このサービスは実証実験の一環とのことで、本格的なサービス開始はもう少し時間がかかる可能性があります。

関連:世界初:コインチェックが仮想通貨リスクのステーキングサービス開始

Liskのステーキングに参加する条件は、「取引アカウント」にて1日あたり平均10LSK以上保有しているか、「貸仮想通貨アカウント」にて貸出中でないLSKを1日あたり平均10LSK以上保有していることです。

いずれかの条件を満たし、Liskを口座から動かさずに運用することで、Liskのネットワーク維持に貢献できると当時に、運用益を受け取ることができます。

Coinmarketcapによると、Lisk(LSK)価格は、約150円(2021年春時点)です。すなわち、最低でも¥1500円分のLSKを所有していれば、ステーキングサービスを利用することができます。

実際にLiskのステーキングに参加している方のブログ記事によると、年利は約0.5%だそうです。つまり、現在のLiskのステーキングサービスは低リスク・低リターンな暗号資産も運用方法である、と言えそうです。

年利0.5%は低い、と感じられる読者の方も多いかもしれません。では、既存の金融機関が提供している、法定通貨を基盤とした資産運用による年利はいくらほどでしょうか。

たとえば、「じぶん銀行」の円普通預金では円定期預金では、年0.25%(税引後 年0.19%)での運用となります。これと比較すると、LSKのステキーキングの利率は、単に法定通貨や仮想通貨を保有するよりも利益のある運用方法である、とも考えられます。

円を貯金して口座で眠らせたままにするか、それとも、仮想通貨をステーキングするか。どちらを選ぶかは、皆さんの資産運用戦略次第です。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10:20
Gala Games、300億円相当のGALAトークンが不正鋳造 価格急落
Web3ゲームGala Gamesで何者かが2億ドル以上に相当する「GALA」トークンを不正に鋳造し売却した。管理者アドレスが悪用されたとみられる。
09:30
Sei、EVM互換へアップグレードの投票開始
仮想通貨イーサリアムとの互換性を持たせるため、L1ブロックチェーンのSeiがアップグレード実施のための投票を開始。投票後の計画も明らかになっている。
08:14
グレースケールに新CEO、ソネンシャイン氏が退任
ソネンシャイン氏がCEOだったグレースケールは過去の10年間、仮想通貨ビットコイン投資信託だけでなく、イーサリアムやソラナなどさまざまなアルトコイン投資商品も打ち出し、伝統金融に代替的な資産クラスを提供してきた。
07:45
バイナンス、中小プロジェクトの支援を発表
30年までに24兆円相当のトークンがアンロックを予定することなどを記載したレポートを発表した後、バイナンスは、優秀な仮想通貨プロジェクトに対し上場プログラムに応募するよう呼びかけた。
07:00
STEPN、ソラナスマホ保有者にコラボスニーカーを配布
STEPNはソラナスマホのGenesis Tokenの保有者に、特別なソウルバウンドトークン「STEPN x Saga Badge」も配布した。
06:20
最終判断期限迫るイーサリアム現物ETF、予想外の進展で承認観測強まる
仮想通貨イーサリアムの現物ETF上場申請に関して、SECから主要な提出書類を更新するよう突然求められていることが報じられた。イーサリアムの価格がニュースを受け高騰した。
05/20 月曜日
17:07
コインチェック、ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO予定を発表
コインチェックは20日、「Coincheck IEO」において、暗号資産(仮想通貨)ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO予定を発表した。本IEOは国内における6例目で、上場企業100%子会社による初のIEO。
16:39
仮想通貨企業の資金調達、2024年第1四半期に急増=レポート
大手投資データプロバイダー「PitchBook」は、2024年第1四半期の仮想通貨市場レポートを発表。ビットコインETFの承認を背景にスタートアップ企業が518件の取引で総額3,741億円の資金調達に成功したことが明らかになった。
14:03
米国の経済制裁対象国ベネズエラ、仮想通貨マイニングファームへの電力供給停止へ
ベネズエラ政府は、電力需要への影響を避けるため国内すべての仮想通貨マイニングファームを電力システムから切り離すと発表した。
11:46
ビットコインの週末相場は高止まり、オンチェーンデータは「利確フェーズ」の終焉を示唆
FRBの利下げ期待を背景にNYダウが史上初の4万ドルに達するなど米国株指数が好調に推移する中、オンチェーンアナリストはSOPR指標を分析。2ヶ月間の利確フェーズが終わりつつあることを指摘した。
11:19
仮想通貨ウォレットのファントム、米国のApple Storeユーティリティランキング3位に浮上
ソラナ基盤の代表的な仮想通貨ウォレットとして普及した「Phantom Wallet (ファントムウォレット)」(現在はマルチチェーン対応)が、米Apple Storeのユーティリティ・アプリで3位にランクインした。
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア