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ビットコイン再び2万ドル水準割り込む、複数の悪材料が重石に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

30日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比-1.08%の274万円(20,043ドル)と続落。

BTC/USD日足

直近最安値からの反発局面で買いが一巡した後、4日連続陰線を付けた。

依然として高止まりするインフレ指数に伴うFRB(米連邦準備制度)の金融引き締め姿勢、景気悪化懸念などから金融市場の大局に変化は見られず、株式市場、仮想通貨市場ともに下落トレンド長期化を警戒する向きは強い。

相場の不確実性

暗号資産(仮想通貨)業界の大手ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)が、破綻した可能性があることがわかった。英国領ヴァージン諸島(BVI)の裁判所から清算を命じられた。

関連:仮想通貨ヘッジファンド「Three Arrows Capital」、裁判所が清算を命令か=報道

今後、債務整理の手続きに移行するとしており事実上の破綻と見られる。仮想通貨に多額の資金を投じていた3ACは強気相場で急成長を遂げるも、仮想通貨担保による高リスク運用するなどしていたことから、テラ(LUNA)ショックや昨今の金融相場急落の影響で債務超過に陥っていたとされる。

27日には、計6.7億ドル相当の融資について期日までに必要分が返済されないとして、暗号資産ブローカーのVoyager Digitalからデフォルト(債務不履行)通知を発行された。これに伴いVoyager Digitalは、Alameda Researchから信用供与(クレジットファシリティ)枠を用いた臨時的な資金調達を余儀なくされた。

関連:Voyager、アラメダからつなぎ融資を確保

21日には、3ACの貸し手の1つで仮想通貨レンディング企業BlockFiが、大手仮想通貨取引所FTXから2.5億ドル規模の融資を受ける契約を結んだことを発表した。

関連:仮想通貨取引所FTX、約340億円をBlockFiに融資

また、今月12日には「サービスの出金停止」を突如発表した仮想通貨レンディング大手Celsius Network(セルシウス)も破綻危機に直面しているとされる。ロイターが24日に報じたところによれば、「破産法適用」の申請を視野に事業整理のコンサタントを雇用した。

セルシウスの保有する現金化困難な債券トークンを巡っては、資産買い入れを目的とした金融大手ゴールドマン・サックスによる資金調達の動きも報じられた。

関連:ゴールドマン・サックス、セルシウスの資産購入で調達か

さらに、30日までに仮想通貨融資大手Genesis Tradingが、3ACの債務問題などの影響で数億ドルの損失を被った可能性があることも発覚した。

関連:融資大手ジェネシスに数百億円の損失か、仮想通貨業者の債務問題で

このように、Three Arrows Capital(3AC)などの債務超過懸念とポジションの強制清算は、暗号資産(仮想通貨)の市場価格や主要取引先を中心に深刻な影響を及ぼしており、しばらく予断を許さない状況が続きそうだ。今後は買収を含め、「業界再編」に向けた動きが活性化する可能性が考えられる。

関連:「仮想通貨市場は今後どうなる?」Consensus2022で複数の有識者に聞いた

ETF非承認もネガティブ

29日には、グレースケールが申請していた「ビットコインETF(上場投資信託)」が、米SEC(証券取引委員会)に否決されたことも判明した。

グレイスケールビットコイントラスト(GBTC)をETFに転換することを目指したものだ。GBTCはビットコインを運用する世界最大の投資信託で、計654,885 BTCを保有している。

関連:米グレースケールのビットコインETF転換申請が非承認

ETF(上場投資信託)とは

日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)のような、特定の指数連動型の投資信託のこと。

直接的に現物の暗号資産(仮想通貨)を保有するものではなく、ビットコインに価値を裏付けた代替資産。株式と同じように、証券市場で証券会社やファンドマネージャーを通じて購入することができるため、ポートフォリオの多様性を高めるメリットがある。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

SEC側は、相場操縦行為など不正防止策と投資家保護が不十分であることを理由に挙げている。同様の理由で、ビットワイズの申請していた「上場取引型金融商品(ETP)」も却下されたものと見られる。

21年10月には、ProSharesの「ビットコイン先物ETF(ProShares Bitcoin Strategy ETF)」が米国で初認可され、米ニューヨーク証券取引所(NYSE Arca)に上場した。一方、現物のビットコインETFはこれまで一度も認可されていない。

ETF業界大手の「ETF Trends」は先物ETFが認可された当時、①原資産の保管コストと手間がなくなる制度化の観点、②ベストビッド/ベストオファーシステム(CME CFビットコイン参照レート)の価格発見機能の観点、③米国商品先物取引委員会(CFTC)による規制面の3点からメリットの大きさを説いた。

度重なる却下を受けグレースケール側は、「先物ETFの認可との”二重基準”に該当するのは不当」だとして提訴に踏み切った。法務顧問を強化し、SEC側と法の場で争う姿勢を示している。

Arbitrum Odyssey一時中断へ

イーサリアムのレイヤー2(L2)スケーリングソリューションであるArbitrum Oneの取引手数料(Gas代)が、イーサリアム(ETH)メインネットのGas代を5時間以上に渡って上回る逆転現象が発生、プロモーションキャンペーン「Arbitrum Odyssey」の一時中断が発表された。

L2は本来、L1の混雑緩和などスケーラビティ問題の解消を目的とするが、今回インセンティブ目的にしたL2への負荷が集中するなど、ユーザーアクティビティ急増が原因となった。

Arbitrumはこの件について、「難しい決断だったが、ユーザー体験を可能な限り快適かつシームレスにすることを優先した」としており、Nitroアップデートによって問題緩和が確認され次第、再開される見込み。

これに先駆けイーサリアムのL2「Optimism」は今年5月、”デジタル民主主義”ガバナンス(統治)の大規模な実験と称して、レイヤー2ネットワークの将来を管理するコミュニティ「Optimism Collective」の一部を形成する独自トークン「OP」のエアドロップを発表している。

「Arbitrum Odyssey」では、特典として最大17種類のNFT(非代替性トークン)を取得することができる。ArbitrumはL2の中でも最大の「Total Value Locked(TVL)」を有しており、いわゆるDeFi給付金思惑も重なったことで過熱化につながったものと見られる。

関連:イーサリアムL2「アービトラム」、NFTスタンプラリー「オデッセイ」を開始

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