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ビットコインと米株相関マイナスに転じる、QCP Capitalは長期下落トレンド継続を示唆

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マクロ経済と金融市場

23日の米NY株式市場では、ダウは前日比108.82ドル(0.33%)高、ナスダックは82.33ドル(0.72%)高と反発した。

21日には約700ドルの大幅下落となっていたことから、米長期金利の上昇一服を背景にした揺り戻しとの見方がある。

一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録要旨では、「インフレ抑制の効果について確信には至っていない」と慎重な見通しを示しつつ、ほぼ全ての参加者が「利上げペースの鈍化が適切である」との認識を支持した。

昨今では雇用統計など複数の経済指標上振れを受け、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における0.50bpsの金利引き上げ予想が25%ほどまで上昇しており、市場は様子見基調を強めている。

関連:NYダウ・ナスダック反発、米四半期GDPや個人消費支出の改定値発表など|24日金融短観

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比2.25%安の23,982ドル。

BTC/USD日足

BTCとS&P 500の日間相関係数は、22年11月のFTX崩壊以来初めてマイナス(負の相関)に転じた。オンチェーン・アナリストのWill Clemente (@WClementeIII)氏が指摘した。

直近では、米連邦公開市場委員会(FOMC)やCPI(米消費者物価指数)などマクロ経済指標結果で株式指数が大きく動いた際、ビットコインなど仮想通貨相場にも強い正の相関関係が見られる傾向にあった。

QCP Capitalの市場分析

暗号資産(仮想通貨)取引企業QCP Capitalは22日、最新のレポートを掲載。

ビットコイン(BTC)について、株や金(ゴールド)など異なるリスク金融資産間(クロスアセット)の中では、最も顕著な反発が年初来に見られたと評した。

オレンジ:BTC、黄:ナスダック、紫:ゴールド(QCP Capital)

価格のテクニカル分析においては、22年8月の戻り高値と22年5月の安値に対して“ダブルトップ”を形成しつつある可能性を指摘。 エリオットウェーブの修正波が継続しているとの見方を示した。

エリオットウェーブは5つの上昇波と3つの下降波の計8つの波を一つの周期として見立て、トレンドの判断材料にするものだ。

関連:抑えておきたいテクニカル分析「エリオットウェーブ」を初心者向けに解説

QCP Capitalは、2021年の強気相場のボトムでネックラインの28,800~30,000ドルが強い上値抵抗線として機能するとしており、このラインがブレイクされるまでは「5波」のカウントは有効との見方を示した。一方、ビットコインのモメンタム(相場の勢い)はイーサリアムより強いとしている。

QCP Capital

マクロ経済については、FRB(米連邦準備制度)の追加利上げや量的引き締め(QT)に関心が集まりがちだが、過去3ヶ月間に日本銀行と中国人民銀行による大規模な流動性注入があり、暗号資産市場にもポジティブに働いたと指摘。

10年ぶりの日銀総裁交代を受け、「日銀会合」における金融緩和政策の変化と今後数ヶ月の中国のCPI(消費者物価指数)も注視するとした。中国人民銀行が景気刺激策の減速を余儀なくされる兆候が第2四半期以降に現れる可能性もあり、その場合は暗号資産市場にネガティブとしている。

昨年末時点のQCP Capital予想では、米金融当局はフェデラル・ファンド(FF)金利を5.5%まで引き上げ、第4四半期(23年10~12月)まで維持する見通しを示し、欧米の先進国も景気後退とインフレが同時進行する「スタグフレーション」に陥るとし、株価が新安値を更新するような状況になり得ると警鐘を鳴らしていた。

関連:QCP Capital、2023年の仮想通貨市場の展望を分析

アルトコイン相場

米最大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが独自L2(レイヤー2)ネットワーク「Base」を発表したことを受け、技術活用されるイーサリアム(ETH)のスケーリングソリューション「Optimism(OP)」の価格が一時前日比18%上昇した。

OPの取引高は、22日時点で4億5,800万ドルだったが、過去24時間で7億5,400万ドルに急増している。

「Base」は、安全・安価でdApps(分散型アプリケーション)開発者が使いやすいネットワーク提供のほか、ソラナ(SOL)などの他のL1ブロックチェーンへのアクセスを提供し、ユーザーを暗号資産エコシステムに引き込むための架け橋として機能することを目標としている。

テストネット環境はすでにローンチされ、メインネットローンチに向けたロードマップは今後数週間以内に公開される見込み。

関連:米コインベース、イーサリアムの独自L2ネットワーク「Base」をローンチへ

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