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米SECが提訴した「リップル裁判」まとめ(20年12月〜23年10月)

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リップル訴訟の進展

米リップル社、Garlinghouse CEOおよび共同創設者のChris Larsen氏は、暗号資産(仮想通貨)XRPを未登録証券として販売したとして、2020年12月に米証券取引委員会(SEC)に提訴された。また、同社の共同創設者らも同時に提訴されている。

その後、和解に向けた動きなどは見られず、双方による応酬が続いている形となる。この記事は提訴以来の動きや進展をまとめ、随時更新する。

目次

  1. これまでの経緯
  2. 連邦地裁の判決(23年7月13日)
  3. 当事者の見解
  4. Howeyテストを尊重
  5. 業界の反応

これまでの経緯

日付 内容
2020/12/23 SEC、リップル社を提訴: SEC(米証券取引委員会)がリップル社、Garlinghouse CEO、共同創設者のChris Larsen氏を提訴。 「2013年から7年間に渡り、有価証券登録を行っていない暗号資産(仮想通貨)XRPを販売し、1300億円を超える資金を調達した」と主張。 (関連記事
2021/1/28 XRP投資の損失訴える集団訴訟: XRPの未登録有価証券販売疑惑を巡り、フロリダ州でリップル社と子会社XRP II, LLC、およびBrad Garlinghouse CEOに賠償を求める集団訴訟が起こされた。 (関連記事
2021/1/29 リップル社、提訴受け反論を提出: 米リップル社は29日、証券法違反をめぐり米証券取引委員会(SEC)に提訴されたことを受け、イニシャルレスポンス(最初の正式な反論文書)を裁判所に提出した。 (関連記事
2021/2/29 SEC、修正訴状を提出: SECは訴状内容の一部変更(追記)を行った。 (関連記事
2/23 マネーグラム、リップル社製品の利用を一時停止へ: 送金大手のマネーグラムがSECの訴訟を理由に、リップル社の決済ソリューションの利用を見合わせることを発表した。 (関連記事
3/2 マネーグラムに対する集団訴訟: マネーグラムの株式投資家らが「マネーグラム社がXRPに関して投資家をミスリードしていた」として、米大手送金企業マネーグラムに対し、損害賠償を求める集団訴訟をカリフォルニア州の裁判所に起こした。 (関連記事
3/4、5 リップル社CEOら、米SEC修正訴状の一部取り下げを求める: リップル社のGarlinghouse CEOと、共同創設者のChris Larsen氏は、米SEC(証券取引委員会)に対し、自身に対する訴状の取り下げを求める内容を記した申立を裁判書に提出。 (関連記事
3/5 リップル社、SECの修正訴状に100ページの反論文: こちらは、2月20日にSEC側が提出した修正訴状に対するもので、仮想通貨XRPがこれまで200以上の取引所で、毎月何十億ドルもの取引量を記録していると説明。多くのマーケットメーカーや第三者もXRPを活用していた点などが指摘されている。 (関連記事
3/8 リップル社とマネーグラム社、戦略的提携関係を中止: リップル社が送金大手マネーグラム社と共に現在の戦略的提携関係の中止を決定したことを発表した。 (関連記事
3/9 SEC、一部論点について削除を申し立て: SEC側は、先週リップル社が提出した文書で示された「適正手続の保障(デュー・プロセス)と事前(フェアな)通知」に関する主張の削除を申し立てた。 (関連記事
3/11 リップル社CEOら、個人財務記録提出の無効を求める: 米リップル社幹部二人が、SECが銀行に両者の個人的な財務記録の提出を要請したのは、行き過ぎた行為として、裁判所に要求を阻止するよう求める書簡を提出した。(関連記事
3/12 リップル社CEOら、訴状取下げ要求について審議スケジュールが決定: Garlinghouse氏とLarsen氏が3月3日に申請した、訴状の取り下げを求める申し立てについて、12日、米SEC(証券取引委員会)と米リップル社の役員らが審議の日程で合意に至った。 (関連記事
3/16 リップル社、SECの申し立て(9日)について反論書類を提出: SEC側の削除申し立てについてリップル社はメリットがない動きだとし、「抗弁に対する削除申し立ての負担は非常に高く、SECは対処できない」など、4つの論点で反論を行った。 (書類
3/16 リップル社訴訟、投資家集団の介入は拒否される: XRP投資家(XRP ARMY)の集団がリップル社対SECの訴訟に関係者として介入する試みは、裁判所によって退けられた。 (書類
3/18 SEC、リップル社CEOらの個人財務記録提出の無効を求める書簡の却下を申請: リップル社のGarlinghouse CEOと共同設立者のLarsen氏の財務記録は訴訟に関わるとして、SECは該当する情報の召喚状(subpoena)の受け入れを求めた。 (書類
3/19 オンライン上で法廷尋問を実施: リップル社CEOらの個人財務記録の提出の適否や、仮想通貨XRP(リップル)の実用性(ユーティリティー)と有価証券性について双方の弁護士が審議を行った。
3/22 リップル社が裁判長宛てに書簡を提出: リップル社の弁護士が裁判長宛てにSECが21日提出した書簡に反対する書類を提出。SECの主張に反論し、ビットコインとイーサリアムと(仮想通貨XRP)の比較は重要であるなどと弁論した。 (書類
3/24 4月6日に証拠開示手続きの審議を開催へ: 4月6日に証拠開示手続き(ディスカバリ)を進める審議を行うことが発表された。 (関連記事
3/29 XRP投資家介入の提案: XRP投資家の集団(6名)がSECとリップル社の訴訟に関係者として介入する提案が裁判所に認められた。投資家らは4月19日までに介入の申し出を提出する必要がある。 (書類
4/1 証拠書類Aの密封を暫定的に認可: Sarah Netburn裁判長がリップル社企業秘密を含む証拠書類Aの密封(Seal)を暫定的に認める。(密封された場合、証拠は一般に開示されない)また4月2日までに双方で会い、リップル社の密封を求める主張(Motion to Seal)がどれほど認められるべきか議論するよう命令を下した。 (書類
4/2 リップル社とSEC側が会談: Netburn裁判長からの命令が下された後、リップル社とSECは証拠書類の開示に関して会談。論点となる4点の書類の内、2点ではGarlinghouse氏を除く個人情報や機密性の高い財務情報の改訂で合意に至った。 残り2点の証拠書類については訴訟と関連性が無い点やリップル社のロードマップなど企業秘密情報が含まれていることから密封するよう裁判長に求めた。 (書類
4/6 裁判官がSECに証拠開示手続きを要求: XRPの有価証券問題をめぐる証拠開示手続き(ディスカバリ)の裁判審議(電話会議)にて、裁判官はリップル社の申し出2点に許可を出した。 (関連記事
4/9 裁判官がSECの一部要請を棄却: 裁判官Sarah Netburnが米時間4月9日に、SEC(証券取引委員会)の一部のリクエストを認めない判断を下した。(関連記事
4/19 「投資家保護に反する」、XRP投資家集団: XRP投資家集団が裁判への参加を求めている件で、「裁判におけるSECの論点は、投資家保護に反している」とする旨の書類を裁判所に提出した。(関連記事
4/23 米SEC、複数の海外事業者に情報開示を請求: SECがXRPおよびリップル社に関する情報を海外事業者に対して正式に請求できる権利を求めている。(関連記事
5/7 裁判所が米SECへ証拠開示を要求: Netburn裁判官がSECに対して、一部主張に関する証拠開示を要求した。(関連記事
5/8 SEC: 米SECは新たに裁判所へ、リップル社に対する『有価証券関連の法的助言』の書類開示を請求する申し出を提出した。(関連記事
5/15 SEC: SECに訴訟の取り下げを求める、3万超の署名が集まった請願書がGary Gensler委員長に提出される。(関連記事
5/31 裁判所: 裁判所はSECがリップル社に求めていた「法的助言の記録等」情報開示請求を却下した。(関連記事
6/2 リップル社: リップル社CEOと共同創設者はオフショア仮想通貨取引所15社に書類協力を要請。(関連記事
6/4 リップル社: リップル社側はSECに対して、「XRPが有価証券に該当する」との主張に関する証拠開示を要求。(関連記事
6/7 SEC: 「XRPの有価証券性」に関する証拠開示への返答の期限延長を要求。(関連記事
6/11 SEC: SECは、リップル社側の証拠開示要求について、さらに2ヶ月の提出期限延長を要求。(関連記事
6/14 リップル社: リップル社側はSECが「XRPが有価証券に該当する」との主張に関する関連証拠を開示すると要求する申し出について、その必要性に関する追加の書類を提出した。(参考
6/14 SEC: 裁判官はSECの延長申請を許可した。(関連記事
6/15 SEC: 裁判官がリップル社のロビー活動に関連する文書を求めるSECの要求を却下。また、裁判官は、追加の証言聴取を行うというSECの申立てを部分的に認めた。(関連記事
6/24 リップル社: Netburn裁判官はリップル社がSECの書類「内部トレーディングポリシー」の開示を求める申立てを認めた。(関連記事
6/24 SEC: SECは、リップル社側がSECのWilliam H. Hinman前企業金融ディレクターに対して証言録取召喚状を求める申立てをブロックする書類を提出した。(参考
7/9 リップル社: リップル社側はSECのWilliam H. Hinman前企業金融ディレクターに対して証言録取召喚状を求める申立てで、裁判官に実施の希望日程を7月19日に変更したことを伝えた。実際、Hinman氏への証言録取が可能かどうかは未だ決まっていない。(参考
7/16 リップル社: Netburn裁判官は米SECのWilliam H. Hinman前企業金融ディレクターに対するリップル社側の証言録取の申立てを認めた。(関連記事
7/19 リップル社: リップル社の弁護人が、被告による訴訟の棄却申し立てを裏付ける新たな補足文書を提出した。(関連記事
8/2 リップル社: Garlinghouse CEOの弁護士は、バイナンスに対しても書類提出の協力を求めた。(関連記事
8/5 裁判所: リップル社によるバイナンス関連の資料を求める要請が裁判所に認められた。(関連記事
8/9 SEC: 米SECは9日、リップル社のSlack上のチャット履歴データの提出を要請。リップル社はSEC側の要求に応答する期限を16日まで延長するよう裁判側に求めた。(関連記事
8/11 SEC: SECは11日、Hinman氏の証言録取に関する情報封鎖を要請する申し出の提出に、2日の延期を裁判所にリクエストした。(参考
8/16 リップル社: リップル社は、SECが要請するSlack上のチャット履歴データの提出に対して、反対する申立てを裁判所に提出した。(参考
8/18 SEC: 米SECのWilliam H. Hinman前企業金融ディレクターによる証言が明らかになった。(関連記事
8/21 リップル社: SECの内部書類の提出を求める要求(リップル社側)に対するSEC側の反対について、リップル社は裁判所に返答の書類を提出した。この書類には、「Hinman前企業金融ディレクターのXRPに関する個人的な見解は疑わしい」など、有価証券の判断基準が明確ではないと指摘する内容があった。(参考
8/25 リップル社: リップル社側とSECは一部のディスカバリー(情報開示)に関する終了期限を延期することに合意。(関連記事
8/27 延長期間: 裁判所は上記の延期を同意した。(参考
8/28 リップル社: リップル社は、SEC従業員がXRPやその他デジタルアセットを取引することが許可されたかに関する書類の提出をSECに要求。裁判所は、9月3日までにSECが申立てに返答する必要があると命じた。(参考
8/30 SEC: SEC側は、リップル社が録画した社内会議の動画と音声の開示を要求。今月リップル社の元社員が証言するまでSECはリップル社が社内会議を録画していることを知らなかったが、リップル社に動画の共有を求めたところ、拒否され硬直状態になっている。(参考
8/31 リップル社: リップル社は上記のSECによる動画開示の要求について、返答の期限を9月7日に延長するよう裁判所に申立てた。(参考
9/2 裁判所: 裁判所は、SECが要請するリップル社のSlack上のチャット履歴データの提出という申立てを認めた。(参考
9/2 SEC: SECは、リップル社及びChris Larsen氏が要求するハウィーテスト(有価証券の判定基準)に関する質問への返答について、9月8日までに延期すると裁判官に申請した。(参考
9/7 リップル社: リップル社は再び、SEC従業員がXRPやその他デジタルアセットを取引することが許可されたかに関する書類の提出をSECに要求し、申立ての追加書類を提出した。(参考
9/7 リップル社: リップル社はSECが要求する社内会議の録画記録の開示について、一部内容のシール(封鎖)を裁判所に申立てている。(参考
9/8 SEC: SECはリップル社が要求する、過去8年間どのようにハウィーテストを被告人のXRPトランザクションに応用したかに関する解釈書類の開示について、反対の申立てを提出した。(参考
9/11 リップル社: 裁判官は、リップル社が申立てた社内会議の録画記録における一部内容のシール(封鎖)を一時的に承認した。これを受け、SECは封鎖に対する反対の申立てを提出した。(参考
9/11 SEC: 裁判官は、SEC側が求めるリップル社の社内会議の動画と音声の開示の申立てを「未決定」した。(参考
9/14 SEC: SECは主張する情報開示の特権に関して、裁判官がカメラの前でレビューする全ての書類も特権によって保護されるとの旨の書類を公開した。(参考
9/16 SEC: 14日にSECが裁判官に提出した内部書類で以下の内容がわかった。2017年:ConsenSysのJoe Lubin氏がSECのFinHubの責任者Szczepanik氏と会談。2018年:CMEの代表者がSzczepanik氏とXRPについて会談。2019年、SBIグループがSECのクリプトママ(Hester Peirce氏)と会談。会談の詳細については明かされていない。(参考
9/16 リップル社: リップル社及びChris Larsen氏はSECに要求したハウィーテスト(有価証券の判定基準)に関する返答に対して、返答を行った。(参考
9/21 裁判所: 裁判官は21日、SECの従業員が仮想通貨を取引することが許可されたかに関する記録提出というリップル社側の申立てを棄却。(関連記事
9/21 SEC: SECは、同局の2つ目及び3つ目の調査資料に対するリップル社の「反論及び返答の一部非公開」の申立てには異議を申さないとした。(参考
9/22 SEC: SECは、過去8年間のXRP販売におけるハウィーテスト(有価証券の判定基準)応用に関する論争について、一部の内容非公開を申し立てるための時間延長を求めている。(参考
9/28 SEC: 裁判官はリップル社側が求める一部内容のシール(封鎖)を一時的に承認した。(参考
9/28 リップル社: リップル社側はSECが特権主張で公開を拒む書類について、公開すべき理由を述べる書類の内容を修正し更新した。(参考
9/29 SEC: SECは、リップル社側による29,947(回)もの書類関連の要求について負担が多すぎると指摘し、裁判官から救済命令を得るための電話カンファレンスの開催を要求。(参考
10/5 リップル社: XRP保有者の代表弁護士は裁判の法廷助言人として参加することが裁判官に認められた。(関連記事
10/5 リップル社: SECが求めるGarlinghouse氏らの会議などの記録の開示に対して、リップル社が求める10月8日への返答延長が認められた。(参考
10/5 リップル社: SECが求める書類へのアクセスにおける秘密保持命令のリクエストに対して、リップル社が求める10月7日への返答延長が認められた。(参考
10/7 SEC: SECはリップル社側の個人による訴訟の取り下げに反対する補足を行う通知を提出した。(参考
10/7 リップル社: SECが求める裁判官から救済命令を得るための電話カンファレンスの開催に対して、リップル社側は反対する書類を提出した。(参考
10/7 SEC: 裁判官はSECが法律事務所(サードパーティ関連)と会議したときの書類記録、Hinman氏の2018年のスピーチに関するデジタル資産の枠組み、また、特権主張に関する説明の書類を10月15日までに提出するよう判断した。(参考
10/8 リップル社: リップル社側は、SECがGarlinghouse氏とLarsen氏などの役員および従業員が訴訟関連で話していた内容の記録を提出するよう要求していることについて、反対する申立てを裁判所に提出した。(参考
10/8 リップル社: リップル社側は、最近提出した書類の一部内容の封鎖を求める。SECはその要求に反対。(参考
10/30 リップル社: 裁判所は、リップル社側が22日にプライベート履歴を封鎖(シール)すると求めた申立てを承認。履歴はリップル社がSECに対して、「Hinman氏基準」に置かれる局内でのデジタル資産の取り扱いの記録開示を求める書類につくもの。SECは「特権によって保護される書類」であるため、リップル社側に開示する必要がないと主張していた。今回の判断で、SECがその該当の書類を提出する必要があるかどうかは決められていないという。(参考
11/9 裁判官: 裁判官はSECがリップル社に内部会議に関する動画・音声記録を提出してもらう申立てを制限付けで承認した。(参考
12/10 リップル社: リップル社側は10日、専門家ディスカバリーの期限を3日延期することを申し立てた。あくまでスケジュールの調整であり、他の期限は影響されない。(参考
2022/1/6 SEC: SECは1月6日、リップル社側が主張している「事前(フェアな)通知」に対抗するために補充の関連書類を裁判所に提出した。(参考
2022/1/12 専門家ディスカバリーの期限=延期: FOXニュースが入手した情報によると、オミクロン感染拡大のため、裁判所は専門家ディスカバリーについて1ヶ月ほど延期することがわかった。(参考
2022/1/13 リップル社: 裁判所はリップル社が求める、SECが特権主張で公開を拒む書類について、公開に関する一部の申立てを許可した。(参考
2022/1/21 SEC: SECはリップル社に書類を開示するという裁判所の命令について、2つの申立てを裁判所に提出した。書類提出を遅らせる動きだと見られる。(参考
2022/2/19 法律事務所メモ: SECが持つリップル社に関連する2012年のリーガルメモの内容が明らかになった。メモを作成したのはPerkins Coieという証券法専門の事務所。1つ目のメモで、リップル社がXRPをトークン販売のように売れば有価証券になりうるとコメント。しかしその後リップル社がビジネス計画を修正したことを受けたPerkins Coieは、2つ目のメモでは有価証券になるリスクが低く、SECが有価証券とみなすべきではないとした。(参考
2022/3/11 裁判所、SECの主張を却下: 裁判所は、SECがリップル社の公正通知防衛(フェア・ノーティス・ディフェンス)を除外するために提出した動議を却下し、リップル社がフェア・ノーティス・ディフェンスを維持することを認めた。被告が主張するフェア・ノーティス・ディフェンスとは、SECがXRPを証券として規制することについて十分な公正な通知を与えなかったとするもの。(参考
2022/3/11 個人による訴訟の取り下げを却下: 裁判所は11日、リップル社CEOらが個人を対象とした訴訟を取り下げる申立てを却下した。(参考
2022/4/11 裁判所、Hinman氏の資料非公開を求めるSECの申し立てを却下: ネットバーン判事は、Hinman氏のイーサリアム発言の関連資料を非公開とすることが適切と主張していたSECの申し立てを却下した。(関連記事
2022/9/15 双方、略式判決の申立書を提出、今後のスケジュールで合意:SECとリップル社は共に、正規の事実審理(裁判)を省略して、提出文書に記された論拠に基づき、裁判所が判決を下す略式判決を求めた。 (関連記事
2022/9/23 リップル社CEO、SECと裁判の見通しについて語る:ガーリングハウス氏は、XRPの有価証券問題で略式判決の申し立てを行った事について、「事実と法律が明確である」ことをあらためて強調。投資契約の定義を満たすか否かの判断基準となるハウィーテストについて、XRPは同テストの三つの要素全てを満たさないと述べた。 (関連記事
2022/9/29 内部資料提出に対するSECの異議申し立てを裁判所が却下:SECは7月26日、Hinman氏のイーサリアム発言関連資料に関するの裁判所の判断を再考するよう求める申し立て(再審請求)を行っていたが、米国連邦地裁のアナリサ・トーレス判事はこのSECの異議申し立てを却下し、命令を遵守するように求めた。 (関連記事
2022/10/11 リップル社CEO、裁判の戦略に言及:ガーリングハウス氏は、裁判所の命令にもかかわらず、仮想通貨の分類に言及した2018年の講演に関する内部文書提出をSECが拒んでいることを非難。リップル社は、同講演に関するメールや草稿などのSECの内部文書が、「XRPが有価証券である」というSECの主張を覆す鍵となると見ている。 (関連記事
2022/10/28 米ブロックチェーン協会、リップル社を擁護する法廷助言書:ブロックチェーン協会は、仮想通貨業界における多くの事例は、トークンを投資契約の範囲外で使用していると主張した。 (関連記事
2022/11/15 米コインベース「XRPの証券性について、SECは公正な事前通知を怠った」関連記事
2022/12/2 米リップル社とSEC、裁判所に最終書類を提出:略式判決の動議書に対する回答をそれぞれ提出。リップル社Stuart Alderoty最高法務責任者によると、今回の回答はリップル社に有利な判決を下すよう裁判所に求める最終的な書類。 (関連記事
2023/2/20 リップル社Stuart Alderoty最高法務責任者: 「SECは、最高裁判所での過去5件の訴訟のうち4件で敗訴した」とツイート。(参考
2023/3/3 リップル社、規制当局の「公平な警告」を重視する最高裁判決を考慮するよう判事に要請: リップル社は、23年3月1日に最高裁が下したUnited States v. Palomino-Colombiaの判決が、XRPを巡るSECの裁判における同社の重要な弁護策になると主張。この判決は、連邦法が何を禁止しているかを「公平に警告」する必要があるとして、納税者に罰則を課す規制当局のアクションを制限した。(参考
2023/3/6 リップル社ブラッド・ガーリングハウスCEO: 「XRP訴訟は2023年中に結論が出る見込み」。「裁判官はこの訴訟が今後も重要な事例になることを認識しているはずだ」とも意見。(参考
2023/4/13 公正通知防衛に関する両社の追加主張: SECは4月10日に補足文書(Letter of Supplementary Authority)を提出。コモンウェルス事件の判決(2023年4月7日)を引用し、公正通知防衛の棄却に根拠を示した。これを受けてリップル社は13日に提出した抗弁で、自社の訴訟とコモンウェルス事件は異なると主張し、公正通知防衛を立証するだけの十分な証拠があると強調している。(参考
2023/6/13 SECのヒンマン講演資料が公開: SECウィリアム・ヒンマン前企業金融ディレクターの講演資料が公開された。ハウィー基準から分離され、個人の見解を含んでいることが明らかになった。リップル社のスチュアート・アルデロティ最高法務責任者は、スピーチに関するSEC内の取り扱いが統一されておらず「規制ギャップが市場の混乱をもたらした」と批判した。SEC批判の格好の材料となったが、実際の裁判への影響は限定的だと見る向きもある。(参考
2023/7/13 米地裁のアナリサ・トーレス判事の判決 Howeyテストの基準および投資契約の証券定義を満たしていないとの見解が地方判事によって示された。一方、リップル社による機関投資家に対するXRPの販売方法については、「有価証券法に違反している」とするSEC側の主張も認めた。 (参考
2023/9/8 SEC、リップル社裁判で中間控訴の必要性訴える 「個人投資家への間接的な販売(交換所を通じたものなど)については違反ではない」との見解、SECはこの部分に焦点を当て、「個人投資家への販売が投資契約に該当するか」について中間控訴により議論を深めたいと主張。 (参考
2023/10/3 米判事はSECの中間控訴認めず 裁判所はSECが申請した中間控訴の動議(申し入れ)を拒否した。米連邦地裁判事アナリサ・トーレスは、「SECが控訴動議の法的要件を満たしていない」と指摘した。 (参考

2023年7月13日:第一審、連邦地裁の判決

米国の連邦地裁アナリサ・トーレス判事は、2020年12月に米国証券取引委員会(SEC)が提起したリップル社とその仮想通貨XRPに対する訴訟について、部分的な判決を2023年7月13日に下した。

判決の結果、仮想通貨取引所での一般投資家へのXRPの販売(リップル社のプログラマティック販売)は、有価証券とは見なされないということが明らかになった。

トーレス判事は、判決を下すにあたり、原資産のオファー(提供)と売却を取り巻く経済的な現実や状況の全体性を分析した。焦点となるのは、「被告がXRPを有価証券として売り出したか、または売ったかという」ことだ。

ここでの証券法における投資契約の定義は、有名なHoweyテストによるもので、「契約、取引、またはスキーム」を含むこととされている。つまり、契約、取引、スキームの対象が必ずしも証券であるとは限らないというのが判例である。Howeyテストやその派生の判例は、金や銀、砂糖など、さまざまな有形・無形の資産が投資契約の対象となり得ることを示している。

SECは、リップル社が以下の3つのカテゴリーで未登録のXRPのオファーと販売に関与したと主張している:

  • 機関投資家向け販売契約で7億2800万ドルを受領
  • デジタル資産取引所におけるプログラマティック販売(7億5700万ドルを受領)
  • 現金以外の対価として6億900万ドルを計上したその他の分配金。これには、XRPとXRP Ledgerの新しいアプリケーションを開発するリップル社のXpringイニシアティブなど、サービスの対価として個人や団体にXRPを配布したものも含まれる。

また、リップル社の共同設立者であるクリス・ラーセンとCEOのブラッド・ガーリングハウスが未登録のXRP販売に従事し、それぞれ少なくとも4億5,000万ドルと1億5,000万ドルを受け取ったと主張されている。

裁判所は、これらの各取引カテゴリーを個別に分析し、評価した結果、トーレス判事は機関投資家向け販売についてのみSECの主張を認め、「機関投資家に対する数億ドル規模のXRP直接販売は違法な有価証券販売である」と述べた。これは、「他人の努力によってのみ利益がもたらされる共通の事業への資金投資」が投資契約という形の有価証券であるとする、連邦最高裁判所の判例を適用したものである。

判事は機関投資家がリップル社からXRPを購入することで、リップル社が得た資金がXRPエコシステムの発展に使われ、その結果XRPの価格が上昇することを期待していたと指摘している。また、一部の機関投資家が販売契約においてロックアップ条項やXRPの取引量に基づく転売制限に同意していたことを強調した。これらの条項は、当事者がXRPの販売を商品あるいは通貨として取り扱っていなかったという見解を強めるものだ」と、トーレス判事は指摘した。

一方で、判事は、デジタル資産取引所でのプログラマティック販売が、ハウィーテストの「他者の努力による利益の期待」という要件を満たしていないとした。この見解は、ラーセンやガーリングハウスの販売にも適用される。

デジタル資産取引所を利用する一般投資家が同様の期待を持つことはなく、したがって証券法に違反することはないと判断されている。

もちろん、プログラムを利用してXRPを購入した人の中には、リップル社の活動によって利益を期待していた人もいたかもしれない。しかし、この調査は投資家に対する公約や提案に焦点を当てたもので、個々の参加者の具体的な意図を探るものではない。

また、2017年以降、リップル社のプログラマティック販売は世界のXRP取引量の1%未満でるとして、デジタル資産取引所でXRPを購入した個人投資家の大半は、リップルに直接資金を投入していないと判断された。

判事はまた、従業員への報酬を含む「その他の分配」を有価証券には含まないと判断した。SECの主張では、リップル社はXRPを第三者に譲渡し、そのXRPを公開市場で販売させることでプロジェクトの資金を調達したとしている。さらに、Xpringの受領者は、他の通貨や商品の単位と引き換えにXRPを譲渡できたため、その他の分配は間接的な公募となるという立場をとっていた。

しかし、トーレス判事は、その他の分配金について、「取引またはスキームの一部としての”金銭の投資”がある」というHoweyテストの第一要素を満たしていないと判断した。

これらのXRP販売に対する金銭的な支払いがリップル社に遡及しない限り、裁判所がそのような認定をすることはできない。

今回の裁判では、互いの主張が一部認められ、一部却下されているため、両者とも控訴の可能性がある。

当事者の見解

リップル社のCEOであるガーリングハウス氏は今回の判決を受け、以下のようにコメントした。

我々は2020年12月、法律の正しい側にいると主張し、歴史の正しい側に立つとも述べた。今回の判決までサポートしてくれた全ての人に感謝している。この判決は、米国における仮想通貨の全てのイノベーションに恩恵をもたらすだろう。

一方、証券取引委員会(SEC)の担当者は控訴の可能性を示唆し、その上でFoxBusinessへ次のようにコメントした。

我々は、裁判所がXRPトークンをリップル社が特定の状況下で、証券取引法に違反する投資契約として提供・販売したと判断したことを高く評価している。裁判所は、我々の主張する通り、ハウイテスト(投資契約の定義をするための判例)が暗号通貨取引の証券分析における基準であることを認めた。

さらに裁判所は、リップル社が主張する投資契約の定義についての独自の基準を却下した。その代わりに、Howey判例とその派生判例が、有形・無形を問わず、様々な資産が投資契約の対象となり得るという原則を裏付けている。

また、裁判所はリップル社が持ち出したフェア・ノーティスの主張を否定した。Howeyのテストは明確であり、無知を主張することが証券法違反への抗弁にはならないと裁判所は指摘している。我々は、この判決についてさらなる検討を行うこととなる。

Howeyテストを尊重

リップル社は、標準的な「Howeyテスト」に加えて、「プロモーター(販売者)が販売後も特定の義務を負い、その努力から得られる利益を投資家に分配する」という要素を投資契約の「必須要素」と主張していた。これはリップル社が提唱する、独自の投資契約の定義だ。

しかし、トーレス判事はリップル社のこの主張を退けた。「Howeyテストとその派生判例は明確であり、最高裁が要求していない追加の要素を被告が課すことはない」と指摘した。

また、リップル社が提出した「公正通知防衛(フェアノーティスディフェンス)」も判事は却下した。これは、SECが違法行為または要求行為を公正に告知しなければならないと主張する防御策で、コインベースなど他の企業も使用している。

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被告側の主張としては、SECがデジタル資産に対する明確なガイダンスを発行しておらず、デジタル資産の販売を投資契約と規制する方法に一貫性がないというもの。

しかしながら、判事は、「投資契約を定義する既存の判例は、一般的な理解力を持つ人々が何が規制の対象となる行為であるかを理解する十分な機会を提供している」と指摘。「少なくともインスティテューショナル・セールス(機関投資家への販売)に関しては、公正通知防衛は認められない」と加えた。

さらにトーレス判事は、「Howeyテストは明確に投資契約の定義を示しており、その派生判例は、さまざまな事実関係のシナリオにどのようにそのテストを適用するかの指針を提供している」と述べた。

業界の反応

今回の判決は、米国の大手仮想通貨取引所コインベースにとって、SECとの法廷闘争を有利に進める上で役立つとの見方が出ている。

法律事務所Kattenのシニア・カウンセル、ゲイリー・デワール氏は、「これは業界にとっては大きな勝利であり、SECにとっては大きな損失である。なぜなら、プログラム販売は投資契約ではないと判断することで、仮想通貨の流通市場取引は証券ではないと判断しているからだ」とロイター通信の取材で述べた。

今回の結果を受けて、米コインベースはXRPの再上場を実施。XRP-USD、XRP-USDT、XRP-EURの3つの通貨ペアを提供することにした。コインベースは2021年1月からXRPの取引を停止していた。

「トーレス判事の洞察に満ちた決定を読み、その分析を十分に理解した。XRPを再リストする時が来たと考える」とコインベースの最高法務責任者ポールグレワル氏はツイッターで述べた。

証券性の判断に関する明確な規制を望んできた仮想通貨業界にとって、今回の判決が、法整備の進展を助ける可能性がある。

仮想通貨支持派のトム・エマー下院議員(共和党)は、ツイッターで、「今回の判定はトークンが投資契約とは異なるものであり、それが一部であるかどうかは別問題であることを確立した画期的な進展だ」と述べ、「さあ、法律を作ろう」と締めくくった。

ハウィーテストとは

米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件に由来する。 法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。

▶️仮想通貨用語集

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